南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 テレビでたまたま「アンビリバボー」を見ていたら、とても興味のある話題があった。
 戦前にカナダへ移住した日系人たちによる野球チームの話だ。

 当時の日本政府の政策による海外開拓移民先はブラジルが有名だが、カナダへ移民した人たちもいるのだという。
 他国へ移民した日系人たちと同様、カナダへの移民たちも苦労を重ね、何とか生活がままなるようになると、今度は仕事を奪われたと危機感を抱いたカナダ人たちから差別を受けるようになる。
 ある時、カナダ人たちの襲撃を受けた日系人は、武力で応戦し、日系人とカナダ人との関係は憎しみが憎しみを生む泥沼のような状態になっていた。

 当時カナダでは野球が大流行していた。しかし、日本人は参加していなかった。
 ある時、カナダ人から「野球もろくにできないジャップのくせに」という捨てぜりふを言われたのを聞き、「じゃあカナダ人を見返してやろう」と日系人による野球チームをつくることになる。
 こうして日系人による野球チーム『バンクーバー朝日軍』が誕生する。

 体格ではカナダ人には到底及ばないことから、バントなどの小技やチームプレーなどを磨き、いわゆる「スモールベースボール」で戦うことになる。
 個々のプレーで戦うカナダチームは、日系人たちのチームプレーの前にだんだんと手こずり、朝日軍は快進撃を続ける。

 しかし、それに腹を立てたカナダ人たちは、あからさまなラフプレーをしたり、また審判たちもカナダ人チーム贔屓の判定ばかりをするようになり、朝日軍は連戦連敗、しかも大差で敗北するようになり、朝日軍は最下位が指定席になってしまう。
 また、いつしか、カナダ人チームが日系人チームをコテンパンに打ち負かすので、気分爽快感が味わえるとお客がたくさん入る「ドル箱試合」となっていた。

 朝日軍の親戚や日系人たちは、「こんなのは野球じゃない。抗議すべきだ」と迫るが、監督はそれを拒否。
 ラフプレーを受けても、理不尽な判定を受けても、抗議は一切せずにあくまでフェアプレーを続ける。

 そして、ある試合で、朝日軍が勝ちそうになったとき、審判の理不尽な判定で朝日軍は負けてしまう。
 その時、客席から数人が飛び出し、あまりのひどい判定に審判に掴みかかり抗議をする人達がいた。
 朝日軍の監督は「今までずっと我慢していたのに、せっかく非暴力を貫いていたのに、これじゃ台無しだ…」と愕然とする。しかし、よく見ると、審判に掴みかかって抗議をしていたのはカナダ人の客だったのだ。

 日系人のフェアプレー精神がカナダ人の心を動かした瞬間だった。
 その後、朝日軍は日系人だけでなく、カナダ人からも応援されるチームとなる。

 しかし、第二次世界大戦が勃発すると、日系人は収容所などに入れられ、朝日軍の歴史は幕を閉じる。 

 それから半世紀後、朝日軍はカナダ球界で殿堂入りを果たす。式典には当時のメンバー5人が招待されたという。


 こんなチームがあっただなんて知らなかった。心が温かくなる話だった。
 日本に住んでいる日本人よりも、かえって古きよき日本人の魂が流れているような気がする。



 このエピソードを聞くと、昨年流行語大賞を取った「倍返しだ!」のドラマとかって、何とも幼稚なモノだろうか。レベルが違いすぎる。
 やられたらやり返す? まるで、戦争賛辞のようにしか思えないね。

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■今日の行動
 仕事

■今日の買い物
 ゆめタウンはません

■今日の献立
 朝:なし
 昼:カレーライス弁当
 夕:手巻き寿司

■今日の歩数
 5688歩

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