「モリアオガエル」今年も産卵 森再生、成功の証し

2011-05-25 12:52:56 | 木 plants
木の上で暮らし、“森の忍者”と言われる「モリアオガエル」の産卵が、吹田市の万博記念公園内の水草の池などで始まった。繊細な自然環境が保たれていなければ生きることができないモリアオガエル。“祖先”は23年前に地元の中学生たちが放流したカエルで、同公園は「自然の森をつくることを指標にしていたが、うまく機能している」と手応えを感じている。
池の上にせり出した枝に産み付けられた「モリアオガエル」の卵の塊

 モリアオガエルはアオガエル科に属し、体長は5~9センチ。主に木の上で生活し、昆虫類やクモ類を捕食する。住環境の他に食環境もそろわないと生存できず生息域が減り、大阪府のレッドデータブックで「準絶滅危惧種」に指定されている。府内では万博公園と、高槻市や箕面市など北摂山系で確認されるのみという。

 同公園では、1988年に近隣の摂陵中学校(当時)の生物クラブが校内でモリアオガエルの卵を孵化(ふか)させ、成体まで飼育した約250匹を園内の川に放流した。その後の放流はなく、昨年確認された約200匹の“祖先”とされている。

 卵は雨の日に池にせり出した枝に産み付けられる。卵塊はクリーム色のメレンゲのような泡状で夏みかんほどの大きさ。泡の中でオタマジャクシとなり、数日後には水面にしずくのように落ちていく。

 同公園には、オオタカも飛来し、「生き物たちにとってすみやすい環境ができてきている」と公園。“人類の進歩と調和”をテーマに華々しく開催された大阪万博の夢の跡は、調和の道を着実に歩んでいるようだ。

モリアオガエル (科学のアルバム)
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あかね書房


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