べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

埼玉 H邸 木造3階建て(1階鉄筋コンクリート)

2008-07-31 23:50:00 | リフォーム奮闘記
気温30度。ようやく夏到来か?
でも、朝晩は涼しく、熱帯夜までは程遠い。
秋田沖に停滞中の低気圧が原因とか・・今年の日本海の低気圧はねばる。
太平洋高気圧が一気に北上するのは、台風の通り過ぎた後か?

そういえば、今年は台風が一回も来ない。
ほとんど、台湾や東シナ海を西北へ移動するのみで、日本海側へ進路を向けないのは、やはり大陸の低気圧の勢力が強いからか?
それとも、巨大台風が来る前触れか??
940Hpaなんて超大型とか来たりして・・
しかも、フェーン現象で40度近くまで気温が上昇したりして・・

気象予報士も予想のつかない事態が起こっても不思議ではない今日この頃です。


さて、写真は2001年に完成した埼玉H邸です。
まだ、伝統構法に目覚める前の物件。
木造3階建て、1階鉄筋コンクリート造。

新潟県では「高床住宅」が条例で制定され、当時は梁下1.8mまで構造計算も要らず、普通の木造2階建ての確認が出せました。1階部分の鉄筋コンクリート(RC造)部分は「基礎」とみなされます。雪国新潟ならではの制度です。
現在では梁下1.5m超の場合は構造計算が必要となります。
混構造の構造計算ができる設計士が不足しているため、現在では純粋な木造3階建てで申請する場合が多いようです。

それでも、1階がRC造ならば、車庫としての梁間が取れるので、高床のほうが便利だと思いますが・・
(木造だと1階に壁を多く取らなければならないため、車庫として使用するには難しいかも・・強引にシャッター部分を広く取れば危ない建物になります。)


埼玉県では、当然「高床」の概念もなく、始めから3階建てとして計画しました。
1階がRC造なのは、車庫にするためで、奥に玄関、階段を配置してます。
コンクリート柱が12本。それをコンクリート梁で結び、コンクリートの床版。基礎はベタ基礎で土中梁も大きくとってます。
構造計算は全て、私がやり、鉄筋、コンクリート打ちも全て自社。
(大変でしたが・・その時の経験が日赤町K邸に活かされている。)

全体の設計としては、2階が若手の階、3階が老夫婦の階の2世帯住宅です。
それぞれにベランダを設けて、物干しが南面を占拠。洗濯場が各階にあり、台所も別。でも浴室はいっしょ。
3階バルコニーは屋根を張って、その上にアルミ製の物を組み立てています。
これは、「防水はあまりあてにならない」という経験上の理由からで、よく屋根無しベランダとかありますが、殆ど雨漏りしているのです。
雨にはやっぱり、屋根が一番。

子供が学校から帰ってくると、まず3階のおじいちゃんたちの階へ行って、遊ぶ。
核家族化が進む都会では珍しいのかも知れませんが、埼玉とか、意外と田舎な面があります。
家族団欒の場面があることは、良いことだと思います。
3階に老夫婦の階を持ってきたのは、まだ元気だったからでしたが、さすがに応え始めてきたとの事。
間取り的に、エレベーターを付けるゆとりも無いので最悪は階段用の昇降機とか使うしかない。
1階を改装してしまうのも手ですが・・(それも十分可能。広い納戸があるので・・車庫をつぶすとか・・)
フレキシブルな設計にしておくのも、将来的に応用が利くものです。


木造の高さは最高の軒高が9m、最高の高さ13m以下と決められているので、どうしても3階が低くなる。
よって、窓は屋根すれすれに位置してますが、怪我の功名で、意外と外観のバランスは良かったかも・・
(いま、設計すれば、外観にもう少し凝るかも・・羽目板貼るとか・・)

一応、雪国仕様で、4寸柱が基本となってます。
当時は「3×9パネル」というパネル構造としていたので、耐震性も抜群。
小屋梁も、2m位の積雪に耐えられます。関東だからって、ちゃちな構造にはしたくない。

