べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

「早見表」柱の負担面積5㎡の制約で広い開口を取る方法

2024-02-11 18:35:39 | 長期優良住宅
早見表を使った場合は柱の負担面積が5㎡以下に制約されますが
工夫次第で大きな開口を取る事も可能です


木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準の見直し(案)等の概要(令和5年12月版)の説明会が開催され、特に柱の座屈に関する大幅な変更がありました。
「早見表」を使った方法が手っ取り早いと思われますが、柱の負担面積が5㎡以下という制限がかかります。



「早見表」を使った設計を行う場合、柱の負担面積が5㎡以下の制限がかかります


開口部は外周部で2.7m(9尺)以下、内側で1.35m(4.5尺)以下という制限がかかります(梁間が2間の場合)。
が、それは理論上の話です。
実際には、2階や小屋(屋根)梁が設けられ、その方向と力のかかり具合を調整すれば、意外に開口がとれます。
今回はその手法を2点ほど紹介します。
 
 ①受梁を入れる方法

開口部に受梁を設けて、そこで力を分散させます。この方法で2間(3.6m)まで開口を広げられます。



受梁を入れる方法


この場合注意しなければならないのは、2間開口をとった両側は1間以内に柱を設ける制限に変わったという事です。
9尺の間口を2ヶ所とれるところを、受け梁を使う事で、2間1ヶ所、+1間2ヶ所と形を変えたわけです。

 ②床梁の方向を変える方法(6ー3ー6の方法)

床梁の方向を変えて、そちらに力を分散する手法です。



床梁の方向を変える方法

実質、5㎡÷0.9m=5.5mとなり、最高5.5mまで間口を伸ばすことが可能です。
構造としては、床梁は最初の1本目は6尺飛ばしですが、2本目は3尺という制限がかかり、その次は6尺、次は3尺・・というふうに6-3-6の繰り返しになります。
なので、6-3-6の方法と名付けました。

部屋の真ん中に梁を受ける柱が立つので、ここに制限がかかってしまいます。
ここは間仕切り壁として、6帖が二間取れる形でもいいのですが、部屋の真ん中に柱を二本表しにして、全体で20帖の広間も提案が可能となってきます。



6-3-6の手法を使えば開口を大きくとった明るい広い部屋も実現可能です



部屋の中央に柱を2本設けてカウンターを作った例
丸柱を挟んだ机 - べんりや日記

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今回の宮本町M邸の見所は、食堂の真ん中に立つ2本の丸柱。真ん中に柱が立つので邪魔?そんなことはありません。本来、食堂としてのテーブルを真ん中に置くので、そのテーブ...

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 構造の視点から設計を行えば可能性が広がります

以上のように、柱の負担面積が5㎡の制約を受けても、工夫をすれば色々な事が可能となってくるわけです。
「表計算ツール」を用いた自由度のある設計をするのか、「早見表」を用いた制限のある仕様の中で工夫をするか・・
または「構造計算」で完全な自由設計とするか。
どの選択をするかは、設計士、工務店の考え方次第でしょう。

いずれにせよ、「ゆきぐに木造住宅設計法」には色々な手法を入れていこうと思っています。


柱の小径の計算に関する見直し(令和5年12月版)を解析しました  - べんりや日記

柱の小径の計算について大きな見直しがありました。①柱の座屈におけるオイラー式の見直し②柱の小径基準の見直しで、ここまで解析をしてるのは初めてのケースだと思います。...

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柱の座屈のオイラー式による検証 (令和5年12月版) - べんりや日記

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新しい壁量等の基準(案)に対応した表計算ツール を作ってみる(令和5年12月版) - べんりや日記

とりあえず、exlelで「表計算ツール」を作ってみました木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準の見直し(案)等の概要(令和...

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新しい壁量等の基準(案)に対応した表計算ツール を作ってみる(令和5年12月版)

2024-02-10 17:22:06 | 長期優良住宅
とりあえず、exlelで「表計算ツール」を作ってみました


木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準の見直し(案)等の概要(令和5年12月版)の説明会が開催され、特に柱の座屈に関する大幅な変更がありました。
とりあえず、国交省で用意されたツールを自作してみました。


表紙:導入部



左:国交省のツール 右:自作表計算ツール
壁量計算の部分も再現しています。(オレンジ色の部分)







柱の負担面積を求めている部分



左:国交省のツール 右:自作表計算ツール
柱の負担面積(オレンジ色の部分)を比較すると、ほぼ同じ数値です


自作ツールを作る事で、「国交省の表計算ツール」の内部で、どういう計算をしているのかが分かりました。


まず気が付いたのは
①1階、2階の面積割合が変わっても同じ計算をしている。
②めり込みの検討で決まる可能性がある。

ということです。
①に関しては「下屋を支える1階の場合は軽減されない。」という事になります。



1階の柱は2階の床が載っていなくても同様に計算される


2階が載っているという前提で計算が進められるので、負担面積が小さく出てしまうわけです。
2階がどのように1階に載っているかも考慮しなければならない複雑な場合は個別に構造計算を行って確認する必要があるでしょう。
オーバーハングや梁の中央に2階の柱が載ってきている場合が考えられます。




