手描き更紗作家として長岡京市を拠点に活躍した故青木寿恵さん(1926~2010年)の作品群から、着物やタペストリーの全面に更紗の模様が広がる「総柄」作品に焦点を当てた展示会が15日、京都府向日市寺戸町の寿恵更紗ミュージアムで始まる。
化学染料による型染めが主流とされるインド発祥の染文様「更紗」にあって青木さんは生前、草木染と手描きにこだわり、長岡京市の自宅で制作を続けながら、世界的な評価を受けていた。
今回の展示会は、年2回の定期展に当たり、青木さんが欧州各国に招かれて個展を開いた際などに着用した着物を初公開。藍色が基調の生地全体に花や唐草、手まりなどの模様が描かれた作品で、同ミュージアム学芸員で青木さんの孫の青木雅徳さん(34)=名古屋市南区=は「野に咲く草木に目をこらす、作者の温厚で優しい人となりが伝われば」と話す。
他にも、海外への制作旅行中にステンドグラスの色模様に着想を得、現地の草花の文様を組み合わせたタペストリーなど約40点を展示する。
11月24日まで。入場500円(高校生以下無料)。同ミュージアムTEL(934)6395。
【 2016年10月14日 16時00分 】
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