円盤形の銅塊全6枚を展示 大山崎町で特別展

2011-05-25 12:37:54 | 歴 history
奈良時代の高僧・行基(668~749年)が建てた京都府大山崎町の「山崎院」の跡地で見つかり、奈良・東大寺の大仏鋳造用だった可能性が高まった銅塊の特別展示が24日、同町大山崎の町歴史資料館で始まった。円盤形の6枚が並び、出土場所を示す地図や解説資料も掲示している。

 銅塊は1989年、大山崎ふるさとセンター建設に伴う発掘調査で出土した。以前から2枚を常設展示していたが、考古学的価値が不明だったため、説明書きは「山崎院跡から出土した」という内容にとどまっていた。

 昨年、奈良文化財研究所による成分分析の結果、東大寺の大仏鋳造に使われた山口県の長登(ながのぼり)銅山跡の銅と組成が酷似することが分かったため、町教委は説明を一新して全6枚を展示することにした。

 「大仏造立に貢献した行基への褒賞として完成後に余った銅の一部が山崎院に下賜されたのでは」「銅を採掘して大仏を鋳造するまでの中間製品だった可能性が高い」という、発掘を担当した職員の見方を載せた新聞記事も紹介。併せて山崎院跡の場所を示す地図も掲げている。

 千葉市から妻と訪れた板倉末広さん(63)は「どうやって円い銅塊が作られたんでしょうね」と話し、興味深そうに眺めた。6月26日まで。銅塊の調査に至る経緯や成分分析の詳細について、工芸作家や研究者ら5人が寄稿した解説冊子も販売している。税込500円。入場料は200円(中学生以下は無料)。問い合わせは同歴史資料館TEL075(952)6288。

【 2011年05月25日 11時45分 】

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