②に関しては今後も検討が必要がありそうです。

柱120㎜の場合のめり込みとオイラー式による負担面積(㎡)の比較 
柱の部位 めり込み(㎡) 判定  オイラー式(㎡) 
 2階外周部の柱 21.129.49
 2階内部の柱 29.0740.73
 1階外周部の柱 7.499.53
 1階内部の柱 10.5313.23


となり、柱のめり込みによる負担面積の方が小さい値を示すため、こちらの方が採用されていかないと長期的に柱が沈んでいく可能性が出てきます。

この自作ツールを魔改造して「雪国住宅型ツール」を実現させようと動いています。



柱の小径の計算に関する見直し(令和5年12月版)を解析しました  - べんりや日記

柱の小径の計算について大きな見直しがありました。①柱の座屈におけるオイラー式の見直し②柱の小径基準の見直しで、ここまで解析をしてるのは初めてのケースだと思います。...

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柱の座屈のオイラー式による検証 (令和5年12月版)

2024-02-08 21:08:39 | 長期優良住宅
柱の座屈におけるオイラー式の見直しが行われました


木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準の見直し(案)等の概要(令和5年12月版)の説明会が開催され、特に柱の座屈に関する大幅な変更がありました。
国交省で用意されたツールを使っていけば良いのですが、どういった内容なのかを把握しておく必要もあると思い、計算式の解析を行ってみました。


柱の座屈の検証は新たなオイラー式を用いる事となりました



この式は、今まで見た事の無い式なのですが、①と③については現行の座屈の計算式を変形させたものだということが分かりました。
(更に②の式は何度検算しても合わないと思っていたら「横架材間距離L」が「1」にミスプリントされていたのでした。表計算ツールの解説にはちゃんとした式が載っていましたが・・)


①の式の解析




③の式の解析



②の部分は二次曲線となり、新たな式によって検討する事となります。
「柱の小径de」を求める形になっているのですが、このままだと使いずらいので「柱の負担面積Ae」を求める形に変形しておきます。


②の式は、このままだと使いずらいので「柱の負担面積Ae」を求める形にしておきます。



実は、表計算ツールの解説部分に掲載されている式と同じ形です。(なかなかそこまで見る人って居ないんでしょうけど・・・)
どこから導いてきたかを把握しておけば、今後の検討に有効なツールとなります。
以降は、この式を用いて雪国仕様に魔改造をしていこうと思います。

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柱の小径の計算に関する見直し(令和5年12月版)を解析しました  - べんりや日記

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柱の小径の計算に関する見直し(令和5年12月版)を解析しました 

2024-02-07 19:17:06 | 長期優良住宅
柱の小径の計算について大きな見直しがありました。
①柱の座屈におけるオイラー式の見直し
②柱の小径基準の見直し
で、ここまで解析をしてるのは初めてのケースだと思います。


木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準の見直し(案)等の概要(令和5年12月版)の説明が開かれました。
2025年までまだ期間がありますが、どうしても外せない部分なので、この解析を行ってみました。


●座屈の理論式による検証(P4~P5)

今回の目玉の一つである「オイラー式」の改定が行われています。
現行で使われているオイラー式も同様の形をしています。
 ①λ≦30
 ②30≦λ≦100
 ③100≦λ
の3ヶ所に分けて、それぞれを近似式にて代用していましたが、今回は②の部分が変わっています。





式のままだと分かりずらいので、グラフにしてみます。
赤線が新たに発表された式となります。





既存のオイラー式の②が直線で補完しているのに対し、今回の②の式は二次曲線でより精密に近い値を出せそうです。
この式は、柱の一つ一つに掛かる荷重の「負担面積(Ae)」を図面より拾い出して、より精密に計算する場合に用います。
解説にもある通り、通常の構造計算を行う場合は現行のままで良いとされています。

②の式を「負担面積Ae」を求める形にしておくと使いやすいです。(下記で行っています)
柱の座屈のオイラー式による検証 (令和5年12月版)


●必要な柱の小径の基準の見直し(P4)

目玉の二つ目である柱の小径の基準の見直しを解析してみました。





この式はどこから出て来たのかと戸惑った構造設計士の方も多く居られると思います。
上記のオイラー式が新しくなったので、ここから導きだしているのかと散々式をこねくり回しても、なかなか出てきません。
それもそのはずです。
ここでは現行の座屈の検討の式が形を変えているだけなのでした。
まさかと思ってやってみたら、ビンゴでした・・・


現行の座屈の検討




新しい柱の小径の基準



新しい柱の小径の基準では「負担面積(Ae)」を5㎡として限定し、樹種も「杉の無等級 17.7N/m㎡」としています。
それ故、1階、2階も同様に5㎡しかないので、外周の開口は2.5m(9尺間口)、内側の開口は1.1m(4.5尺間口)という制限が加えられてしまいます。(2間の梁間の部屋とした場合)