先週は、この家のドアにドアチェックを付ける工事をしました。
子供たちが、バタバタ閉める音が、3階に響くし、壊れそうだということです。

丁度、東京虎ノ門で「日本住宅新聞」のインタビューがあり、その前に一仕事してきたのでありました。
道具は電動ドライバーのみ。ドアチェックはこちらのホームセンターで用意して、リュックに入れて上京。

ついでに、あちこちも点検しましたが、まだ7年くらいしか経っていないので、さして痛みも無い。
「10年保証」とか言いますが、10年なんてあっという間です。
まだ、2~30年は平気でもちそう。
(でも、その間に地震が来るのだろうな・・)

ついでに、住宅新聞のインタビューですが、名古屋から来られた「伝統構法」を主体にしている工務店さんとの出会いがあり、同じ家造りのスタンスでやってるところがあるという発見もできたのは収穫でした。
8月号に乗るらしいですが、「山の木を使った家づくり」をしっかりアピールしてきたので、全国の工務店が山へ目を向けるきっかけになれば・・と思ってます。(一般の人は、この誌は読まないからね・・)
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山田町 S邸改装工事

2008-07-28 21:04:32 | リフォーム奮闘記
局所的な雨が降る今日この頃・・
梅雨明けしたのに、、なんでこの雨?低い気温?
大陸の低気圧が、まだ強いようで・・
ひょっとしたら、オリンピック快晴用に撃った中国の高射砲のせい?
何か気候が変!
といっても、2週間程度のズレは当たり前な近頃なので、あまり驚きもしないのですが・・

今年の気圧配置は、本州沿いにカーブを描く感じで前線が停滞し、それに沿って南側からの湿った空気が北上、前線付近で大雨を降らすという状況が続いています。
局所的な大雨。雷雨。

これが過ぎれば、暑さも本番?

さて、山田町S邸の改装工事も中盤を過ぎました。
この7月中に若手が同居し、アパートを引き払うということで、急いで3階の部屋をまとめねばならん!
1間(6尺=1.8m)くらいまでならば階段を使って上げるのですが、それ以上の長物(3m以上)は、外から窓越しに上げました。
3人掛かりで、窓から手を出し、手渡しです・・・・

3階の改装工事は大変です。
6月の中旬から、1階の台所+居間、1階トイレ、2階のトイレ、3階の洋間と先の見えない長いリフォーム。
住みながらなので、余計、手間がかかってしまう。
しかも、アスベストを封印しながらの作業です。
(しまった!この話題についても書かなきゃ!)

でも、先週でようやくひと段落つきました。
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越後に生きる家をつくる会 見学会

2008-07-25 01:09:50 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
昨日は、岩手県で震度6という地震が発生。
マグニチュード6.8は中越地震と同規模のエネルギーですが、深さが100キロとかなり深く、直下型でないことから意外と被害が少なかったようです。

それでも、こちらに(新潟)震度3程度の本震と余震があったのは、規模が大きいことを物語っています。
これから被害の詳細が明らかになってくるでしょうが、前回の岩手・宮城内陸地震に比べれば被害が少ないようです。地震が多い今日この頃・・・

日記も、更新がままならぬ状態が続いています。
先週は、イベントが目白押しで、話題は溜まる一方・・
越後に生きる会の見学会、東京へ日本住宅新聞の取材に行ったこと、越後の会の飲み会、柏崎の蔵の改修の下見等等・・
また、次回に繰越か???

いずれも、「山の木を使おう」というメッセージを伝えに行った共通項があります。

ひょっとしたら、その役割が強いのかもしれない。
東京方面へ、そういう話をしに行く場があるのも、今、必要とされているのかも知れません。新潟で培ってきた技術や経験を、大都市圏へ伝授し、大いなる目標(=都市を第二の森林にする)を達成する次なるステップへと移行している??しかも伝統構法(日本の文化)を残すという大役も兼ねる。
そんな中、全国をまたに駆けた数々の出会いが!・・・ドラマが生まれつつあるのか??
(それが、美しい地球を後世に残す、プログラムなのか?まだ間に合うのか?うん、たぶん間に合うんだと思う。道を正しく見続けていれば必ず開ける。)

忙しすぎて、大変なのが実情・・困ったものです。



さて、13日(日)は「越後に生きる家をつくる会」の住宅見学ツアーが開催されました。
新潟方面から50人を超す参加人員で、キャンセル待ちもあったとのこと・・
見学や各種イベントで、年々参加人数が増えて充実してきました。

