べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

和室 床下収納

2009-06-10 22:39:02 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
中島町H邸にて、和室を40センチ洋間よりも段差をつけ、この高さを利用して、引き出しを設けました。

40センチだと、丁度イスと同じ高さで、畳の上に座布団を敷くと立派な長椅子になります。
何人か座って、ついつい長居してしまうアイテムになっています。

また引き出しは、奥行きが70センチ以上は取れますが、あまり深いと奥の掃除が大変なのと、引き出しを引いたときの重量(荷物も入ると意外と重くなります)や部屋側に出すスペースに余裕ができないので、60センチくらいがベストだと思います。

4畳半の狭い和室ですが、介護するデイサービスの人の休憩所としての用途を考えているので、このくらいで十分だと思います。
また、中央の畳をはがして、掘りコタツにして、その廻りに4人位座れるスペースとしています。



段差を利用した引き出し



畳下の収納方には、以下の3パターンが考えられます。

1.引き出し式収納



2.ハッチボックスタイプ


3.置き畳式




どちらかというと、「置き畳式」がシンプルで壊れなさそうで、安く済みそうです。これをバリアフリーにして床と畳の段差を解消する場合は、床下にボックスごと埋め込んでしまえばいいのですが、1階の場合は床下換気が気になるところで、2階の場合は下階との天上とのスペースがあるかどうかが鍵になります。

また、パナソニックでは、畳1帖の下を、収納スペースにする装置も販売しています。座布団や暖房器具など和室の必需品をたっぷり収納できます。



電動で畳が持ち上がります。


和室の床下に、畳1枚分の収納スペースを確保。壁スイッチで、畳が約7cm自動で持ち上がるので、女性の方でも軽い力で開け閉めができます。開口部が大きいので、出し入れもラクにできて便利です。さらに、床下収納庫内の湿気や臭いを吸収する、「湿気ネーゼ」付き。200g/m2以上の湿気を吸収する優れた調湿性で、収納庫内の湿度を、カビの繁殖を抑える80%以下に保ちます。
写真の500Lの場合、143,955円 (税抜137,100円)。
※断熱材セットなし。

  以上パナソニック説明

このような和室の利用法も、考えればどんどん出てくるのでしょう。
和室の場合、どうしても押入れが必要です。座布団や布団を収納する必要があるためです。
どうしても収納スペースが採れない場合は、床下も検討してみてはどうでしょうか?




バリアフリーについて考える

もくじへ・・
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車椅子用スロープ

2009-04-23 20:03:55 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


一時的に冬型の気圧配置となり、肌寒く、雨の降る場面もありました。
もう4月も終わりというのに冬型とは何と変な気候でしょうか・・

工場では、宮本町M邸の加工が追い込みとなっています。

写真は中島H邸に設置した木製スロープです。
コンクリートをサッシの下端まで打ち上げ、床と5センチくらいの段差まで解消したのですが、(これ以上上げると、網戸が使えなくなるため)車椅子ではこの段差が登れないとのことで、介護用品の会社に依頼していたのですが、良いものがなく、結局、「木でつくろう」ということになったのでした。



加工風景
滑り止めの溝を掘っています


取り外しも考慮して、「軽く」つくることにしました。
板の下に3角の部材を取り付けて、スロープにしています。




樹脂サッシの敷居部分に架ける見切り


中島H邸のサッシは2重サッシなので、通常のスロープと、内側のサッシのレールの段差を解消する必要があります。
考えたあげく、建具の3本引きレールならば広いので、この下に木をぶつけて、そこにサッシのレールをはさみ込むようにして敷くことにしました。
なるべく薄くする工夫です。



出来上がった木製スロープ


最終的に、このような形となりました。
スロープとコンクリートの境にもアルミ見切りをつけて、段差をなるべく解消しようという工夫をしています。
車椅子もスムーズに乗り入れができるようになったとか・・
苦肉の策ではありますが、何とかなったというところでしょう。
(既製品でこういうのがあればいいのにね~)


「バリアフリーを考える」へ・・

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新年 明けましておめでとうございます

2009-01-05 17:59:52 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年も、色々な家、木組みにチャレンジすることができました。

この完全バリアフリーの家もそのひとつです。

2002年に竣工した旧吉田町T邸は、円形屋根で大黒柱が象徴的な家でしたが、さらにバリアフリーの家としても、先端を行っていた。

今回の中島町H邸は、更にそれを上回る重度のバリアフリー住宅となりました。
考えられる、工夫を注ぎ込んだ代表作ともなりました。
バリアフリーとなると、医療機関の箱物のように、真四角で何の味もない建物になるのが普通なのですが、「住宅」という面を強調し、そこに癒しともいえる空間を実現するのが、両者(吉田町T邸、中島町H邸)のメインテーマでした。

普通の人が普通に暮らせなければ、住宅ではない。
特殊な人も、普通の生活が出来る住宅が、バリアフリー住宅と考えます。

県産杉材をふんだんに使用した、伝統構法の家でもある。
「癒しの空間」を実現するには、やはりこのやりかたが一番であると考えます。
訪れた人が、ついつい長居してしまう家。
そういう家が、さりげなくバリアフリーという・・

