台風6号が東北の太平洋に抜け、北からの寒気が入り込み、大気が不安定となって朝晩は雨が降ったり肌寒い日が続いています。
丁度、台風が通過した日に新潟市南区にて、これから新築を行うA邸の地鎮祭が執り行われました。
敷地には地縄が張ってあります。
祭壇の準備に神主さんも熱そうです。
この日は、台風の通過に伴い、フェーン現象に伴い気温も上昇しました。ただし、東からの強風で体感温度は以外に心地好い感じがしました。
強風にあおられ、祭壇のお供えが飛ばないように手で押えながらの祭事でした。
(そういえば、栄町T邸でも同じだったか・・)
念入りにお払いをする神主さん。
お客さんも工事の無事を祈ります。
祝詞(のりと)をしっかり(ゆっくり)読む神主さんで、いつもは意味など全く考えないで聞き流しているのでしたが、今回は祝詞の意味が分るくらいでした。
「高天原~」から始まる祝詞ですが、古来の日本のルーツ、特に大和朝廷の時代にさかのぼり、国を統一する際の諸国との争いと罪を祓い(はらい)、この地に住む人と工事の無事を祈ると言う流れになっています。
「神道」
は昔からの日本の宗教であり、日本という国を一つに束ねるための思想であり、伝承、法律です。その本文はカタカナでもひらがなでもなく漢字で書かれていて、独特な言い回しをします。
「罪という罪はあらじ・・」
というフレーズは、統一時の争いで破れた地方の豪族、神を慰め、また、これからの新しい国家の安泰を願った大和武尊(やまとたけるのみこと)をリーダーとした一大国家の発端を表しているように思われます。
壮大な歴史の流れの一コマである「家造り」は日本の国の流れの中で繰り返されてきた尊い生活の場を作る神聖な儀式でもあります。
工事の安全と共に、この地で暮らすお客さんの安泰を祈る・・そんなことを考えながら神主さんの読む祝詞(のりと)の意味をかみしめるのでした。
ヘイソクと榊は土地を見渡す場所に掲げました。
この家も、伝統構法を応用した金物を(なるべく)使わない木組みの家となります。お客さんの意向で、耐久性のある家にしたいということで、当社の技術を選択されました。
限られた予算の中で、どれだけ本物技術を入れられるか・・それがこの家のテーマなのでしょう。
伝統構法というと、年配のニーズが強いと思われがちですが、若い方でも興味があるようで、長期優良住宅が60年の寿命を目指すのに対し、(超長期でもせいぜい60年?)伝統構法が百年単位の高寿命を実現できることを理解しています。(200年以上も経つ古民家が証明しています)
良いものを大切にして長く使う・・
そうしたニーズは少なからず日本の国に根付いています。
「神道」と同様に、この国で引き継いできた日本の文化や精神なのでしょう。
地鎮祭はそういった決意を新たにし、これからの工事に全力で取り掛かろうという意欲に掻き立てられます。
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