『外来種問題を考えるシンポジウム』の聴講に行ってきました。
基調講演には、TVなどでおなじみの国立環境研究所の五箇公一氏の講演もあり会場は満員でした。
上記は、「侵略的外来種」の一例です。
まず今回のシンポジウムでは、「侵略的外来種」という単語を知りました。
「外来種」とは人間の手によって本来の生息地から違う土地へ移動させられた生物種
それに対して、「侵略的外来種」とは外来種のうち移動先の新天地において定着・繁殖に成功した生物種のことを指します。
■原因
では「侵略的外来種」が国内に持ち込まれた原因とは・・・
①WTO緩和による、趣味嗜好のため生物輸入増加(一部、食用などで輸入)
②グローバリゼーション
■課題
①上記にあるオオグチバス、アライグマ、アルゼンチンアリ、沖縄のマングース、
北海道のセイヨウオオマルハナバチ等々、従来生物の衰退・絶滅の危機にある。
②目に見えない外来種の問題
カエルツボカビの問題、新興感染症ウィルス(HIV、SARS、エボラ出血熱)など
最近よく耳にするアライグマですが、特に「狂犬病」が怖いそうです。
(人に感染するとほぼ100%死亡します。)現在、日本では狂犬病は発生していませんが、
世界で見ると、発生していない国が稀で、インドなどでは毎年2万人以上死亡しています。
(厚生省の狂犬病についてHP)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html
(WWFジャパン/外来生物問題)
https://www.wwf.or.jp/activities/wildlife/cat1016/cat1100/
■防除事例
・化学的防除手法 : 特定種のみに効果のある化学物質で防除
セイヨウオオマルハナバチ や アルゼンチンアリ はこれで
撃滅に成功しています。
・生物学的特性を利用した捕獲、繁殖抑制など
しかしながら上記の手法も、全国的に拡散してしまえば効果が出にくいとのことです。
■今後の対策
では我々では何ができるのか、オーストラリアの「ヒアリ」対策に2,000億円の費用をかけ防除しているのに対し、日本では環境省など予算3億円強で、これら深刻な問題に対応しているのが現実だそうです。
出来る限り多くの方に関心を持っていただき、地方自治体や国を動かすのが一番の近道だそうです。 五箇さんがTVなどへ出演る理由は、この実情を一般の方々に問題提起をするためだそうです。
生態系のバランスが崩れ、悪影響が生じ、ひいては我々人間への影響がはかりりしれない・・・という日が来なようにもっと関心を持ちたいと思います。