しかも、耐震、耐雪に優れている。耐久性も在来木造を軽く凌駕する。
そういう家に守られながらの安心した生活。
そういう家を、もっと作り続けたいところです。



中島H邸の外観


昨年の、旧吉田町T様への年末の挨拶の折、中島H邸の完成の報告をしました。

「バリアフリーで一番大切なことはなんですか?」

というお客さんの問いに対して、

「その人の重度によって、それに合わせたバリアフリーを考えなければならない」

と答えました。

「えらい」

との一言を頂きました。
障害の度合は人によって、様々。一つの雛形があって、それに沿っていては、人それぞれに合ったバリアフリーは実現できません。
それは、健常者の場合もそうなのですが、人それぞれの生活の仕方があって、間取りに大きく影響します。
バリアフリー住宅にしても、間取りや装置はその人その人によって変わる。
1からつくりあげていく姿勢が必要だと思います。
旧吉田町T邸の場合はネットコンペで、こちらの提案にお客さんが賛同された形となりましたが、今回の中島町H邸に関しては、更にリハビリの先生を交えての3者による会議が月に1度のペースで開かれ、綿密に打ち合わせしながらの設計、施工。

全てのケースがこのように時間をかけれれば良いのですが、そうはいかないのでしょう。
今回の中島H邸に、リハビリの人達が見学に来たいとお客さんが言っていましたが、形にこだわらず、それぞれに合った形を模索、考えて頂きたい。そして、そのデータが集まれば、今後のバリアフリー住宅の新築、リフォームに役立つこととなるでしょう。
また、介護用品や器具の使い勝手の発展も考えられます。

何時までも、
「これでいい」
というものはなく、常に新しい最善の方法を模索する。

我が社の建物に関しても中島H邸にて試した技術は、さらに次の物件では発展しています。
「じゃあ、いままでのはしょーもないのか?」
と言われても、その時、その時、持てる、考えうる技術を駆使しています。
(どっちにしろ、在来木造は軽く凌駕してるし・・)


「百年に1度の大不況」

と言われています。
前の不況の時もそうでしたが、そのほうが地元に目が行きます。
どうすれば今もてる技術で、道具で、乗り切れるのか、みんなが工夫するようになる。知恵を出し合う。
節約、資源を大切に使うようになる。
環境問題をもっと考えるようになる。
地元の資源や、自然を有効に活用するようになる。

不況は、人を鍛える。試される。

前の不況時は、地元木材で家を作ろうといっても、流通経路がなかったけれど、今回は全く状況が違います。
山の木で作ろうと思えば、どんな木でも使えるし、山から出す術もある。
楽しい形の家だって実現できる。耐久性も向上している。

国をあげても、「国産材を使おう」という法整備が着々と進んでいる。
「温暖化防止、CO2排出削減」のスローガンをかかげている。
減反政策を推し進めてきた政府も、食料自給率の上昇を唱え始めています。

石油下落とアメリカの不況により、外材が安く入る気配がありますが、どこまで「自給自足」「地産地消」が世に浸透するか・・

また、伝統構法は生き残ることができるのか?
日本の文化は継承できるのか?

波乱な1年の幕が開け、また、楽しみな年が始まったと思っています。
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水道タンク

2008-10-22 00:41:04 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


先週からずっと晴れの日が続いています。
こう、いい天気ばかりだと少し恐ろしくなる。急激な雨が降らないかとひやひやしています。

天気のいいうちに、外作業を進めておきました。
市内の蓮潟町T邸の栗石並べも終了し、捨てコンクリートのに墨を打ちました。
これで雨が降っても作業ができる。

工場も、この夏のゴミが山となり、撤去作業をしています。
雨でも出来る仕事は後回しです。

今回の蓮潟T邸は、自社にて基礎を行います。
いままで忙しすぎて左官屋さんに任せていたのですが、鉄筋から型枠から全て自社で施工できるのも、わが社の特徴です。
久々に購入した鉄筋は2~3年前の1.5倍ほど値段が上がり、中国需要が落ち着いて、くず鉄の値段が下がっても、製品単価に反映されないのは悔しいところです。
・・といっても、鉄筋の値段なんてそんなに高いものでもない。
差額でせいぜい5~6万円くらいです。基礎の総額から見れば微々たる物・・
かえって、2・3万サービスしてもっと強い基礎にしてしまいたいくらいです。
そういった、トータル的な判断ができるのも、仕事を網羅しているが故、できる裏技。


写真は長岡の水道タンクです。
最近、見附から帰ってくるときに浮かび上がる水道タンクが美しい。
思わず車を止めて撮ってしまった・・・

水道タンクは私が小学校の頃、学校からよく見えました。
このあたりの象徴的な建造物で、写生の時間には、この円筒形の建物が描かれていました。実に面白い形です。

最近、設計に円形の部分を作るのも、子供の頃の記憶がそうさせているのかも知れません。
中島町H邸の円形屋根は、水道タンクのイメージが無意識のうちに取り入れられていたのだろうか?
中島小学校のグランドからはどちらの建物も見ることができます。
子供たちも、この建物を見ながら育っていくのだろうか??


