7月29日に水害で罹災した建物の復旧工事を、通常工事と並行して行っています。
長岡市の東山沿いにある乙吉町では、河川の改修工事と共に、県や国の補助によって住宅の応急修理工事が行われています。
乙吉地区は、乙吉川の氾濫によって、村の殆どの住宅が1階部分で床上浸水となりました。
高床住宅の場合でも、1階部分に河川の水が押し寄せ、家財道具が浸水してしまいました。
出入りを便利にした掃き出しサッシを突き破って、水が入ってきたのです。
1階部分は、土砂が堆積して、ボランティアの手が無ければ、自力での復旧がままならないくらいでした。罹災1日目からボランティアが入り、助かったのが現状です。
そして、現在では、その復旧工事として、次の水害に備えた施工を行っています。
内容としては、
1)1階の開口は水の浸入する方向に設けない
2)土砂や水が浸入しても、復旧しやすい材料とする
3)設備機器は、なるべく地上から離す
という事になります。
掃き出し窓から腰窓へ変更
この開口部分から氾濫した水が押し寄せて、建物内に土砂が侵入しました。
開口を腰窓に変更しています。
床はスタイロフォームの上に土間コンクリート打ち
材料で、水に浸かっても大丈夫な材質を選んだ結果、「コンクリート」や「樹脂」となります。
断熱性を保つには、スタイロフォームの上に土間コンクリートを打ち込んで、その上はタイルカーペット等の材料を使う事になります。
壁も下地は樹脂製胴縁にする予定です。
合板や石膏ボードは、ふやけて再使用は不可能となります。建具もフラッシュだと、中に汚泥が入り込みます。
最近は、設計にも水害対策を考慮した「半高床」を導入する事が多くなりました。
基礎を通常の40㎝から、60㎝以上にして、雪対策を兼ねて、床高を上げます。
高床住宅の場合、1階部分がほぼ、通常の家の2階の高さになります。敷地の狭い市街地において、駐車スペースの確保がメインの敷地の有効利用の方法として普及しましたが、毎日の上り下りが大変です。高齢者になると、昇降椅子やエレベーターの導入も必要です。
ただし、住居スペースが高い場所になるので、高床部分が浸水しても、安心していられる利点があります。
現在、設計している家は、60~90㎝の基礎として、そこまで、緩やかな階段にして高齢者でも上りやすい勾配にしています。(スロープは中途半端な勾配となるので、導入はしません)
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