柱の負担面積が5㎡に制約されます

(5㎡の制約があっても工夫次第では大きな開口を取る事も可能です)
「早見表」柱の負担面積5㎡の制約で広い開口を取る方法

自由度を求めたい場合は、前述のオイラー式を使った方法で面積を計測する方法を選択した方が良いと思われます。
(国交省では、そのための表計算ツールを用意しています。下記のサイトを参照してください)
新しい壁量等の基準(案)に対応した設計支援ツール(案)の公開|公益財団法人日本住宅・木材技術センター(公式ホームページ)

この式の解析を始めたのは、屋根雪に関して「積雪荷重は含まない。」という一文が加えられたためです。
雪国の場合の安全を確かめる上でも、基本式の内容を熟知する必要があったわけです。


いずれにせよ、この他に「めり込み」の検討も吟味しなければなりません。
まだまだこういった作業が続きそうです。


柱の座屈のオイラー式による検証 (令和5年12月版) - べんりや日記

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ゆきぐに木造住宅設計法

2024-02-03 10:36:35 | 長期優良住宅
積雪を考慮した住宅の設計基準がようやく整いました


2025年より住宅も法改正が施行され、省エネルギー基準や確認申請時の制度が大幅に改変します。
木造住宅においては、4号特例の廃止によって確認申請時に提出する図面が大幅に増えます。
ZEHや長期優良住宅の普及に伴って、木造の設計の見直しが進みましたが、「積雪については関知しない」という結論となり、多雪地域では独自に積雪に関しての検討を行わなければならない事態になってしまいました。
それは、建てる側・・設計する側も重要なのですが、審査する側も何らかの基準が無ければ安全かどうかの判断がつかなくなるわけです。

当社は新潟県のワーキンググループに所属し、何度か意見交換を行いました。
現在は3月には国交省の方針も固まるようで様子見をしている状態ですが、それから積雪についての技術指針を検討するには遅い気もします。

先立って、今までの説明資料や許容応力度設計を見直しながら設計法を検討する作業を行いました。
その成果としての「ゆきぐに木造住宅設計法」がようやく完成しそうです。

内容としては

 ①屋根雪荷重の考え方(壁量計算の方法をまとめた)
 ②間取りと柱の考え方(部屋と柱の配置の方法をまとめた)
 ③構造材の考え方(スパン表の導入)

が主な指針となり、おそらくこれを基にして「仕様基準」を作る方向となるのでしょう。
要は、この仕様書を「確認申請時に添付」すれば済むようにすれば、提出する側も審査する側も作業の簡素化が進み、木造住宅の普及につながるわけです。

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柱の座屈のオイラー式による検証 (令和5年12月版) - べんりや日記

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平成23年度 木のいえ整備促進事業 始まる

2011-05-12 16:22:56 | 長期優良住宅
本日も午前中の晴れ間から曇りベースに移り、夕方は雨です。
日本列島を停滞している梅雨前線と低気圧に伴う雲の影響で、今週はこんな天気が続きます。
来週は晴れるようですが・・・

今年度も長期優良住宅の促進事業である、「木のいえ整備促進事業」が始まりました。
長期優良住宅の建設に最大100万円、地域材を使うと120万円の補助があります。

一般型
 今年度実施されている長期優良住宅普及促進事業と同様100万円補助

地域資源活用型
 (1)都道府県の認証を受けた産地証明つきの地域材を使う
 (2)柱・梁・桁・土台の半分以上に地域材を使った長期優良住宅
  については、120万円の補助

のメニューがあります。

詳しくはこちらへ・・


長期優良住宅へ・・

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ポリエステル断熱材 パーフェクトバリア

2010-12-29 16:38:17 | 長期優良住宅
新しいタイプの断熱材が開発されました


 グラスウールの品薄状態の原因

今秋から品薄状態が続くグラスウール断熱材ですが、その影響で発砲系の断熱材も品薄となってきました。外断熱パネルの「ネオマ・フォーム」も2ヶ月待ちということで、これから発注しても来年3月まで入荷しないとのこと・・
グラス・ウールに関しては発注しても何時入荷するかは分らない状態で、現在入荷している物は2ヶ月前の10月に発注した物で、ようやく入ってきている・・

中には、仲間の大工の在庫をかき集めて間に合わせている現場もあり、それも良いほうで、全くストップしている現場もあるとのこと・・

リフォームや工期の決められているアパート等は、仕事を受注する前に、まず断熱材を確保し、確保できなければ受注しないとの事です。


全国で大変な状態になっているグラスウールの品薄状態は、来年の春以降も続くそうです。


こういった要因は、住宅エコポイントや家電エコポイント、長期優良住宅制度等によって需要が増えたのに対し、断熱メーカーの供給が対処出来なかったのが大きな原因です。
まさか、これほど需要が伸びると思わず、昨年の需要の減少から増産ならぬ減産体制に切り替え、製造レーンを削減したということで、この需要拡大に伴い、フル稼働で生産しても追いつかない・・

需要側も家電製品に省エネルギーが要求され、多くの断熱材を用いるようになっていたため、家電エコポイントの補助金と共に使用量が増加。
住宅でも、省エネルギー政策によって、リフォームでも断熱材を使うようになったのと、長期優良住宅政策によって厚めの断熱材が必要になっています。