そして、本日は東京へ出張してきました。
全国建築組合連合(全建連)の次世代委員会の一員となっています。
これからの建築の担い手として、関東圏の次の世代の人たちが集まって、今後の工務店のあり方や住宅の売り方を検討しようというもの。
「200年住宅(超長期優良住宅)」の検討も、その目的の一環でした。

各会社が「200年住宅」を前面に押し出して受注を伸ばしているようです。
ハウスメーカーやパワービルダーの真似の出来ない「国産材を使った」家づくりで差をつけようというもの・・国交省の補助金(最大200万円)も後押しをしているようで、今後の動向に期待できます。
施主さん、工務店、全建連の3社でデーターを共有し、長期的に建物のメンテナンスが出来るのも魅力の一つ。

10年以降の不等沈下や地震時にも対応できるように工夫を・・と提案をしてきましたが、反応は今ひとつ・・金物を使った場合のウィークポイントも研究してもらいたいところです。(別に、金物に頼るなとは言わないから、せめて工夫はしたほうがいいかもね。)

わが社も、200年住宅仕様の建物を来年の10月までに1棟は作っておきたいところ・・手刻みよりはコストが下がるので、リーズナブルになると思います。
伝統構法のノウハウが活かせればと思っているのですが・・・・
(差鴨居とか・・捨てがたい)

200年住宅については、超長期モデル事業を参照してみてください。
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中島H邸 大黒柱 

2008-09-30 01:23:51 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


先週の日曜日(21日)の台風の通過より、大陸からの寒気が入り込む状態が続き、肌寒い日々となっています。
2週間前は、「暑い」日が続いたのですが、全く逆になってしまった。
急な気候変化です、「衣替え」も急がねば風邪をひいてしまう・・

この調子で、冬も早めに到来するのでしょうか?
今年の天気は予想が困難です。

来月中には、蓮潟の新築の建て方を終えたいところですが、まだ見附市K邸の仕上げ作業が残っています。
夏の間の作業そのままの工場も整理したいし、その他にも外装工事とか、細かい修繕が目白押し・・

ああ、今年もこんな感じでバタバタで終わってしまうのか???

写真は、中島H邸の「丸柱」です。
プロのカメラマンに撮ってもらいました。
さすが、広角カメラです。
黒光りした柱の艶は、暑い夏にせっせと磨いた作業の賜物・・
来訪者は、この柱にしがみつくという・・名物の丸柱です。

引越しして1ヶ月になりますが、落ち着いた頃でしょうか?
仙台から帰ってきたY君の到着を心待ちにしています。

そう。この家は彼のために造り上げた家だから・・
永き療養生活が、ここではじまろうとしています。
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ロフト はしご

2008-08-29 20:31:05 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


本日も30度を越す真夏日。
北の高気圧に覆われているためでしょうか?

でも、日本全国でみれば、前線の通過による大雨の被害が多発しています。
岡崎や東京八王子方面では、大雨による土砂災害や床上浸水により、死者や交通の麻痺がニュースとなりました。

日本列島を縦断するように前線が発達し、そこへ南からの暖かく湿った空気が流れ込み、大雨を降らせているようです。
明日は、新潟も前線の影響が出てくるようで、大雨への注意が必要です。

局地的な大雨が多い年です。
お盆を過ぎてから、涼しい日が続き、残暑も少なく、秋が早く訪れる気配です。
でも、台風が1個も来ていないのが心配です。
そのかわりの、発達した前線なのでしょうが、大気が不安定な状態が続き、雷雨や激しい雨の恐れがあります。

「温暖化」で済ませてしまうのか?また・・


写真は、中島H邸のロフトに登るはしごです。
2階の廊下からロフトである物入れ部屋へ上るときに使用します。
普段は垂直に引っ掛けておいて、使うときに斜めに掛ける方式にしました。

強度的には、アルミかスチール製なのでしょうが、木にこだわってみました。
そのかわり、「軽く、丈夫」
という素材を見つけ出さなければならず、結果としては2×4部材です。米松?ホワイトウッド?
地元杉材では、強度を出すために断面が大きくなり、重くごつくなってしまう。
これだけの梯子だと、そうとうの重量になってしまうので、已む無く2×4材を採用。
とても安い。

こうしてみると、大きさの割には杉材のほうが高く、見た目も節だらけで色がにぎやか・・という悪い印象が目立ちます。
確かに輸入材のほうが、軽く、強度がある。乾燥度も良好。見た目も白木で統一している。
大工がこちらを採用したがるのは無理も無い。

では耐久性は?雨掛かりでは?
シロアリが好んで食べやすい材料・・
足回りや構造材、外装材には向かない。

「へ?構造材に使えないの?」

と、お思いの方・・長期間、日本の気候には向かないでしょう。
先ほど、日本の変な気候について書いていましたが、乾燥した大陸系の材料は日本の高温多湿、しかも多雪地方の気候風土に持ってくるには無理がある。
過度に乾燥した材料なので、まわりの湿度を吸収して、狂ってきます。
シロアリの餌食になってしまう。おいしそうだし・・
もっても20年くらいとふんで使うのが妥当だと思います。

県産材の使用にこだわり続けていましたが、ここへ来て、やはりこの手段しかないのか・・
樹齢300年の御神木の隣に、輸入材のはしご・・無念・・
やはり、何かを断念しなければならないワケね。

「適材適所」
と割り切るか?

