sunnylakeのポエムガーデン

自作詩を書いています。
心の風景画が届きますように。

2023.8.15

2023-08-15 16:11:18 | 日記
父が亡くなる前日に、高齢者住宅に住む父に会いに行っていました。
施設に入った時は元気だったのに、急に具合が変わってきて、少し歩くと、呼吸が荒くなってしんどそうだった89歳の父。
その日は、私が話しかけても、椅子に座ったまますぐにうとうとしていました。
こんなことは初めてだったので、私は、父がこのまま亡くなるのではないかと思い、「じいちゃん、死なんとってな」と、3,4回言ったと思います。
最後にそう言った時、父は「それは分からん」と言いました。
私はなんだかたまらない気持ちになって、思わず涙ぐみながら「まだまだ相談にのってほしいから」と言うと、「いつでも相談してくれたらいい」と私の顔を見ずに父が小さな声で言いました。
そして、私が帰ろうと思った5分くらい前に、突然「服、着替えてみるか」と言いました。
右腕を骨折していて着替えが不自由だったので、私がパジャマから父が決めた服に着替えさせてあげました。その服は今、私の手元にあります。
そしていつものように帰る前に写真を撮ったら、どんな感じに撮れているか訊くので、スマホの写真を見せました。
帰る直前、私はなんとなく「笑顔見せとこうかな」と言って、マスクをとってにこっと笑うと、父がにっこり笑いました。
施設に入って3週間、私が初めて見る父の笑顔でした。

帰る時、背中を見せて座っている父に、玄関からいつもより多く3回ほど「バイバイ」と私が言ったら、父も私が言うたびに「バイバイ」と後ろ向きのまま言ってくれました。

そして、翌朝、突然父は息をひきとりました。たぶん心臓が弱っていたのだと思います。
スタッフの方たちに見送られて、父も寂しくなかったと思います。
私は父と過ごした前日の思い出があったから、本当に後悔せずに父の死を受け入れることができました。
今は父が我が家にいるような気がして、それほど寂しくはありません。

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