生産側も、この状態が長時間続くとも考えられないので、設備投資をして生産レーンを増やすことも出来ないし、増産で人員を増やすことも出来ず、現在の設備でフル稼働し、増産して今の状態を凌ぐしかない。


    「まさか、こんな状態になるとは思わなかった」

というのが、工務店やメーカーの意見でしょう。
補助金や減税に関しては「駆け込み」や「期限限定」が付き物です。期限までに間に合わなければ使うことができません。

この秋から断熱材が不足しているということは、住宅エコポイントも意外と早く予算がなくなってしまうかも知れません。来年12月まで期限が延長されても、節水型便器や暖房浴槽にも範囲を広くした分、消化が早まることも考えられます。

あまり、煽る事はしたくはないのですが、省エネルギー・リフォームをお考えの方は、お早めに・・



 ポリエステル断熱材 パーフェクト・バリア

そんな中で、ガラス繊維系でも発砲ウレタン系でもない新しい断熱材が出てきています。

「越後匠の家普及協議会」にて紹介された「ポリエステル断熱材」の「パーフェクト・バリア」です。グラスウールの強みだった防火の認定も取っているとの事で、今後普及が期待される断熱材です。



壁用13kgの100㎜はグラスウールの16kgに相当します。
次世代省エネルギーに対応できます。


床用に硬く成形されたもの


梱包されたグラスウールに比べて、施工は楽な(チクチクしない)分、壁の内側に防湿シートを施工する必要があり、少々割高になりそうです。

価格はグラスウールの1.5倍くらいとのこと・・


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在来木造について

2010-12-15 14:32:52 | 長期優良住宅
在来工法の構造材の仕口
ホゾの長さはこの程度で、金物で補強するのが一般の考え方です


昨年より仕様の検討を行ってきた、「越後匠の家普及協議会」ですが、その会議の中で、「ポピュラーな良く行われている在来木造」の仕様を学ぶことが出来ました。

伝統構法ばかり造ってきた私にとっては、当社の20年前位の仕様で、当時から進化しているのは、地盤補強、防水性能、断熱性能くらいでしょうか・・

構造に関しては、木の狂いを考慮していない事、全体の構造計画が甘い。金物の入れ方に工夫が無い・・という面があるので、この部分は改良の余地があると思います。

そんな中で、当社がこれ以上は妥協したくないという仕様を提案します。


 基礎に関しての仕様 「布基礎が主流の現在の在来木造住宅」


住宅瑕疵担保履行法が施行され、10年間の担保の保証を行わなければ住宅を建築することが出来ないという制度となっているので、保証の対象である基礎に関して「地盤保証」が無いと保険が適用されなくなっています。

地盤保証の無い時代は、「表層改良」が主だったのでしょうが、地盤保証を付けると、大規模な柱状改良が必修となっています。

当社の場合は、割り栗石地業による「ベタ基礎」が基本だったので、表層改良も行ってはいなかったのですが、地盤保証を付けるために、柱状改良を行うことが多くなりました。(よほど地山等で地盤が良好な場合を除いて、柱状改良をしなければならないという検査結果が来ます)


現在の、住宅の基礎は、ほとんどの場合、「柱状改良」を行うため、ベタ基礎まで施工しなくても、「補強しているから布基礎で十分」という見解になっています。

また、コスト面においても、ベタ基礎よりも坪2万円程度安く済むので、こちらを薦める事が多いようです。


当社でお薦めする布基礎の最低仕様



 仕様1.割り栗石地業
 仕様2.防湿シート+砂押さえ


仕様1 割り栗石地業

割り栗石地業に関しては、当社のベタ基礎と同様、「割り栗石」を一個一個手作業で地面に並べ、目詰め用の砕石を敷いて転圧を行います。
最近では砕石を機械によって厚めに敷いて転圧を掛けて終了するというのが基本のようですが、手間が掛からずコストは削減されても、地震時に砕石が流れてしまうという欠点があります。

新潟県中越地震では、基礎下の砕石が流れて中空となり、基礎が地面から浮いてしまうという現象も見られました。
当社で行っていた栗石地業の場合、石自体が動いても砕石のように流れ出さなかった経験があります。昔から行われてきた施工法にもちゃんと理由があるのです。


ベタ基礎の場合の「割り栗石地業」


丸い部分は柱状改良です。


一個一個手で並べます




仕様2. 防湿シート+押さえ砂敷き

ベタ基礎の場合、栗石地業を行った後に、防湿シートを敷きこみ、捨てコンクリートを打ち込み、その上に基礎を作ります。



ベタ基礎の場合の防水シートは全面に敷きこみます


布基礎の場合は、基礎を作って建て方終了後に外部を塞いでから、床下に防湿シートを敷きこみ、その上に砂を載せて押えます。
中には、防水コンクリートを布基礎の施工後に打ち込んだり、防水シートを敷いてからコンクリートを打ち込んで、見た目、ベタ基礎の様に見えるものもあります。