午前中は、「さくら住宅」の木組み住宅を2軒見学。
出雲崎町の完成物件と、柏崎市に建築中の物件です。
以下、さくらさんの様子です。


         さくら住宅の完成見学


      説明する社長さん


      木組み


お昼には、東京電力の原子力発電所資料館、田中角栄記念館を見学したあと、後半の我が中島町H邸見学(長岡)となりました。
柏崎から長岡までのバスの中で、H邸の概略と山の木に対する想いを全開。

みなさん、食後のウトウト気分の最中、思いの丈をぶつけても、なかなか通じないような状況でしたが、よくぞ付き合ってくれました。
後半の、柱を一本一本丹精こめて磨いているのと、地震の時の体験談を話したら、真剣に聞いてくれてる人も多数・・ちゃんとこっちを見て聞いてくれてるのよ。

まあ、山の木と伝統構法に対する想いを伝えただけで、今回は良しとしよう。



さて、現地の中島H邸ですが、50人も入れるかと思ったら、入れました。
バスの中で説明した背景もあり、みなさんしっかりと見学していったようです。
それまで見ていた目と違う感じが取れました。
やっぱり、本物は分かるのね。

「私が凄いというんだから、凄いよ」
っていう、レベルの高いお客さんからも誉め言葉を頂きました。

一本一本磨いた柱や丸柱、木組み、明るい吹き抜け、外観のデザインに皆さん感動していったようです。
バスの中で、人気投票をしたらダントツ一位だったとか・・・

何よりも嬉しいことであります。
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引き寄せ金物 長岡和島小学校

2008-07-14 13:35:51 | 長岡の紹介


久々の雨。ようやく本格的な梅雨か?
時々雷と共に激しい雨が降ります。局所的な豪雨の予感。
昨日は、7・13水害から3年目の慰霊祭が中之島、三条にて行われました。
中越地震によって影が薄くなってしまいましたが、あの年は、水害、地震と天変地異が相次いだ年です。

災害は、忘れた頃にやってくる・・

特に、この時期は雨による土砂災害が懸念されます。
岩手・宮城内陸地震の震災ダムの周辺でも、土砂災害への厳重な注意が必要でしょう。
激震区の一刻も早い復旧をお祈りします。

さて、先週の長岡公共建築物の見学の感想を述べておきましょう。
昨日の「越後に生きる家を作る会」の見学ツアーの模様は、又の機会に・・
(そうやって、先送りにして忘れ去られた話題は数知れず・・)


写真は、和島小学校の土台部分ですが、他の構造材もこのような金物の納まりになっていました。
ボルトを外側から差込み、内側でナットを締め付ける「引き寄せ金物」です。

この金物の利点は、将来、ナットが緩んでも、外壁を解体することなく内側で締め直すことが可能なことです。
欠点は、見た目が金物が露出してしまうということで、これは目立たさなくする工夫が必要。
壁の中に入れ込むと、締め付けの段階で壁を壊す必要があります。
やっぱり露出か・・・

金物を使う場合、どうしても木が痩せるので、締め直す作業が必要です。
100年、200年の間には何度かの中規模地震と、2回程度の大規模地震を受けるわけですから、その都度、金物が木に食い込む。
緩んだ金物のまま、次の横荷重を受けると必要強度が得られません。

内側から、容易に締め直す工夫がされていれば、金物を使った場合でも、長期の耐久性が期待できます。
これは、伝統構法の場合、クサビや栓が緩んでも、打ち直してやればよいという考え方の応用です。
常に、昔の考え方に戻れば、解決策は自ずと出てくる・・

和島小学校も、そのような考え方で作られていた・・(のかな?)
構造的に合理性を持たせた設計は自然とデザインも洗練されます。

「益田先生」との出会い、見学で学んだことが活かされる。
木造公共建築物の草分け的存在である増田先生の作品の「形」だけ真似しても、構造が伴わなければ、片手落ちです。
本当に建物のことを考え、そして構造の美しさを表現するとき、見た人は感動を覚えます。

