べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

外部足場のコーディネート

2007-06-28 19:13:45 | 1時間耐火の増築~本町K邸


入梅して、蒸し暑い日々が続きます。
明日は大雨になるとか・・
集中豪雨が懸念されますが、四国では水不足で取水制限が出ているとのこと。
ペットボトル入りの飲料水を送らなければと、四国出身の知人がもらしていました。
まるで、避難所生活ではないか?

こちらの大水を分けてあげたいほどです。
それほど降水量の差が激しいわけで、土砂災害のところもあれば、干ばつ災害のところもあるのです。
大陸の内陸部では乾燥が進むという、温暖化のシュミレーションもありました。
今年、大風が多いのも、そろそろ竜巻が出だす兆候なのでしょうか?

そんな中、本町のK邸では、足場掛け工事がはじまりました。
隣の敷地が貸し駐車場で、足場の脚が出せないため、空中にて張り出す方式をとっています。
鉄筋コンクリートにアンカーを打ち込み、足場つなぎで固定していきますが、この足場つなぎの数がハンパじゃない!
通常の倍以上の数を、縦横正確な位置に打ち込みます。
さらに、アンカーは空けた穴の中に、鉄筋用のケミカルセッターを注入し、より接着力を強化しているので、もう動かない!!

足場屋の職人さんも、
「これはすごい」
と絶賛していました。

念には念を入れるのは、台風等の強風が多い状態が続いているので、1回、2回の強風でもびくともしない足場を追求したのでした。
このアンカーは、ステンレス製なので、将来的にも同じ部分に壁つなぎを使用すれば足場を組むのが次から楽になります。

使用した後のアンカーのねじに、キャップのようなものをつけておいて、化粧にすることも考えています。
規則正しく並んだアンカーが外壁のアクセントになればと思っていますが・・

足場屋さんには面倒な仕事ですが・・
私の現場は、何事も鍛えられるのであった・・
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ボード巻き作業

2007-06-22 21:07:13 | 1時間耐火の増築~本町K邸


新潟県もいよいよ梅雨入りしたようで、昨日からまとまった雨が降り続いています。
最高気温は24℃。でも、晴れた日は最高気温が30℃を超すくらい。
寒暖の差が激しく、うっかりしていると風邪をひいてしまいそうです。

皆様、体調管理に十分気をつけてください。

我が社の、新築、増築物件は、屋根もかかり、雨が降っても作業にさしつかえない状態になっています。
入梅前の晴れ間にある程度外部が終わっていたのが幸いしました。

本町K邸では、石膏ボードによる耐火被覆作業が行われています。
木造の柱、梁は殆どが石膏ボードで囲まれます。
特に、梁は強化石膏ボード12.5㎜の2重巻き。
通常の石膏ボードよりも密度が重い材料で、さらに2重です。

軒裏も強化石膏ボード15.5㎜。
ダイライトと合わせると、ボードのかたまりのような建物となります。

準防火地域内の鉄筋コンクリート建築物に増築する耐火時間1時間の準耐火構造物を木造で行う場合、こうなります。

  「鉄骨か鉄筋コンクリートにすればいいじゃないか・・」

という、意見もありますが・・


  「意地でも地元産杉材を使ってやる!」

という、ねばり強い根性のみが、そうさせています。
頑固なのだろうか?いや、こうしなければ、地球温暖化は防げない!
水源としての山林を守るのだ!!
ただ、その使命感に燃えるだけ・・

だって、せっかく良い建物作ったって、人類が滅びれば何にもならないでしょ?
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増築工事も着々と・・

2007-06-14 21:31:30 | 1時間耐火の増築~本町K邸


最近は、深沢W邸の話題ばかりでしたが、本町K邸の増築工事も進んでいます。
こちらは、1時間耐火の準耐火建築物を県産杉をふんだんに使った建物となっていますが、ほとんどが石膏ボードやダイライトで包まれてしまう・・

   誠にオシイ!建物

であります。
写真は、建て方直後の様子ですが、現在は外部をダイライトで囲っています。

   ダイライト工法の見本

みたいな建物となっていますが、たぶん、震度7くらいは平気です。ダイライトのかたまりみたいな建物ですから・・

中身は地元材を使いたいという願いでいっぱいです。99%が県産杉材です。(残りの1%は米ヒバ土台)
玄関先の雁木に取り付けた「差鴨居(さしがもい)」も最終的には石膏ボードで包まれてしまいます。結構、節の少ない良い差鴨居だったのですが・・しかも、クサビや栓で止めたんですが・・最後はボードで巻きます(泣く泣く・・)法律ですから・・


この増築は、後ろの鉄筋コンクリートの建物に玄関や階段、トイレを付け足す工事です。
隣が両側とも駐車場なため、前面に雪を落とす屋根形状となっています。
両側に止めた車に雪の塊が落ちると、車を傷めてしまうため、こういう形にならざるをえませんでした。
家が密集していれば、妻入りの美しい屋根になるのでしょうが、雪国には特有の制約があり、自由な形が作れないもどかしさもあります。

雪を知らない人がこのあたりの家を設計して、安易に建てると、隣の家に雪が落ちて苦情が来ます。
瓦屋根の場合は4.5寸勾配以上だと雪下ろしで苦労します。(落ちそうになる)