コスト削減から見れば、この方法でしょう。
ウィークポイントとしては、防湿シートと布基礎の継ぎ目から湿気が上がり、シロアリの進入路となる部分です。



布基礎と防湿シートの継ぎ目がウィークポイントです


実際、この部分から地下水が上がったり、シロアリが入ったりしているそうです。
ここを、どう処理するのかが耐久性向上の目安となるでしょう・・・
アスファルト系のブチル・テープ等を布基礎とシートの接合部分に貼るくらいでしょうか・・

砂で押えず、コンクリートを打って押えた場合でも、避けられない現象です。

後々のメンテナンスを考えれば、砂を敷いたほうが、テープを張替えするのに都合が良さそうです。(コンクリートで押えると、どうなっているか分らない)

底版が一体となっているベタ基礎ならば、防湿シートが全体に敷きこんであるので、上記の欠点は補えます。



 外壁の収まりの仕様 「外部のボードを貼る」


外壁の下地に関して、最近、ボードも貼らずにタイベック(透湿シート)のみの施工がポピュラーとなっているようです。これは、外壁で防水と防火の性能を得ようということだと思います。(コスト削減が最大要因)

たいていは、耐力壁部材が「筋違(すじかい)」なので、わざわざ外側にボード(石膏ボード等)を貼らなくても良いという見解なのでしょう。

当社の場合、外部に耐力面材を貼って耐力壁とするので、開口部分に石膏ボード等を貼って下地を平らにする必要があるので、ボードは必修となっています。


当社のお薦めする外壁の最低限の仕様



ボードを貼ることで、

1.タイベック(透湿シート)同士の密着度が強まり、機密性が強化されます。(中でピラピラしない)

2.表面の外壁材だけに頼らない「隠れた外壁」が形成されます。表面は単なる仕上げです。

3.防火性能が向上します。

3.ボードの分だけ断熱性が向上します。

という利点があります。石膏ボードは外壁部分全面に貼っても、材料だけで5万円位で済むので、それ相応の効果はあると思います。


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1階が駐車場の事務所 合掌構造の応用

2010-06-06 01:40:59 | 長期優良住宅
1階が車庫になる場合の建物の構造
「合掌構造」を応用した3ヒンジ構造になります。
中断面集成材のアール加工材による、「A型工法」の検討です。






市街地内の事務所の設計をしていますが、狭い敷地に駐車スペースがどうしても必要な場合、1階が駐車場で2階が事務所という間取りになります。一昔前は、「高床」という手も考えられましたが、一般には「鉄骨造」を採用するのでしょう。
ただし、長岡市の市街地内の場合、「準防火地域」や「防火地域」がからんできます。1時間耐火の準耐火建築物、若しくは45分耐火の準耐火建築物という制約が出た場合、柱や壁、梁等の主要部分を「耐火被服」する必要が出てきます。
実は、これがやっかいな問題となります。
昔は、アスベスト等を吹き付けて対応していたのでしょうが、現在では規制がされています。ロックウールの吹き付けをするにしても、安全面でどうなのか、また被覆すると厚くなるので、その分、駐車するのにスペースに支障が出てくる。
「石膏ボード」を貼ることで耐火被服をする方法もあるのですが、「鉄骨」の上に木の下地を廻すだけ手間がかかります。


それならば、はじめから木造に出来ないか?


ということで、伝統的な構造である「合掌」の構造をヒントに「3ヒンジ・トラス」の構造を中断面集製材を用いて実現しようという構想を練っています。

大きな空間が必要で、間口が狭い場合、壁をなるべく取りたくない場合の住宅にも応用が利きそうです。



外観パース
道路反対側からのアングル


外観パース
上から見た図。大体の建物の形がわかります。
「雪下ろし」を考慮して、全面道路に雪を捨てられる形状になっています。
雪国の制約があるので、どうしても形が決まってしまう・・
前面の形状をアールにしてアクセントをつけています。
(少しは面白くなるか?)


内観・鳥観図
2階の事務所の様子。20帖の大空間
1階は車庫になっています。


内観パース
事務所内の様子
こんな感じ。



長期優良住宅へ・・
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傾木大入れ短ホゾ差し 長期優良住宅の仕口検討

2010-05-28 00:21:40 | 長期優良住宅
上:傾木大入れ短ホゾ差し
下:短ホゾ差し(小胴付き)


長期優良住宅の検討を行っていますが、どうも納得いかないのが、「傾木大入れ短ホゾ差し」(かたぎおおいれたんほぞさし)です。
長期優良住宅やフラット35Sの仕様にも採用されているのですが、どうも木造住宅に明るくない人たちが作って、そのままのものを引き継いでいるような感じがあります。

現在、主流になっているのがプレカットによる工場加工による軸組みですが、プレカット機械では、「傾木大入れ短ホゾ差し」は加工不可能なはずです。
下の図(小胴付短ホゾ指し)が一般に行われていると思われますが、長期優良の仕様では「傾木大入れ短ホゾ差し」が指定され、「手加工」による通し柱と梁の仕口が必要です。
でも、おそらく、この部分を手加工で行っている工務店は少ないでしょう。

