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「地場の杉は狂うから使えない」
よく地元の大工の言うセリフです。
実際、野地板(屋根に貼る下地材)の狂いは写真の通りで、乾燥とともにドンドン反っていくのです。
これが「アテ木」で、こういう材料を現場に使うと屋根材が浮かんでしまうので注意が必要です。
昔は、作業小屋で長期間取っておいて、木のくせを見定めてから使っていましたが、最近は材木屋から買った材料をそのまま使うので、狂う材料が入っていれば欠陥となってしまうのです。
材木屋も保管しておいて、狂った材料をいちいち取り除いていると手間もかかるし材料も無駄になる・・
ただし、この「アテ木」、狂う方向を見定めて構造材に使えば丈夫な材料になるのです。
「根曲がり杉」はその典型で、アテの多い根っこの部分を屋根に使えばこれほど強いものはない。
木を見抜く大工が少なくなっているので、地場の材料はなおさら敬遠されてしまうのが現状です。
工夫して、時間をかけて使えば有効に利用できるのですが・・
山の木の話へ・・