2021年真夏の大掃除を記事にする前に。2月下旬に練馬区立美術館に「香月泰男展」を見に行ってきました。
駅までの道すがら、梅の香りがしてきてようやく春の気配が感じられるようになってきました。

練馬区立美術館に到着~。

去年の秋から巡回していたのだけれども、だんだんと日が短くなって寒くなる時期に「シベリアシリーズ」は無理!と思い、春先の練馬まで待っていた展覧会です。待った甲斐がありました。お気に入りの美術館で静かに作品と向き合う…とてもとても心が揺さぶられた時間を持つことができました。
いつもなら、画像をつけるのだけれども…今回はためらいがあります。あの黒の奥行は実際に見ないとわからないような気がするのよね。心奪われたお作品をいくつか。気になるものがあったら画像検索してみてくださいね。
「門・石垣」色彩と構成のすばらしさ。
「鷹」壁と外の空間、黒と金の対比にやられる。黒の圧迫感と絶望、壁の外の広がり、鷹の力強さ。
「埋葬」あれは…まさに死んだ人の手。何度も死を目の当たりにした人にしか描けないリアルな手。
「海<ペーチカ>冬」「星<有刺鉄線>夏」極限状況にあっても美しく自然は輝く。
「絵具箱」絵具箱を枕にコートにくるまりながら復員船を待つ。手で覆われた顔の奥にあるのは希望か不安か。画家の矜持に涙出る。実際の絵具箱も展示されていて感慨深いものがあります。
「北へ西へ」「1945」「点呼」「涅槃」「朕」などシベリアシリーズの中核をなす作品群はもちろん凄いのだけれども、圧倒されちゃって、ただただ絵の前で佇むのみ。
「蓮華」展覧会の最後がこの可憐な蓮の蕾の小さな油絵で何だかちょっと救われた心持になります。この絵の額には四隅に楚々とした装飾が入っているのも印象的でした。
香月泰男の壮絶な抑留体験が産み出した絵画たちですが、不思議なほど寡黙で静かなんですよ。余計なプロパガンダがないっていうか、冷静なドキュメンタリー作品をみているような心地がする。それだけに凄みと説得力があります。
おりしも、ロシアのウクライナ侵攻が報道される毎日。香月泰男にこのような作品を描かせたロシアって日本のお隣なのですよ。遠いヨーロッパの話のように思えますが、私たちももっと戦争や平和について考えるべきなのじゃないかしら。もう「黒い屍体も赤い屍体も出してはならない」のです。戦争ヨクナイ!です。いつでも戦争は権力者が命令し、死ぬのは若者や子供なのです。そういう事態は止めなければ。じゃあ、自分にできることって何かって考えると…今の日本ではお金しかないのかなぁ?まずは募金か~。
美術館に行った日、たまたま大量中学生が校外学習で美術展を見学をしていました。レポートがあるせいでしょう、絵の前で解説文を鑑賞ボードに写していて…ちょっと邪魔。絵を見ろっちゅうの
。彼らが帰るまでご近所カフェでお茶をする。

美術館の前の公園で鬼ごっこをしているほうがまだまだ楽しげなお年頃。でも彼らのうち何人かだけでもいいから、この作品に込められた意味が心に引っかかってくれたらいいな。平和を祈りつつ。
駅までの道すがら、梅の香りがしてきてようやく春の気配が感じられるようになってきました。


練馬区立美術館に到着~。


去年の秋から巡回していたのだけれども、だんだんと日が短くなって寒くなる時期に「シベリアシリーズ」は無理!と思い、春先の練馬まで待っていた展覧会です。待った甲斐がありました。お気に入りの美術館で静かに作品と向き合う…とてもとても心が揺さぶられた時間を持つことができました。
いつもなら、画像をつけるのだけれども…今回はためらいがあります。あの黒の奥行は実際に見ないとわからないような気がするのよね。心奪われたお作品をいくつか。気になるものがあったら画像検索してみてくださいね。
「門・石垣」色彩と構成のすばらしさ。
「鷹」壁と外の空間、黒と金の対比にやられる。黒の圧迫感と絶望、壁の外の広がり、鷹の力強さ。
「埋葬」あれは…まさに死んだ人の手。何度も死を目の当たりにした人にしか描けないリアルな手。
「海<ペーチカ>冬」「星<有刺鉄線>夏」極限状況にあっても美しく自然は輝く。
「絵具箱」絵具箱を枕にコートにくるまりながら復員船を待つ。手で覆われた顔の奥にあるのは希望か不安か。画家の矜持に涙出る。実際の絵具箱も展示されていて感慨深いものがあります。
「北へ西へ」「1945」「点呼」「涅槃」「朕」などシベリアシリーズの中核をなす作品群はもちろん凄いのだけれども、圧倒されちゃって、ただただ絵の前で佇むのみ。
「蓮華」展覧会の最後がこの可憐な蓮の蕾の小さな油絵で何だかちょっと救われた心持になります。この絵の額には四隅に楚々とした装飾が入っているのも印象的でした。
香月泰男の壮絶な抑留体験が産み出した絵画たちですが、不思議なほど寡黙で静かなんですよ。余計なプロパガンダがないっていうか、冷静なドキュメンタリー作品をみているような心地がする。それだけに凄みと説得力があります。
おりしも、ロシアのウクライナ侵攻が報道される毎日。香月泰男にこのような作品を描かせたロシアって日本のお隣なのですよ。遠いヨーロッパの話のように思えますが、私たちももっと戦争や平和について考えるべきなのじゃないかしら。もう「黒い屍体も赤い屍体も出してはならない」のです。戦争ヨクナイ!です。いつでも戦争は権力者が命令し、死ぬのは若者や子供なのです。そういう事態は止めなければ。じゃあ、自分にできることって何かって考えると…今の日本ではお金しかないのかなぁ?まずは募金か~。
美術館に行った日、たまたま大量中学生が校外学習で美術展を見学をしていました。レポートがあるせいでしょう、絵の前で解説文を鑑賞ボードに写していて…ちょっと邪魔。絵を見ろっちゅうの



美術館の前の公園で鬼ごっこをしているほうがまだまだ楽しげなお年頃。でも彼らのうち何人かだけでもいいから、この作品に込められた意味が心に引っかかってくれたらいいな。平和を祈りつつ。