実際、「傾木大入れ短ホゾ差し」のほうが、力を伝える面積が大きく、めり込みが少なくなるので構造的には有効です。また、通し柱の欠き取り少なくて済みます。

最終的には、兼折金物や羽子板ボルトにて固定するのですが・・

 問題点

「傾木大入れ短ホゾ差し」の場合、片側から1方向の差込ならばよいのですが、L字、T字に入る場合はどうするのか・・ということです。
L字コーナーに入れた場合、梁と梁どうしの傾木部分が交差し合い、片側を欠き取らねばなりません。

対策としては、柱を大きくすることでしょうか・・





調べた所、財団法人 日本住宅・木材技術センターの「標準納まり図」でも同じ図が載っていて、基準法第47条「継ぎ手及び仕口の納まり」及び品格法(告示第1654号)の「横架材及び通し柱と接合金物の納まり」に同様の図が掲載され、やはり隠れた場所は分からないように描いてあります。

「これに準ずる方法で接合、補強する」

ということですが、元が

「不完全」

な場合は、

「不完全なものに準ずる接合方法」

で、良いのでしょうか?
これは、今まで誰も指摘しなかったのでしょうか・・・・
よく、ここまで野放しになっていたものです。長期優良住宅の根本でもある品格法の内容がこれですから・・・大丈夫なのだろうか?

とは言え、ちゃんとしたものを提案しなければ、次へは進めないわけで、補足しながら検討していきましょう。

 T2仕様の場合

通し柱にT字交差する場合、一方は「梁」になる可能性があります。
梁は上からの力を支える大事な部材で、それを取り付ける柱の部分には、荷重がかかります。この部分の面積が十分にとられていないと、柱や梁がめり込んで下がってしまう。
仕口の検討には、そういった配慮が必要になってくるのですが・・・・



1方が床梁の場合の傾木大入短ホゾ差しの納まり
梁は上からの荷重を支える材料なので、
柱の取り付け面に注意が必要です。
これが一番理想的なのではないでしょうか?

「世界で一番やさしい木構造」より


この仕口でも、まだ問題はあります。荷重を支えるだけの部分を優先するために、梁と桁を段違いにしている点です。
これには「全体的な構造の検討」が必要となってきます。
梁と桁を段違いにした場合、他の部分でも段差ができるため、「渡りあご」の部分が必ず出てきます。
これは、「伝統構法」に近い構造となりますが、力の流れを考慮して、「全体の構造」を決定していくことが必要で、「仕口の部分」だけを見て決めて行く作業では追いつきません。
「部分と全体」が大切です。



「世界で一番やさしい木構造」
山辺豊彦(やまべとよひこ)著 エクスナレッジ発行
価格 \2,800+税



伝統構法を応用した長期優良プロジェクトへ・・
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伝統構法を応用した長期優良住宅プロジェクト

2010-04-19 19:19:04 | 長期優良住宅
伝統構法を長期優良住宅に応用する作業を行っています。
在来工法の耐震、耐久性を高めた長期優良住宅が主流となっていますが、伝統構法と在来工法、長期優良住宅の違いについておさらいをしておきましょう。


在来(軸組)工法
 明治時代から西洋より輸入された簡易工法。
 プレハブ等、短期間に仕上げる家屋用に高度経済成長期に普及した。
 金物によって接合部を補強。耐久性は金物に左右される。
 (いままでの耐久年数は平均35年)
 プレカットにより加工の手間がはぶけることでコストダウンが図れる。

長期優良住宅
 住宅性能表示の最高レベルを要求する耐震、耐久性、省エネルギー性に優れた住宅。
 耐久年数は60年。
 在来工法を住宅性能表示で最高レベルに上げれば長期優良住宅になります。

超長期優良住宅
 長期優良住宅の耐久性を更に高めた超寿命住宅。
 建設と同時に長期間の管理、保守の計画の必要あり。
 福田内閣の時期に「200年住宅構想」が打ち立てられたのがはじまり。
 実際の耐久性は100年が限度。(管理は60年以上)

伝統構法
 日本古来からある建築物の構法。
 長年の経験により、地震国日本に合わせた構法に進化しています。
 (雪国では、耐雪住宅の特徴も併せ持っています)
 金物を使わず、木を組み合わせた建物の耐久性は100年以上。
 (築200年や300年の古民家もあります)
 地元にある山の木を巧みに活かすことができる。
 高度な技術が必要。

番外
伝統的軸組工法
 在来工法に伝統構法の要素を取り入れたもの?
 瑕疵担保履行法をクリアしなければならないため、通常の設計レベルでは金物を使う。(耐久性は金物に左右されるため在来工法と同じ?)
 国交省や住木センターで、データを集めている最中なので実際の導入には、まだ時期が早いようです。


長期優良住宅の場合、構造的にクリアしなければならないのは住宅性能表示の耐震等級3、耐風等級2です。
通常、建築基準法をクリアする建物でなければ、確認申請は降りません。
住宅性能表示の「耐震等級1」は建築基準法と同等のレベルです。
よって、「耐震等級2、3」は建築基準法よりも強い建物の構造でなければなりません。
耐震等級といっても、2種類あります。

・構造躯体の倒壊防止
・構造躯体の損傷防止

です。

構造躯体の倒壊防止の耐震等級の定義は・・

「耐震等級1」(建築基準法程度)
  極めて稀に発生する地震よる力に対して倒壊、崩壊等をしない程度。
  気象庁の震度階で震度6強~7程度
  (関東大震災において東京で発生した地震の揺れに相当)

