歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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いのち一つ

2014-11-09 10:27:39 | 日常
先月半ば、愛猫が、亡くなりました。



お寺で荼毘に付された朝、鉢の桔梗が、返り咲きのつぼみをつけまして、いまにも、ひらきそうです。

決して、残念な亡くなり方でなかったです。
少しずつ、兆しはあって、衰えを感じていました。
15歳でした。
にんげんでいう、ほぼ80歳。

主治医に相談し、設備のととのった病院へ、救急搬送しました。
それから、奇跡としか思われぬことが重なり、家の人も、仕事を投げ出したりせずに、死に目に、駆けつけることができました。
わたしはもう、はらを括っていましたから、できるだけ、落ち着いた、やさしい声をかけました。
それから、医師の、蘇生のマッサージを気持ちよさそうに受けながら、亡くなりました。
看取ってくださった救急の獣医師さんは、「いままで動物の死に目を数多く見てきましたが、この子は、ずっと幸せです」と、おっしゃいました。

荼毘に付す前、家の人の提案で、右前肢にわたしの髪を、結びました。

いまは、主治医の先生が、わたしたちへ、はがきでくださった慰めの言葉にも、喜んでいるでしょう。

この子の四十九日が、わたしを可愛がってくれた、辰巳方の祖父の命日と重なりますので、それまで、よくよく毎日、思い出してやりたいとおもっています。

15年前、近所の人から、捨て猫のいのち一つ、保護を頼まれました。

まっとうさせてくれて、ありがとう。
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