公共建築物の耐久性を考えれば、市民の財産となるわけですから、長岡市民としては投資のやりがいがあります。税金を納めているものとして・・


          建て方の模様


      建て方をしている「管理棟」の内部


      外部工事の進む「高学年棟」の内部

いくつかの木造棟の集合で学校が形成される設計です。
総額は12億円。坪80万円。
地元杉材をふんだんに使っています。


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長谷川邸 長岡木造振興研究会 見学

2008-07-10 20:55:11 | 伝統構法について


長岡振興研究会の見学が開催されました。

研究会のメンバー自体は10人程度なのですが、建築組合、設計士組合、木材商組合、森林組合、長岡職員を集めて、市のマイクロバス2台という大所帯。

見学コースは、

○和島小学校(木造新築現場)
○長谷川邸改修工事(旧越路町)
○神田県営住宅(木造3階建ての新築)

で、いずれも市のからむ木造工事です。

「長岡木造振興研究会」は平成12年に結成しています。
公共建築物の木質、木造化を図る研究会で、建築組合、設計組合、木材商組合、森林組合、長岡市建築住宅課の有志で組織し、平成14年度に「木」という木造検討の報告書をまとめたり、講演会を開催してきました。
ちなみに志田材木社長が会長で、私は副会長。

中越地震により、忙しくなり、途中活動は休止しましたが、その間に「中山間地復興モデル住宅」の母体となり活動を続け、ようやく地震の復興も落ち着き、見学会を開催できる余裕がもてるようになりました。


写真は、長谷川邸で、江戸時代中期に建てられた伝統構法の館です。
茅葺屋根と指し鴨居、梁、土塗り壁が印象的な長岡を代表する古民家となっています。
平成初期に改修が行われましたが、中越地震により被災。
地盤が下がったり、差し鴨居の仕口が割れるなどの被害がありました。

改修にあたり、地盤を柱状改良して足元を固め、構造の補強(金物)を行って土塗り壁を補修している最中に、「新潟県中越沖地震」があり、またまた補修工事が延びたという経緯があります。

それでも、地盤を補強したということもあって、被害は少なかったとのこと・・


長谷川邸の特徴は、建物北、西に座敷が広がり、庭が眺められます。西中央に玄関、中心部に土間。南側は土間打ちで窓が一つも無く、真っ暗な広い空間となっています。
現代の設計では、まず南側に広々と開口を設けて光を取り入れるのでしょうが、その逆です。

おそらく、何か思案があったのでしょう(ひょっとしたら、家相だったりして・・)

構造は、メインフレームの大黒柱、差し鴨居の大きな骨組み部分には壁が一つも無く、そこから3尺外に柱を立てて、そこに壁を設けています。

「木組みでもたせてやる。壁なんてたよらない」

という、棟梁の心意気が感じられます。
地震による荷重は外へ向かって働くので、あえて外側で耐力を持たせ、中心の骨組みに影響を与えない工夫だったのかも知れません。
これからの設計に活かせるような気がします。

・・ということに気が付いていたのは、マイクロバス2台のうち、私だけのようでした。たぶん、古民家を見たというだけで終わってる人が多いんだろう。
一つ一つ、実は隠された真実があったりして、それを見抜く目を養ってきた。
勉強になる所はいくらでもあるし、それを自分の建物に活かす工夫のきっかけになるはず。

ほんの40分くらいの間でしたが、あと半日見ていれば、もっと色々なことが分ったのでしょう・・
地震があと10年遅ければ、木組みを活かした改修ができたのに・・残念!!


大工~伝統技術について・・
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中島H邸 浴室

2008-07-03 21:19:09 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


夕方になって、ようやく雨が降り始めました。
これより梅雨本番というところなのでしょうか?
でも、また晴れる予報が続くようです。

今年は、天然乾燥の当たり年?