「耐震等級2」
  極めて稀に発生する地震の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等をしない程度。

「耐震等級3」
  極めて稀に発生する地震の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等をしない程度。


構造躯体の損傷防止の耐震等級の定義は

「耐震等級1」(建築基準法程度)
  稀に発生する地震よる力に対して構造躯体に大規模な工事を伴う修復が必要となる著しい損傷が生じないこと。(構造上の強度に影響の無い軽微なひび割れの発生などは損傷に含まれません)
  稀に発生する地震は気象庁の震度階で震度5強に相当

「耐震等級2」
  稀に発生する地震の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度。

「耐震等級3」
  稀に発生する地震の1.5倍の力に対して損傷を生じない程度。


実際の構造チェックは、倒壊防止と損傷防止を同時に行うので、等級の表示は同じになります。


以上をふまえて、長期優良住宅の設計を行っていきます。
今までの長期優良住宅は在来工法を強化した形となっていますが、ここで検討していくのは、伝統構法を応用した長期優良住宅です。
伝統構法自体、超寿命住宅なのですが、数値的に見ると基準法をクリアする程度でしか建設は不可能です。(金物を使わないため)

       伝統構法+金物による補強

により住宅性能表示を示すことが出来、数値化することが可能となりますが、できるだけ金物を使わずに、木を傷めずに実現したいところです。

また、金物を使う場合でも、どのように入れるべきか・・在来工法とは全く違った方向から長期優良住宅をとらえていこうと思います。


関連記事

通し柱と梁、桁の仕口  傾木大入短ホゾ差しの検討



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贈与税 非課税制度1500万円(住宅取得等)

2010-04-13 19:08:46 | 長期優良住宅
直系尊属から住宅取得等資金の
贈与を受けた場合の非課税制度です


直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

平成21年度追加税制改正により、平成21年1月1日から平成23年12月31日(平成22年度改正により延長)までの間に、その年1月1日において20歳である者が、自己の居住の用に供する一定の家屋の新築、取得または増改築等のための金銭をその直系尊属(父母、祖父母など)からの贈与により取得した場合には、当該期間を通じて合計で500万円(平成22年度改正により、平成22年中の贈与は1500万円、平成23年中の贈与は1000万円)までの贈与金額を非課税とする制度が創設されました(措法70の2)

(注1)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時清算課税の特例と同様の要件を満たす必要があります。
  ①新築の場合
   床面積50㎡以上、かつ床面積の1/2以上が自己の居住用
  ②増改築等の場合
   工事費費用は100万円以上
   工事後の家屋の床面積が50㎡以上、かつ1/2以上が自己の居住用
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金の住宅家屋の対価に充てて、同日までに居住すること。又は同日後遅滞なく居住することが確実であること。

(注2)平成22年度改正により、適用対象となる者が贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下

(注3)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時清算課税の特例や通常の暦年単位の贈与税の基礎控除と併用して適用できます
<平成22年中の贈与の場合>
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時清算課税の特例と併用した場合
2500万円(特別控除)+1500万円(※)=4000万円

通常の暦年単位の贈与税の基礎控除と併用した場合
110万円(基礎控除)+1500万円(※)=1610万円

(※)この1500万円については、相続開始前3年以内の贈与であっても、相続時清算課税制度を適用している場合であっても、相続財産には加算されません(非課税)

(注4)一定の書類を添付した贈与税の確定申告書の提出が必要となります。




平成22年中の贈与が1500万円、
平成23年中の贈与は1000万円まで
非課税になります。


通常の暦年単位の贈与税の基礎控除(110万円)と
併用すれば、合計1610万円が非課税になります。



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長期優良住宅について

2010-02-05 00:34:40 | 長期優良住宅

国産材を積極的に使う長期優良住宅

「耐震性や耐久性を考慮した家がほしい。」
「環境負荷を考慮した家づくりがしたい。」

そんな方にはぴったりの住宅です。

このコーナーは、長期優良住宅について、
法的ポイントや、かゆいところに手が届くヒントとして掲載します。
あなたの家づくりにお役に立てれば幸いです。



目次


木のまち・木のいえ整備促進事業
  平成23年度 木のいえ整備促進事業
  国交省が平成23年度予算に盛り込みました
  地域資源活用型120万円補助
  国交省が平成22年度予算案に盛り込みました

住宅エコポイント
  住宅エコポイント
  国交省がエコポイント制を開始しました

贈与税 非課税制度1500万円(住宅取得等)
  平成22年度税制改正による贈与税の非課税制度
  平成22年中は1500万円、平成23年中は1000万円が非課税に・・