 屋根に上がる

ことを、まず考えて作らないといけないのです。
普通は、屋根に滅多に上がらないのしょうが・・雪国は屋根に登ります。

屋根のアングルも雪止めの役割とともに、足がかりに用いる重要な部品です。
屋根に上がる場合、まず、アングルの位置を確認して、そこに足をかけて雪下ろしの作業をします。
(と言っても、直接かけるのではなく、50センチ以上雪の積もった上に足が乗ります。雪が崩れれば、下に落ちるので、危険な作業です。その辺は、感を働かせて足の下の雪ごと重心をアングルに乗せている感覚でやってます)

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プレカットに伝統構法を応用

2007-06-05 20:58:31 | 1時間耐火の増築~本町K邸


長岡市本町にて増築工事を行っています。
鉄筋コンクリート部分に木造を増築。

20坪くらいの面積ですが、当然、県産杉使用率99%(土台は米ヒバでした)!!
今回は、木組みをしている時間がなかったので、プレカットにて対応。
でも、フツーのプレカットとは訳が違う!!

プレカットにてセイガイ作りを実現。
通し柱の仕口に小根柄長ホゾを採用し、車知栓(しゃちせん)までとはいかないものの、横架材が通し柱を貫通し、反対側の横架材に差し込まれる伝統構法を応用してみました。(写真参考)

プレカットでもやればできる!
さすが志田材木!

通常、このホゾは短ホゾで、4センチくらい差し込まれるだけで、あとは金物で止めるだけです。
それだと、ものすごい不安だったので、材木屋さんに我がままを言って、この方法にしてもらいました。
地震の時に、短ホゾだと抜けたり、木を突き破ったりしてしまう。
長ホゾでしっかりと隣の材料に固定してあれば、ピン構造ではなく、半分ラーメン構造になります。

でも~・・大工さんは入れるのに手こずってましたが・・
(ウチの木組みに比べればチョロイもんよ)

ウチのプレカットは一味違う!

しかも、雁木部分は、木組みでやったりしてます。
差鴨居(さしかもい)を入れて、込み栓、鼻栓で固定。
がっちりしてます・・
ただし、最終的には石膏ボードで塞がれてしまう・・準防火地域だから・・

本町で目立つので、フツーの大工さんも目の保養に見てみてはいかがでしょう?

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大工 伝統技術について
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木造準耐火建築の設計

2007-02-15 00:47:48 | 1時間耐火の増築~本町K邸



長岡市柳原町の塩の谷鮮魚店を手がけて1年半が経とうとしています。
この建物は、木造3階建ての特殊建築物に位置し、長岡でも始めての木造3階建て準耐火建築物となっています。
残念なことに、1階部分は鉄骨造となっていますが、下地は全て木軸となっています。(1階部分も)
木造部分には県産杉をふんだんに使用し、県の補助事業を使いました。
市街地で、この手の建物を作るときは、大抵が鉄骨ですが、あえて木造にすることで、暖かみのある店舗に仕上がっています。

竣工後は、休みもなしにお客さんが入っているとのこと、特に奥座敷の木組みの部屋は予約でいっぱいだそうです。
手がけた店が繁盛するのは気持ちの良いことです。

奥の部屋は、いつもの通り「家内安全、商売繁盛」を願いながら丸太や羽目板を仕上げました・・



  木造準耐火建築物

準防火地域では、いままでは鉄筋コンクリート(RC造)か鉄骨(S造)しか認められませんでしたが、木材に耐火被服をすれば、構造計算をすることで木造の準耐火建築物を作ることが可能となりました。

通常の木造建築物では、層間変形角が1/120で壁倍率を設定していますが、準耐火建築物では1/150以下となっています。

層間変形角とは、1階、2階の地震等の横加重を受けた時、1階~2階の傾きがどれくらいの角度かということです。
高さ3mの壁の上端を130kgで押し、1/120となった壁を「壁倍率1」としています。構造用合板では2.5倍、ダイライト12ミリでは3倍で、5倍が最大値です。

層間変形角1/150を実現するには、1/120で考える場合の1.25倍の壁量が必要となります。
そのため、3階建ての1階部分は壁だらけになってしまい、大空間や開口がとれなくなってしまうのです。
本当は木造3階建てにしたかった「塩の谷」も、1階には広い玄関ホールや調理室を設けるためにやむなく鉄骨造にしたのでした。
耐火被服は通常、ロックウールを使うのですが、アスベスト問題もあり、吹きつけは怪しいので、手間のかかるボード貼りを採用しています。

今年は、この近くにRC像の建物に木造準耐火建築物の玄関を増築する計画があります。
確認申請時に、
「何でコンクリートや鉄骨にしないんだ?」
と言われていますが、
「玄関や階段を作るのに、何で高価なRCやSにしなければならないんだ?」
という反骨精神が思わず出てしまいました。
木造にだって、可能性はあるのです。
ボードで覆ってしまうのは、意に反しますが、「燃えしろ計算」をして大断面の木材を使えば、被覆しなくても採用可能です。

夜な夜な、構造計算しておりますが・・どうなるか・・
なにぶん多積雪地域なもので、計算が複雑なのです。

(私は伝統構法やったり、構造計算したりと・・いったい何者?)

昔は、この本町通りは長岡のメインストリートで、城下のもっとも栄えた場所でもあります。妻入りの問屋が軒を並べていた由緒ある地域です。
今では、郊外型の大型店舗に圧されて、建物がポツポツとあるくらいですが、その伝統を引き継ぐような木造のデザインにしたいところです。

    
      人気のある古民家風の客室
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