2年ぶりに「タカ渡り」ポイントである長野県/白樺峠へ行ってきました。
午前5時現地到着。
現地の天気ですが、昨日まで連日の雨模様も今日は晴天。
しかしタカが飛んでくる方向(北陸方面や東北方面)が雨模様なのが気になります。
標高は約1600mあり、朝夕の気温は低めです。この日は10℃以上ありましたが、5℃くらいまで下がる日もあるため、防寒着は必須です。
2時間もすればもう座る場所がないほどのギャラリーです。(後方で、各自椅子持参で観察されています。)
この日はハチクマ第1号が8:23に渡っていきました。
運が良ければ、朝一番に近隣で夜を明かしたと思われるタカがすぐ目の前で舞い上がり、「タカ柱」となる瞬間を見ることができます。この光景は圧巻です!
今年は9/15にサシバが3100羽以上、この日までに約6000羽が既に渡っていました。
(例年のサシバ総数 : 8500~9000羽)
やはりタカが渡ってくる方向の悪天候のせいでしょうか、この日のタカの数は少なかったです。以前は100~200羽単位の「タカ柱」が 10数回見ることができたことを覚えています。
広場には、奈川村と信州ワシタカ渡り研究グループの方々が建てた小屋が3軒、簡易トイレもあり、トラブルにならない様に管理してくれています。小屋の中には、タカの飛来数を表したグラフやガイドが貼ってあり、この資料はとても参考になります。
■この日の結果
サシバ : 282羽、ハチクマ : 361、総計738羽
※白樺峠のタカ渡り 2015年度速報
タカ以外にも周囲で色々な野鳥が見られます。
コサメビタキ、エゾビタキ、キビタキなど小鳥類、ホシガラスも見ることができます。
この日は、ルリビタキ、メボソムシクイの声も聞かれ、翌日にはイスカの群れが通過したそうです。
今回、大阪からも友人が来ており、また神奈川支部の方数名にも現地でお会いすることができました。楽しかったです。ありがとうございました。
■研究グループの方と話した内容
①サシバ/ハチクマの渡りルートについて
・ハチクマは春ルートと秋ルートが違う
・サシバの秋のルートは南西諸島へ南下するが、春は南西諸島を北上するものと、大陸ルートと2種類ある。これも気候や風向きで最適ルート(安全)を考慮して選択しているものと考えられる。
②白樺峠の場所について
北アルプスを越えられないタカは迂回ルートをとります。その端が白樺峠で新潟・山形・長野北部方面のタカが集結するポイントである。
③白樺峠のタカの行き先は?
白樺峠を通過したタカは伊良湖方面には行かない。伊良湖方面を渡るタカは幼鳥が多く50%が幼鳥。しかし、成鳥になると最短ルートで飛ぶため白樺峠(内陸)を渡ると考えられる。
■過去のBlog(参考)
2010.09.19 白樺峠
2010.12.4 タカの渡り全国集会
2012.09.22 白樺峠
[周辺で観察できた鳥]
サシバ、ハチクマ、ハイタカ、ツミ、ノスリ、オオタカ、トビ、アマツバメ、ハリオアマツバメ、イワツバメ、コガラ、ヒガラ、コガラ、ゴジュウカラ、アカゲラ、コゲラ、カケス、ウグイス、キクイタダキ、メジロ、ルリビタキ(声)、メボソムシクイ(声)そして・・・ホシガラス