写真は、中島H邸の浴室です。
土間コンクリートを打ち込み、この後、防水工事を経て、仕上のタイル工事に移ります。
この浴室の広さは4.5帖で、通常の2倍以上の広さとなっています。

寝室よりシャワーキャリーにて、浴室中央に設置予定の浴槽の横まで運び、リフトで吊って浴槽へと入れる形状です。
4.5帖といっても、浴槽が入ると、洗い場は意外と狭い。
浴槽が中央に来るのは、反対側に介助者が付いて、浴槽の側面、両側からリフトで下ろすのを介助するためです。
それでも、中央から窓側へ10cmほど送ったのですが・・

この寸法は、リハビリ・チームを組んで、その意見を集約して割り出しています。
昨年の設計の段階から、ほぼ月に1度のペースで会合を開き、設計、施工と綿密な打ち合わせをしながら、各寸法、位置を決めてきました。
浴槽の位置も、一度合板で仮床を貼り、浴槽の模型を原寸大で作成して、決めています。

床の各所に防水ドレーンが配置されています。
ここに床排水や浴槽の排水、洗面器の排水がつなぎこまれます。

今までの、経験上、排水金具は微調整が効かないので、一度防水をかけてから、塩ビパイプにて調整が可能なように工夫してあります。
防水面でパイプを貫通するよりも、受けを付けて、そこにパイプの水を流せば良いという結論に達したのでした。
パイプ周りの防水が一番厄介だからです。また、そこから漏れる可能性が非常に高い。

こういった工夫は、リフォーム工事をしている内に思いついています。
屋上防水や屋内浴槽のリフォームの際に、どうやったら効果的に防水ができるか、考えさせられるのです。
まあ、普通の工事をしている人には、全く用の無いことなのですが・・
ユニットバスで対応すれば早いし・・

でも、こういった特殊な用途の浴槽の場合は、原点に戻る必要があります。

より、水が漏れないように、モルタル下地の合板より外側へ、ポリシートを貼っています。それを浴室を包み込むように天井まで貼る予定です。

このポリシートとその下地(間柱等)の仮固定には、両面のブチルテープを貼っています。仮押さえが容易にできることと、ビスやクギを打ったときに、ブチルテープにてクギとブチルがなじんで、そこでも防水が利くようにしています。

こういった工夫は、屋根工事や外壁工事の応用です。
どうすれば、ありきたりの材料を使って、効率よく目的を達成できるか・・
知恵をしぼればいい。

さらに、この外部には、旭化成のサニーライト断熱材を入れています。
浴室が温められたときに、結露を起さないために、浴室の壁、天井に入れ込んでいます。
更に、この土間打ちの前に、エスレンフォーム(断熱材)を挟み込んでいます。
(ちなみに、サッシも断熱サッシです)
床、壁、天井・・全ての面に断熱を施すことで、「在来の風呂は寒い」という印象を覆したいものです。

タイルは腰の75センチまで貼り、その上の壁は桧の羽目板を貼る予定。

入り口は、開口を1間近くまで空けたいために、3枚戸の引き違いサッシを入れています。
既製品の上3方枠と、敷居はステンレスで鉄骨屋さんに特注で作ってもらったものを使用。
ステンレス敷居によって、床の段差を解消するバリアフリーを実現。

既製品の3枚戸の場合、浴室対応ではなく、普通の形状なので、水仕舞が非常に悪い。
ブチルテープやコーキングを駆使しても、絶対に水が漏れる。
3尺空くタイプならば既製品でも浴室用のサッシと防水ドレーンがセットになっているものもあるのですが、規格品以外では、作るしかない。

前回、本町K邸にて浴室工事を行った際の経験が活きてきます。

今回は、更に、知恵を絞り込んで、上の3方枠とステンレス敷居のつなぎ目を床から10センチくらい上がったところに設定しました。
その高さまでステンレスは1体になっているので、水は漏らないはず・・
更に、壁面のポリシートを裏側へ巻き込んでからサッシ、敷居を取り付けています。
ステンレスの敷居は排水と一体となり、水が脱衣側へ流れないようにしてあります。

こういった、製品は、医療関係で必要だと思うので、製品化しておくべきでしょうが、需要事態が少ないので、自分で工夫するしかない。
(バリアフリーが叫ばれているのにね~・・実態は、全くといっていいほど整備されていない)
今ある製品を参考にして、どこまでが、そのまま使えるか、どこから自作するべきか・・どうすれば安く上がるかを検討する・・
それでも、特殊なユニットバスを入れるよりも安く上がります。



無数の工夫が散りばめられた浴室です。
一見、普通に見えるのですが・・
隠れたところに妙手あり。
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カキシブ焼け

