コケ観察って面白い 京都のグループ、ボトルで育成も

2018-04-29 11:23:18 | 木 plants

 乙訓地域で環境保護に取り組む「乙訓の自然を守る会」が、新たなグループ活動で、西山の一帯に自生するコケの観察会や勉強会を重ねている。多種多 様な姿を楽しみながら、自然環境の豊かさをはかる指標として、生息状況を継続調査する構想だ。昨秋開いた写真や生体標本の展示会が好評で、5月3~6日、 京都市下京区の梅小路公園「緑の館」に特別出展する。

 4月中旬。朝方まで雨が続いた長岡京市奥海印寺の西山で、同会のメンバー7人が山肌に視線を注いだ。

  胞子を放出して茶色く変色したコスギゴケにルーペを当て、図鑑で構造を確認。すぐそばで、淡い緑のノコギリコオイゴケが見つかった。「葉がギザギザ!」と 驚きの声。市内から参加した桜井有子さん(73)は「種類が多く、奥深い」と、陽光をはじいてきらめくコケに見入った。

 同会は昨年8月、コケに詳しい会員を中心に「コケグループ」を結成。西山での観察会や、コケの種類や生態を学ぶ勉強会を開いたり、透明ボトルの中でコケを育てる「コケテラリウム」を作ったりと活動を続けてきた。

  西山では、渓流沿いで高湿度の割に風が吹き抜けるなど良好な生息環境があり、数百メートルの間に希少種を含む50種程度が密生する場所が何カ所もあるとい う。グループのリーダー下村満誉さん(65)=高槻市=は「川も谷も平らな場所も多様な地形がそろう西山にはコケ観察の面白さが詰まっている」と語る。

 活動を通じて新たな仲間を増やし、コケの観察にたけた人材の育成を目指す。コケの生息情報を集め、自然環境の変遷を追うための定期的な調査活動に結びつけたいという。

 特別出展するのは、京都市都市緑化協会が主催する「春の和の花展」。昨年11月に長岡京市で開いたコケの展示会がきっかけで、依頼が舞い込んだ。

 「京都西山のコケ」と題し、西山一帯で観察できる約50種類のコケの大型写真と、生体標本約100点の他、成育環境を表した大型模型を並べる。コケテラリウムを作る教室(要予約。材料費3千円)も開く。コケの展示のみの入場は無料。

【 2018年04月28日 22時53分 】



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