だって、軽いんだもん。


お客さんは
「使いやすい」
と喜んでいました。
はしごを登りきって、束に手摺を付けて登りやすくしています。
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見学会 終了

2008-08-28 10:51:14 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


この日曜日、中島H邸にて「完成見学会」が行われました。
あいにくの雨でしたが、多数の来場者があり、地元の木のぬくもりと伝統木組みの落ち着いた空間を堪能していかれたようです。

特に、この建物はバリアフリーの見本となるような建物で、色々と参考になった点があったかと思います。

現在は、引越しの荷物が搬入され、新しい生活の準備がすすめられています。
日中は、施主さんが荷物の整理をし、夜は別宅へ寝に帰る日々ですが、

おばあちゃんも、
「ここがいい」
と、ついつい長居してしまうというそうです。

見学に来られた方々も、平均30分以上。長い人は1時間くらい見学され、
口々に

「落ち着く」
とか
「居心地がいい」
とか言われていました。

どうやら、私の造る家は、そういう特徴があるようで、
「人が集う家」
になる要素をもっているようです。

どの家も、直ぐに料亭やうどん屋とかの店が開けるくらいの雰囲気を持っています。いつも冗談に、
「仕事やめたら店開いたら?」
とか、お客さんに薦めたりしていますが・・・


いつから、こんなつくりをするようになったんだろう?
原点は、やはり旧吉田町T邸でしょうか・・
柱磨きも、そのころだったような・・でも全部の部材ではなかったと思います。

柳原「塩乃谷 鮮魚店」では、一室古民家風の奥座敷をつくりましたが、あのときに「商売繁盛」「千客万来」の念を込めていたのが、今の造りに至ったかも・・
その部屋は殆ど予約でいっぱいだそうです。
塩乃谷さん自体も、新店舗で殆ど休みがないくらいに商売が繁盛しているそうで・・

       「人が集う建物」

そういう特性は、なかなか出せない要素だと思います。
それは、設計者だけでも作り手だけでもできない。お客さんや地元の山の木が一つになったとき、「末々まで長持ちさせたい、未来永劫、子孫繁栄」という想い、願いが入ったときに、生み出されるものなのだと思います。

その願いが空間に詰まっていて、それに感応した人々が集まってくる・・

そういった空間づくりが私の願いであり、家作りのポリシーでもあります。
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越後に生きる家をつくる会 見学会

2008-07-25 01:09:50 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
昨日は、岩手県で震度6という地震が発生。
マグニチュード6.8は中越地震と同規模のエネルギーですが、深さが100キロとかなり深く、直下型でないことから意外と被害が少なかったようです。

それでも、こちらに(新潟)震度3程度の本震と余震があったのは、規模が大きいことを物語っています。
これから被害の詳細が明らかになってくるでしょうが、前回の岩手・宮城内陸地震に比べれば被害が少ないようです。地震が多い今日この頃・・・

日記も、更新がままならぬ状態が続いています。
先週は、イベントが目白押しで、話題は溜まる一方・・
越後に生きる会の見学会、東京へ日本住宅新聞の取材に行ったこと、越後の会の飲み会、柏崎の蔵の改修の下見等等・・
また、次回に繰越か???

いずれも、「山の木を使おう」というメッセージを伝えに行った共通項があります。

ひょっとしたら、その役割が強いのかもしれない。
東京方面へ、そういう話をしに行く場があるのも、今、必要とされているのかも知れません。新潟で培ってきた技術や経験を、大都市圏へ伝授し、大いなる目標(=都市を第二の森林にする)を達成する次なるステップへと移行している??しかも伝統構法(日本の文化)を残すという大役も兼ねる。
そんな中、全国をまたに駆けた数々の出会いが!・・・ドラマが生まれつつあるのか??
(それが、美しい地球を後世に残す、プログラムなのか?まだ間に合うのか?うん、たぶん間に合うんだと思う。道を正しく見続けていれば必ず開ける。)

忙しすぎて、大変なのが実情・・困ったものです。



さて、13日(日)は「越後に生きる家をつくる会」の住宅見学ツアーが開催されました。
新潟方面から50人を超す参加人員で、キャンセル待ちもあったとのこと・・
見学や各種イベントで、年々参加人数が増えて充実してきました。

午前中は、「さくら住宅」の木組み住宅を2軒見学。
出雲崎町の完成物件と、柏崎市に建築中の物件です。
以下、さくらさんの様子です。


         さくら住宅の完成見学


      説明する社長さん


      木組み


お昼には、東京電力の原子力発電所資料館、田中角栄記念館を見学したあと、後半の我が中島町H邸見学(長岡)となりました。
柏崎から長岡までのバスの中で、H邸の概略と山の木に対する想いを全開。