2008-07-02 13:29:58 | 長岡市深沢町 山の木


気温は28度を越え、真夏日となるところ、梅雨なのに、かえって乾燥する日が続きます。
明日は、フェーン現象にて30度を越す真夏日となる予報です。
週間予報も晴れ続きで、今年は七夕は晴れるかも・・(はじめて)

その反面、田畑は日照りや水不足で農作物への被害が懸念されます。
農家にとっては、そろそろ一雨ほしいところでしょう。

家づくりにとっては好都合なのですが・・
大手通りの基礎のコンクリート打ちも無事終了し、建て方を待つばかり。
見附市K邸も雨ならば窓を開放しないのですが、晴れ続きで、乾燥してきている。
このまま、いい天気で夏までいってしまうのか??

写真は深沢町W邸です。
昨年引き渡した時は、カキシブを塗って、赤く色が付いた程度でしたが、焼けて茶色になっています。
差し鴨居下の柱は塗っていないので、焼け方の違いが一目瞭然です。

これほどまでに、焼けるとは予想もつきませんでした。
でも、いい味を出しています。

ワビ、サビが出ているというところ・・

こういう色で仕上げるのもいいかも。
防腐効果もでているだろうし・・

昔は、どこの家でも裏に柿木があって、夏に青いうちに採って、樽に漬け込んでいたようです。
外壁は、雨板を貼り、毎年1面ずつ塗っていたので、保存が利いたようです。
下手なトタンや窯業系サイディングよりも長持ちします。

昔は自分の家は自分で手入れをしていたのでした。
そのため、雨板はハシゴが続く程度にしか貼らず、それより上はシックイ又は土壁というのがこの辺の民家のつくりで、屋根鼻をなるべく出して、外壁を保護していました。

新潟の北のほうでは、柿から漆へと変化しています。
柿を植えていた地方と、山へ行けば漆が取れた地方で、その場その場で手に入る素材を巧みに利用していたのでした。
新潟県山北町あたりでは、柱や梁、差し鴨居を漆で塗っています。

あと、釜戸を毎日使って、煙で燻された小屋梁は硬く、黒い光沢を帯びてきます。
昔の知恵というよりも、自然とそうなっていったというところですか・・
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杉板貼り

2008-07-01 21:21:41 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


本日も、晴れ。
日差しは夏至を過ぎ、真夏の太陽。
太平洋高気圧は押し返されて、梅雨前線は南下。
明後日あたりから、雨が降るらしいですが、このままカラ梅雨なんてこともアリ?
でも、まだ7月に入ったばかりで、予断を許さぬ状況です。
7月半ばあたりに、集中豪雨とか??
ありうる。


そんな、異常な天気をよそに、乾燥が進み、いい塩梅(あんばい)の見附市K邸。また内部造作のすすむ中島H邸です。

中島H邸の写真ですが、杉のフロアーを貼っています。
内装材は、なるべく乾燥したほうがよい。
春に注文して、カラカラになった杉フロアー・・

朝日村の五十嵐製材による製材品を山北森林組合にて乾燥、加工しています。
(加茂ウッドシステムなきあと、ここが頼り?)
何処の品だか分るのも、地元の木を使っている家づくりならでは・・
っていうか、トレーサビリティー?

機械打ちでは、柔らかく、クギがめり込んだり、割れたりするので、手打ちにしています。
一本一本、感触を確かめないと、貼れないデリケートな品物。
木の収縮、膨張によるキシミを防止するために、シリコンコーキングを合わせ目に充填しながら張っているのです。ゴム状になったシリコンが木と木がこすれ合うのを緩和します。こういう見えない工夫が至るところに散りばめられている・・

柔らかく、ぬくもりのある床板だからこそ、張るときも注意が必要なのです。

このバリアフリーの建物では、1階は車椅子やベットが日常的に使われるため、硬い建材のフロアー(大建WPC)を貼っています。
2階は介護とは無関係なので、個人の自由にできる。
ぬくもりのある床板のほうがいいというお客さんの願いです。

実際、腰や足が痛まないのが特徴(薬事法上は痛みにくいと書かなければならない)。材料自体に適度な保温性があるから?

この現場も、もう終盤に入っています。
そろっと、色塗りの準備かな??
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