息長い支援態勢大切 乙訓の2開業医が震災救護活動

2011-04-19 13:20:18 | 災 disaster
東日本大震災を受け、乙訓地域からも府医師会による救護派遣隊の一員として、開業医2人が被災地の支援に赴いた。避難生活の長期化を見据え、「息の長い支援や態勢の構築が大切」と強調する。

 京都府向日市上植野町で診療所を経営する鈴木博雄医師(52)は第1陣で仙台市と名取市(宮城県)へ向かい、3月15、16日に遺体の検視を担った。津波で自宅から遠く離れて見つかった犠牲者が多く、身元の確認につながる特徴を丁寧に探した。

 同行した医師4人のうち開業医は鈴木さんだけで、診療所を3日間休診して参加した。「自分が被害に遭った気持ちで現地に向かった」と話す。

 地震から1カ月余りがたち、「避難生活が長引く中、被災者の体調管理こそ開業医が貢献できる支援」と話すが、長期の休診は難しい。「普段の患者をほかの診療所で見てもらえるよう地域で連携できれば、支援に出掛けやすくなる」と指摘する。

 大山崎町円明寺で開業する梅山信医師(45)は第4陣で3月25~27日に福島県いわき市の避難所を巡り、風邪や胃腸炎、高血圧を患う被災者を診察した。福島第1原発から50キロ圏内で記者やボランティアの姿はなかった。「現地の放射線は裸で3日間グラウンドにいても胸部のエックス線撮影の1枚分でしかない量。地元以外の人がいないのは風評の影響だろう」とみる。

 年配の被災者は「原発のおかげで息子も孫も仕事を得て地元にいてくれる。でもこんなに恐ろしいものとは思わなかった」と語り、住民の抱えるジレンマを感じたという。

 被災地の医療ニーズは刻々と変わる。梅山医師は「私たちに大切なのは、月日がたっても被災者の苦悩を忘れないこと。生活再建の基礎となる義援金も一層必要になってくる」と話す。

【 2011年04月19日 11時11分 】


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