現在まだ途中ですが、この本を読んで思った事を少し。
法隆寺は1300年前に建てられた、現存する世界最古の木造建築。
1300年もの間残ったのはなぜかということを西岡棟梁がせつせつと語るのです。
一大国家事業であり、韓半島からやってきた優秀な匠が腕をふるったわけですから、その辺に建っている民家とはわけが違うとしても、すごいことです。
この本、建築の知識が多少ないと読んでもわかりにくいかも知れません。
私はたまたま、この前、韓国の建築の本を延々と読み、それが一般人に伝える事を目的とした本だったので、少し基礎知識が頭に入っていました。
もう韓国の本に書いてあったのと同じ事を西岡さんはしゃべるんでよ。
専門用語もほとんど同じなんですが、少し気になったのは、西岡棟梁は柱の太さが中程で少し太くなり上で細くなっていることを”エンタシス”と語っていること。韓国の本ではミンフルリムという名称で、これに相当する日本語がなかったので気になっていました。やっぱり日本語はなかったんだ。
さて、彼の語りの中で、昨今の経済優先の考え方は結局経済的ではないということが繰り返されます。というのも、数百年かかって育った木で造った建築物なら、数百年もつものにしないと結局は不経済だろう! それを目先の経済だけ考えていい加減に造るから数十年でダメにしてしまって、目先の1・2年を考えたら経済的でも結局は不経済になってしまうという理屈です。
ほんとにそうですよね。
まさにその結果が森林破壊であり、砂漠化につながったのです。
衣類にしても昔の人は、まず衣服として着て、古くなったら布団にして、とリサイクルするのがあたりまえだった。
布団の綿もうちなおしをして何十年、場合によっては100年以上も使った。
それを今の人たちは何をしているのか? ユニクロで安いからといってバンバン買い、すぐによれよれになるから捨てる。
布団も安いのを買って、打ち直しなんかしない。きっと側の布が傷んだら捨てているのだろう。
そうそう、鉄筋コンクリートの建物もせいぜい持って100年です。
鉄をコンクリートの中に閉じ込めるという構造は、そういうものです。
これが1000年持つようにできたらそれこそノーベル賞ものです。
鉄というのは錆びるもの。コンクリートというのは水を吐き出したり吸ったりしながらもろくなっていく物。その組み合わせが鉄筋コンクリートですから。
個々のビルディングは壊して建替えれるけど、高速道路なんかはこれからどうするんでしょうね。
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