みなさん、食後のウトウト気分の最中、思いの丈をぶつけても、なかなか通じないような状況でしたが、よくぞ付き合ってくれました。
後半の、柱を一本一本丹精こめて磨いているのと、地震の時の体験談を話したら、真剣に聞いてくれてる人も多数・・ちゃんとこっちを見て聞いてくれてるのよ。

まあ、山の木と伝統構法に対する想いを伝えただけで、今回は良しとしよう。



さて、現地の中島H邸ですが、50人も入れるかと思ったら、入れました。
バスの中で説明した背景もあり、みなさんしっかりと見学していったようです。
それまで見ていた目と違う感じが取れました。
やっぱり、本物は分かるのね。

「私が凄いというんだから、凄いよ」
っていう、レベルの高いお客さんからも誉め言葉を頂きました。

一本一本磨いた柱や丸柱、木組み、明るい吹き抜け、外観のデザインに皆さん感動していったようです。
バスの中で、人気投票をしたらダントツ一位だったとか・・・

何よりも嬉しいことであります。
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中島H邸 浴室

2008-07-03 21:19:09 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


夕方になって、ようやく雨が降り始めました。
これより梅雨本番というところなのでしょうか?
でも、また晴れる予報が続くようです。

今年は、天然乾燥の当たり年?

写真は、中島H邸の浴室です。
土間コンクリートを打ち込み、この後、防水工事を経て、仕上のタイル工事に移ります。
この浴室の広さは4.5帖で、通常の2倍以上の広さとなっています。

寝室よりシャワーキャリーにて、浴室中央に設置予定の浴槽の横まで運び、リフトで吊って浴槽へと入れる形状です。
4.5帖といっても、浴槽が入ると、洗い場は意外と狭い。
浴槽が中央に来るのは、反対側に介助者が付いて、浴槽の側面、両側からリフトで下ろすのを介助するためです。
それでも、中央から窓側へ10cmほど送ったのですが・・

この寸法は、リハビリ・チームを組んで、その意見を集約して割り出しています。
昨年の設計の段階から、ほぼ月に1度のペースで会合を開き、設計、施工と綿密な打ち合わせをしながら、各寸法、位置を決めてきました。
浴槽の位置も、一度合板で仮床を貼り、浴槽の模型を原寸大で作成して、決めています。

床の各所に防水ドレーンが配置されています。
ここに床排水や浴槽の排水、洗面器の排水がつなぎこまれます。

今までの、経験上、排水金具は微調整が効かないので、一度防水をかけてから、塩ビパイプにて調整が可能なように工夫してあります。
防水面でパイプを貫通するよりも、受けを付けて、そこにパイプの水を流せば良いという結論に達したのでした。
パイプ周りの防水が一番厄介だからです。また、そこから漏れる可能性が非常に高い。

こういった工夫は、リフォーム工事をしている内に思いついています。
屋上防水や屋内浴槽のリフォームの際に、どうやったら効果的に防水ができるか、考えさせられるのです。
まあ、普通の工事をしている人には、全く用の無いことなのですが・・
ユニットバスで対応すれば早いし・・

でも、こういった特殊な用途の浴槽の場合は、原点に戻る必要があります。

より、水が漏れないように、モルタル下地の合板より外側へ、ポリシートを貼っています。それを浴室を包み込むように天井まで貼る予定です。

このポリシートとその下地(間柱等)の仮固定には、両面のブチルテープを貼っています。仮押さえが容易にできることと、ビスやクギを打ったときに、ブチルテープにてクギとブチルがなじんで、そこでも防水が利くようにしています。

こういった工夫は、屋根工事や外壁工事の応用です。
どうすれば、ありきたりの材料を使って、効率よく目的を達成できるか・・
知恵をしぼればいい。

さらに、この外部には、旭化成のサニーライト断熱材を入れています。
浴室が温められたときに、結露を起さないために、浴室の壁、天井に入れ込んでいます。
更に、この土間打ちの前に、エスレンフォーム(断熱材)を挟み込んでいます。
(ちなみに、サッシも断熱サッシです)
床、壁、天井・・全ての面に断熱を施すことで、「在来の風呂は寒い」という印象を覆したいものです。

タイルは腰の75センチまで貼り、その上の壁は桧の羽目板を貼る予定。

入り口は、開口を1間近くまで空けたいために、3枚戸の引き違いサッシを入れています。
既製品の上3方枠と、敷居はステンレスで鉄骨屋さんに特注で作ってもらったものを使用。
ステンレス敷居によって、床の段差を解消するバリアフリーを実現。

既製品の3枚戸の場合、浴室対応ではなく、普通の形状なので、水仕舞が非常に悪い。
ブチルテープやコーキングを駆使しても、絶対に水が漏れる。
3尺空くタイプならば既製品でも浴室用のサッシと防水ドレーンがセットになっているものもあるのですが、規格品以外では、作るしかない。

前回、本町K邸にて浴室工事を行った際の経験が活きてきます。

今回は、更に、知恵を絞り込んで、上の3方枠とステンレス敷居のつなぎ目を床から10センチくらい上がったところに設定しました。
その高さまでステンレスは1体になっているので、水は漏らないはず・・
更に、壁面のポリシートを裏側へ巻き込んでからサッシ、敷居を取り付けています。
ステンレスの敷居は排水と一体となり、水が脱衣側へ流れないようにしてあります。

