中越地震にて被災した長岡市中沢町にて、水廻りの増改築工事を行っています。
中沢町は長岡市内でも被害の大きかったところで、地割れが所々に走り、全半壊の住宅が点在していました。
昨年で殆どの建て替えが完了していますが、あまり痛まなかった住宅の復旧はこれからです。
このT邸は10年くらい前に、水廻りを残して我が社にて部屋廻りの改築を行っていたのですが、地震により古しい水廻り部分が損傷してしまったため、今回、新しくしようということになりました。
10年前の増築部分の基礎はベタ基礎で、当時は殆ど採用されていない工法でしたが、全面玉石を敷き、全面鉄筋を入れた基礎は、
「鉄骨でも建てるのかのう?」
などと、ご近所から言われたものでした。
今回の地震で改めて、この基礎が頑丈だったかを感じさせられました。
基礎には全くヒビが入っていないし、不当沈下も全体で2センチ以内。
上部の建物の損傷は和室の塗り壁でも殆どない状態でした。
壁という壁に筋交を入れていたのも幸いしていたのでしょう。
どんな建物にも手を抜かなかった結果が、この地震で出てきています。
さて、今回の水廻りの増築部分ですが、ほんの10坪の増改築でしかなくとも、わが社の基本の構造はそのまま採用しています。
全面栗石地業、総ベース。
どんなに小さくともお客さんにとっては大切な財産。
手は抜きません。
残念ながら、伝統木組みまでは出来ないのですが、県産材はふんだんに使います。
県産材を使う。
これは捨てられないポリシーです。