南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
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70年代熊本生まれ、大分育ち、宮崎経由、鹿児島出身です。
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『白玉屋新三郎』と轟水源
グルメ
/
2010年09月19日
9月も後半に入ったが、熊本もまだまだ暑い日が続いている。こんな時は無性にかき氷が食べたくなったりするものだ。
熊本市の鶴屋百貨店で8月に開催された特別催事「くまもとの観光と特産品まつり」で、『白玉屋新三郎』というお店がかき氷を出店していた。かき氷にしては値段は少々張ったが、きな粉と黒蜜が絶妙で、これがまたとてもおいしかった。
ふと、その味を思い出して、また食べたくなったので、今回、その『白玉屋新三郎』本店へ行ってみることにした。
本店の場所は八代郡氷川町。熊本の人には竜北町と言った方がピンと来るかも知れない(2005年に竜北町と宮原町が合併して氷川町となった)。
知人の話によれば、『白玉屋新三郎』は県内ではかなり有名なお店で、熊本市から30分以上掛けてわざわざ食べに行く人も多いという。なるほど。
(カーナビなど持っていないので)道路地図で予め場所の予習をしていたのだが、少し町外れの細い道に面していたため、ちょっと道に迷ってしまった。また、住所は確かに氷川町だが、宇城市小川町とは川向い(砂川という二級河川)、わずか10数メートルしか離れていない、つまり町境にあり、これまた迷う原因だった。
なるほど、川のほとりに佇む店構えは、いかにも老舗の感じを漂わせている。
『白玉屋新三郎』は江戸時代初期、ちょうど天草四郎の乱があった頃に創業(当時の屋号は『吉野家』)。創業者は、乱の鎮圧のために遠く遠州(今の静岡県西部)から派遣された牛嶋某というお武家様らしい。しかし、武力で民衆を圧迫するやり方に嫌気が指し、武士を辞め、米処であったここ肥後国吉野郷で白玉を作り商売を始めたのがきっかけだという。
以来約360年、この小さな町でずっと白玉専門店として営んできたのだという。なかなかすごい歴史だ。
このお店に、このような歴史やいわれがあるのを全く知らず、単においしい「かき氷屋」さんだと思っていた私に、ここで食事する権利はないかも知れないが、きっかけというか切り込み口が違っていても、いいお店を知ることができたのはとても嬉しかった。
鶴屋百貨店では、「南風」(きな粉と黒蜜のかき氷)しか食べなかったので、今回は「緑風」(抹茶味のかき氷)も食べてみた。
どちらもおいしいが、自分の好み的には「南風」だろうか。かき氷のどの部分を食べても、黒蜜の甘い味がし、最後の一匙までとてもおいしくいただける。
かき氷に白玉3つとお茶がついて882円は、熊本の田舎にしてはちょっと高いかなという気はするかな。
でも、メインの白玉を使った商品はリーズナブルなメニューも多い。
お土産というか、自宅用に白玉の商品を数点購入した。帰ってからがまた楽しみだ。
ちなみに現在は本店の他には福岡市内に2店舗構えているそうだが、来春には熊本城(桜馬場にオープンする観光施設「城彩苑(じょうさいえん)」)にも出店するらしい。楽しみです。
でも、本店で食べるからおいしいというのもあるんだろうけどね…。
お店からの帰りに、宇土市にある轟水源(とどろきすいげん)に寄ることにした。熊本市から近い水汲みスポットとして、前々から行きたいと思っていた場所だ、
この轟水源からは、江戸時代初期、宇土藩(肥後細川藩の支藩)初代当主の細川行孝公が築いた上水道があり、今もなお近隣の市街地を潤しているそうだ。300年以上も前に作られた日本最古の上水道らしい。
辺りは住宅地だが、水源は木々に囲まれ、ヒンヤリとしており、空気もおいしい。水も冷たくて気持ちいい。
ジョギングしていたおじさんも喉の渇きを癒していた。ちょっと羨ましい…。
持参した3本のペットボトルに注ぎ込む。これで数日間はおいしい水が飲めそうだ。
【写真1】『白玉屋新三郎』本店
【写真2】店の横を流れる砂川。川向こう(左手)は宇城市小川町。ひなびた感じの町並みがいい
【写真3】轟水源
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