法的整備
  法的整備状況
  国交省における法的整備

  補助金100万円
  平成21年度における補助金


耐震性
  耐震等級
  長期優良住宅の耐震等級は2です


200年住宅で補助金200万円
  全建連型先導モデル
  長期優良住宅に先行して提案されていた200年住宅構想


新潟県では・・
  越後匠の家
  地元の設計士と工務店が提案する古民家に習った新潟県版長期優良住宅です


当社の提案
  金物の入れ方
  金物の入れ方によって耐久性が変わります

  伝統構法を応用した長期優良住宅
  伝統構法により、さらに長期優良住宅がバージョンアップします



  CO2を25%削減するために
  地球温暖化防止のために・・


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雪国の高床住宅について・・「混構造建築物」

2010-01-27 13:31:09 | 長期優良住宅
月末の25,26日に日本建築防災協会と全建連主催の耐震診断士講習会があり、その中で雪国の高床住宅についても触れていたので、解説しようと思います。
雪国の高床住宅は新潟県特有の住宅形体で「新潟県条例」で定義されています。

多積雪地域で2階まで雪が積もったり、雪下ろし作業で捨てる場所が無く、敷地内に積み下ろしたりした時に住宅としての機能を損なわないように、基礎の高さを上げ、建物の床高さを高くした住宅です。

最近は、新潟市街地の水害による影響を受けやすい場所でも基礎を高くする形体も出てきました。

高床の内部は「冬季間のみ使用する」ということになっています。
冬場の駐車スペースとして使ったり、物置として使用し、課税対象は1/3に軽減されます。



よくある高床住宅のパターン


玄関は高床の外側が基本です。内部に階段を持ってくることもありますが、その通路部分は高床として認められません。
よって、大半は外部に階段を設け、出入りします。



高床の構造図

1階が鉄筋コンクリート造、2,3階が木造の
「混構造」となります。


木造3階建て一部鉄筋コンクリート造(又は鉄骨造)の混構造として扱われ、確認時に構造計算書の提出が必要になります。

基準法の改正前は2階建ての扱いで、構造計算書の提出は必要ありませんでした。
大半は木造2階建て用の壁量計算のみで安全をチェックしていたようです。(チェックすらしていない場合も多々あったようですが・・・計算書類の提出は義務化されていませんでした)

耐震診断の場合、基礎・地盤や混構造部分は切り離して考えるので、2、3階のみを診断することになります。
1階の鉄筋コンクリート(又は鉄骨造)部分の耐震診断の方法も用意されていますが、大半は丈夫の木造部分の判定のみとなります。
(RC造、S造部分の補強は大変な金額になるため、住宅で高床部分の診断をしても補強工事まで至るケースは稀でしょう)




1階部分の車庫の入り口面の壁が少なくなるので、
入り口部分の梁、柱の補強が必要です。


高床部分の強度は、工法にもるところが大きいので、調査も大変です。
留意すべき点は、

 1.地盤調査の有無
 2.構造計算書の判定の有無
 3.地盤補強の有無
 4.ベタ基礎・布基礎の別
 5.立ち上げの幅、鉄筋の選定・本数
 6.柱・梁の有無
 7.床版(スラブ)の有無

で、ちゃんとした鉄筋コンクリート造(又は鉄骨造)として施工されているかが問題です。
道路側に車庫をとる場合、入り口の開口幅が広く必要なので、壁が不足しがちです。柱や梁の設置が必要になります。




2階部分は南面に広い部屋を取り、
北側に水廻りの小さい部屋を固めるので、
壁が北面に集まりやすく、バランスが偏るので
広い部屋の壁の補強が必要になるケースが多い


積雪時の地震で一番被害を受けやすいのが2階(高床1階部分)です。
生活形態を考えるとどうしてもリビングや水廻りをもってきたいので、建物の壁配置に無理が出てきます。
壁の少ない広間の一番弱い部分が損傷を受けやすい所で、そこを補強する必要があります。



3階部分は壁もバランスが良い傾向になるので比較的安全です。

※ 下屋が広く、3階が極端に狭い場合は、
 3階部分が揺すられるために補強が必要です。



3階部分は比較的被害が少ない部分です。
プライベート部分(寝室や子供部屋)をもってくることが多いので、壁も平均に入れやすい階です。
地震時は揺れが大きいので、家具の転倒に気をつけたいところです。
就寝時の地震で家具が転倒し、下敷きにならないように・・・


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木のまち・木のいえ整備促進事業

2010-01-20 19:42:31 | 長期優良住宅
地域材を用いた長期優良住宅に
120万円の補助が受けられる制度がはじまるようです。
(平成22年度予算案)


国交省が平成22年度予算案に、地域資源を使った長期優良住宅への補助を行う木のまち・木のいえ整備促進事業を盛り込んでいるそうです。

木のまち・木のいえ整備促進事業は木材を大量に使用する住宅・建築物の整備を支援する補助事業のほかに、中小工務店が国産材等で建てる長期優良住宅にも補助を行う木のいえ整備促進が注目されていて、

一般型
 今年度実施されている長期優良住宅普及促進事業と同様100万円補助

地域資源活用型
 (1)都道府県の認証を受けた産地証明つきの地域材を使う
 (2)柱・梁・桁・土台の半分以上に地域材を使った長期優良住宅
  については、120万円の補助

のメニューがあります。
当社では一般型、地域資源活用型の両方を得意としているので、来年度の建築予定のお客さんには耳寄りな補助事業となるでしょう。


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