こういった、製品は、医療関係で必要だと思うので、製品化しておくべきでしょうが、需要事態が少ないので、自分で工夫するしかない。
(バリアフリーが叫ばれているのにね~・・実態は、全くといっていいほど整備されていない)
今ある製品を参考にして、どこまでが、そのまま使えるか、どこから自作するべきか・・どうすれば安く上がるかを検討する・・
それでも、特殊なユニットバスを入れるよりも安く上がります。



無数の工夫が散りばめられた浴室です。
一見、普通に見えるのですが・・
隠れたところに妙手あり。
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杉板貼り

2008-07-01 21:21:41 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


本日も、晴れ。
日差しは夏至を過ぎ、真夏の太陽。
太平洋高気圧は押し返されて、梅雨前線は南下。
明後日あたりから、雨が降るらしいですが、このままカラ梅雨なんてこともアリ?
でも、まだ7月に入ったばかりで、予断を許さぬ状況です。
7月半ばあたりに、集中豪雨とか??
ありうる。


そんな、異常な天気をよそに、乾燥が進み、いい塩梅(あんばい)の見附市K邸。また内部造作のすすむ中島H邸です。

中島H邸の写真ですが、杉のフロアーを貼っています。
内装材は、なるべく乾燥したほうがよい。
春に注文して、カラカラになった杉フロアー・・

朝日村の五十嵐製材による製材品を山北森林組合にて乾燥、加工しています。
(加茂ウッドシステムなきあと、ここが頼り?)
何処の品だか分るのも、地元の木を使っている家づくりならでは・・
っていうか、トレーサビリティー?

機械打ちでは、柔らかく、クギがめり込んだり、割れたりするので、手打ちにしています。
一本一本、感触を確かめないと、貼れないデリケートな品物。
木の収縮、膨張によるキシミを防止するために、シリコンコーキングを合わせ目に充填しながら張っているのです。ゴム状になったシリコンが木と木がこすれ合うのを緩和します。こういう見えない工夫が至るところに散りばめられている・・

柔らかく、ぬくもりのある床板だからこそ、張るときも注意が必要なのです。

このバリアフリーの建物では、1階は車椅子やベットが日常的に使われるため、硬い建材のフロアー(大建WPC)を貼っています。
2階は介護とは無関係なので、個人の自由にできる。
ぬくもりのある床板のほうがいいというお客さんの願いです。

実際、腰や足が痛まないのが特徴(薬事法上は痛みにくいと書かなければならない)。材料自体に適度な保温性があるから?

この現場も、もう終盤に入っています。
そろっと、色塗りの準備かな??
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中島H邸 裏側 外観

2008-05-31 14:26:57 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


中島H邸の裏側から見た感じです。
腰までは杉羽目板を貼り、上は窯業系サイディングの3×10板を貼って、シーラー処理し、弾性塗装を塗ってあります。
最近は、だいたい、こんな感じで仕上げるようになりました。

準防火地域の場合、杉羽目板を貼るのに、下地に12ミリのダイライトを貼る必要があります。それを小屋裏、タルキまでも切り抜いて野地板まで貼って更に内部には石膏ボードを貼って、火災時に炎が小屋裏まで入らないように覆います。

そのため、小屋裏の通気がとても悪い状態になる。
(といっても、準防火地域の場合は羽目板でなくてもそうしなければならない・・建材屋さんの話ではダイライト12ミリでさえ出ていないとのこと・・石膏ボードで対応してるのだろうか??)

軒裏が準耐火30分をクリアするには、通常石膏ボードに鉄板を張る必要があります。または、石綿スレート板ですが、アスベスト規制のため使えない。他の防火軒天ボードを使うのが一般的。

最近は、軒を出さない方法を取るのが多いようです。
見た目スッキリしてデザイン性も良いのですが、雨仕舞いが悪く、耐久性は期待できません(軒は極力出したほうがいいです。なめてかかるとシロアリの餌食になりますから・・)

軒裏は防火ダンパーを付けて通気を取る必要があります。
この建物の場合は、小屋裏まで防火壁で覆ってあるので、軒裏の対応の必要はありませんが、石膏ボード12ミリを下貼りして、軒天ボードを貼ってあります。そして、軒裏のみの通気を取るために防火ダンパーを取り付けてある・・

小屋裏は別穴で通気を取っています。
部屋側は天井を貼って、その間を空気が流れる工夫をしています。
通気を取らないと、水分がそこに残って、結露の心配がある。

ロフトの窓も見えますが、妻飾りの一部にしています。
竪格子と同化するように小窓が設けてあるのですが・・
(見えないかもね・・それだけ同化してる。)

ロフトは屋根の向こう側にもあって、吹き抜け天井でつながり、そこでも空気が流れるようにしてあります。(風が抜けるというよりも、下からの熱気が小窓から外へ抜ける)

霧除けが妻と1、2階の中間に設けていますが、その下の窓への直射日光と雨の遮断が目的・・というのは普通の建物の場合です。

伝統構法の場合は、もう一つの大きな意味がある。
写真では分りにくいのですが、屋根の下に、構造材が突き出ているのが見えます。
梁が外側20センチくらいまで飛び出すのが、伝統構法の特徴です。
昔の「蔵」とか「古民家」を見ることがあったら、気をつけてみると、2階の床や建物の中間辺りに、梁が突き出ています。

わたりあご、打ち出しホゾ

は、長さがないと効きません。短いと割れるか折れるかしてしまうのです。
だから極力外側に突き出す。

屋根の直下ならば、雨が当たらないのですが、外壁の中間くらいだと雨にさらされてしまう。
だから、屋根鼻をせいいっぱい伸ばして、雨が当たらないように工夫していたのです。雪国の場合は、積雪により屋根が折れてしまうので、梁を建物の外側に出して(通常は3尺=90センチ)、屋根の出を少なくする「せいがい造り(又はセンガイ造り)」という手法をとっていました。

この建物の場合は、霧除によって2階床の梁を隠しています。
自分の建物のウィークポイントが分っていないと、丈夫な建物はつくれません。

その上に見切りをつけて羽目板が貼ってありますが、これは建物全体の羽目板のバランスをとるため・・

「霧除けで見切って、そこから上を窯業系サイディングにすれば効率がいい」

という意見もあるのでしょうが、それだとバランスが悪い。
見た目も大事。

ただ、この建物の裏は、ブロックで土止めをしてあり、下が見えないので、ちょっとバランスが崩れて見えるのが惜しい・・(まさかお隣に下げてくれとも言えないし・・)
将来的に、隣の土地を購入したら、地盤を下げてもらえば、絶妙バランスの状態になると思います。(まあ、裏はあんまり見ないんだけどね・・)


将来、木が痩せて栓、クサビが緩んだ場合、この霧除けの下の軒天ボードだけ取り去って、締め直せばよい。
そして、復旧すれば良いので、外壁を全て解体しなくても容易に工事が出来るようになっています。

通常の在来木軸の場合は、外側に羽子板ボルトや火打ちボルトのナット部分が外側にあるので、外壁を解体して締め直してやる必要があります。
中越地震の時、殆どの建物の金物が緩んでいました。
金物が引っ張られて伸びるのと、木にめり込むのが原因で、外壁工事が絡む場合は締め直したのですが、地震でもない限りはそこまでしない。

やっぱり外装工事のときに金物も締め直してやったほうがいいでしょう。
今はやりの、外張り外壁の場合は、締めることもしないので、そのままでいくのでしょうが・・(あれ、仕事は速いけど、雨仕舞も悪いし、値段も高い。騙されないように!)

前回も書きましたが、金物を使う場合でも工夫がいる。
「引き寄せ金物」にして内側からナットを締める方法。
もう一つは、この建物のように霧除け、下屋を多用して、後でナットを締める工夫をする方法。

在来木軸工法だって、改善の余地はたくさんあります。
絶えず、工夫をする。考えることが大事です。
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子供見学

2008-05-26 20:28:30 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


最近は、昨日の見学会開催の準備、及び細かいリフォーム等で忙しく、更新がままなりませんでした。(今も見積もりの最中であるのだが・・)

先日の25日(日)に、中島H邸の構造見学会が開催され、多数の来場者があり、伝統木組みの大きな梁、丸柱、御神木柱に感動して行ったようです。

今回は、OB客や施主さん方々がはりきって、構想、チラシ作り、当日のレイアウト等に参加され、殆どがその知人、友人という「お披露目的」な感じの見学会となりました。
(来客用のプレゼントまでお客さんが用意するという熱の入りよう!!)

前日は、前の小学校のグラウンドで運動会が開かれ(実は私の子供も参加していた・・)、休憩の度に正面の、この建物を見ていく人も多数。どうも、目立つ建物らしい。お昼から準備にかかり、のぼりも数本出していたら、前日にもかかわらず、数名の人たちが見学。

震災以後、忙しさに振り回され、なかなか宣伝もできませんでしたが、お客さんの協力あって無事開催できたのでした。
(お疲れさんでした)


さて、本日は、その余韻か前の中島小学校の生徒たちが社会科見学で、この建物を訪れ、「インタビュー」を受けました。
ちゃんと、デジカメまで持参して、本格的な報告を作るのでしょうか?
「この家の木材は何処から来ていますか?」
という質問には、
「新潟県の杉。特に長岡の近くの木です」と、戸惑うことなく回答。

「何時から会社がありますか?」という質問には
創業が大正9年という、あまり考えていなかった事実も確認。
90周年くらいになっているのだろうか?

中には、「この家の値段は?」
との厳しい質問もあり、ちょっと多めに言っておきました。

最後に、子供たちが、建物の中を探検し、大工道具や端材に興味を示していました。(この中から、明日の大工が出てくるのだろうか?)
どんな、報告になるのか楽しみです。

そう言えば、吉田町T邸も子供が図画の課題に好んで円形建物を描いていたのでした。

人が集う家。
思わず、足を止め、見てしまう家。
我が社の作る家はそんな特徴があるようです。

悠久町M邸も、引渡し後、お邪魔したときにお客さんから言われました。
中之島「浅野美容室」のことも「丸い店」と覚えていた来場者がいました。
(あれ、ウチで作ったんですよと答えたら、驚いていました)

「その地域の象徴」となる家が点在するようになりました。


そして、この中島H邸も仕上げに向かって工事が進みます。
柱磨きの工程が待っています。


先週の金曜日に「越後に生きる家をつくる会」の総会が行われました。
その折に、設計士の人が、
「藤川さん、命を削ってばかりいると、本当に死んでしまう。
太く、短くではなく、多少細くても長く作っていれば、もっと多くの作品がつくれるから、そちらを選んだほうがいい」
その設計士の方の親父さんは若くして他界されたそうです。
それも、同じ設計の仕事をしていたそうで、命をかけて設計していたようで、早くして亡くなってしまった。
残された家族のことをよく知っている・・

見附市K邸のお客さんも、「長生きできるように」と心配していました。
いつまでも家の面倒を観続けてほしい。
(まあ、10年なんか軽く過ぎてしまいますから・・)

ものづくりに掛ける私の根性・・
私の家は、実は「もの」とか「商品」ではない。単なる「いえ」でもない。
言わば生き物なのです。
産みの苦しみがあって、生み出される家は、そこに住む人を生涯守り続ける。
そういう願いを、気を、柱や梁に刻み込む。

今回は、特に、障害のある人の家。回復と安全を願って念入りに・・
仙台の病院に行って、「彼」に会った時、約束したのです。

まあ、少し、やつれるかも知れませんが、死ぬことはないと思います。
だって、次のお客さんが待っているのだから・・
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中島町H邸外観

2008-04-26 20:07:38 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
中島町H邸の外観です。

杉羽目板と窯業系3×10盤の塗装が終了し、落ち着いた感じになりました。
現在、足場を外す段階となっています。

来月の25日(日)に構造見学会を実施します。
この周辺の人たちの注目を集めてきた建物で、皆さん興味があるようです。
見学会では、内部の構造が古民家風に塗られていることに、2度びっくりすること間違いないでしょう・・
そして、工事が完成すれば、普通の家と全然違うことを実感するでしょう。
伝統構法、県産杉材、天然素材、バリアフリー・・色々な要素の集大成とも言える家となります。

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白木見納め

2008-04-26 19:55:39 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
中島H邸の梁みがき作業も終了し、褐色に塗る作業がはじまろうとしています。

越後杉の白木の美しい状態も、これで見納めです。

地場産杉は、紅白、黒、節が混ざり、にぎやかな感じになります。
年月が経ち、焼けてくるとそんなに目立たなくなるのですが、新しい状態だと、色々な色が多すぎて、目移りしてしまう・・

墨汁とベンガラを混ぜて、褐色に塗り、布地で磨きをかけて、カキシブで定着させ、色を統一にすることで、落ち着きが出てきます。
ひび割れも白地だと目立ちますが、濃い色だと目立たなくなります。

壁は、白系統になるので、浮き上がった感じになり、丁度、古民家のような感じになります。

「ごまかし」と言ってしまえばそれまでですが、地場産杉を活かすのは、これがベストだと思います。
そのかわり手間はかかります。
伝統木組みと同様に、他では真似できない芸当のひとつです。
塗装屋さんは嫌がるでしょうし、もっと簡単に1~2工程で済ませる方法を取るでしょう。
天然素材で耐久性を上げることにこだわると、こうなります。
ひたすら根性の要る作業が続くのです。


写真は、丸柱の様子です。吹き抜けから入る明かりに照らされて、美しく映えます。
この白木も見納めです。
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春 中島H邸外部羽目板

2008-03-27 19:57:49 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)
久しぶりの更新です。
3月も終わりとなりましたが、初旬と比べて気温も上がり、すっかり春になりました。
気温0℃の日々があったのがウソのようです。

前回の更新から、かなり日数が経っていますが、その間、講習やらなにやらで、忙しい毎日が続き、現在も、小さなリフォームから新築の刻みと、春になって慌ただしい日々となっています。

2月の飛騨・高山の見学ツアーや増田先生の講習会、旧栄町T邸の一周年記念・宿泊体験等・・更新内容は多々あるのですが・・
(あと、長岡市の森林整備計画とか・・長岡木造振興研究会とか・・)

中でも、「藤川建設友の会(仮名)」を立ち上げようというOBのお客さんからのお声もあります。誠に心強い限りです。


現在、中島町H邸では、外部の杉羽目板が張り終わり、腰より上の3×10版サイディングを張りました。
塗装屋さんが入ってきています。
外部の玄関に通じる風除室工事も終わり、ほぼ、外部が一段落というところです。

写真では、羽目板の白木となっていますが、これに着色をします。
お隣の人の話では、「このままでもいいではないか」と言われました。
好みにもよるのですが、これもいいかも知れません。
(腰下:白木、上:グレーのカラーリング)
見学会が開かれるかどうか、近所の人たちの話題となっているようです。

目立つ建物なので、何かと話題になっているようで・・



見附市K邸も既存建物の解体がはじまりました。
他、いろんなところでリフォームも平行して行っていますが・・
できるかぎり紹介したいと思います。
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