みなさん、こんにちは
今回は水に関する伝説を紹介しましょう
旧上伊加利のバス停近くに神代からの古泉と伝えられている
井戸があるのをご存知ですか?
庄頭ヶ鼻(しょうずがはな)の霊泉とか御手洗(みたらい)
などと呼ばれていて、天忍骨尊(あめのおしほねのみこと)の降臨に
関係があったといわれています。
湧き出る水も良質で、毎年、正月になると若水汲みに
ここの井戸を使っていたそうです。
この井戸の水が清く澄んでいるときは、雨が降っていても必ず晴れ、
逆に水が茶褐色に濁ったときには必ず雨が降ったといいます。
水が澄んでいるか濁っているかによって天候を占い、
水かさの増減によって潮の干満を知ることができたのです。
井戸の底をさらえると貝殻が出てくるとも伝えられています。
また、ここの井戸水が牛馬の病に効能があるということで、
あちらこちらから水を汲みに来る人が多かったともいわれています。
水庄頭ヶ鼻の霊泉(古代霊泉の碑)
ここには一人の村人が家から見た何とも不思議な話が残っています。
ある夜のこと、牛の格好をした影が時々立ち止まっては
周りを見回しながらゆっくりと歩いていました
それがこの井戸のところにくると歩くのをやめ、もう一度
周辺を見まわして水をゴクゴク飲み始めたのです。
そして水を飲み終わると、牛の影はどこへともなく立ち去ってしまいました。
そして、その光景を目にした村人は、その夜から急に原因不明の
熱病にかかったということです
しかも、ちょうどその頃から村に疫病が流行し始めたそうです
こういう不思議なことが続いたため、これはきっと霊魂様が
牛に変身して、毎晩、水を飲みにきているのではないかという
噂が村中に広まっていきました。
心を痛めた村人たちが集まって占いをたててみると、
これは霊魂様のたたりであるということになりました
そこで社を建て、村が続くかぎり祀りごとを行うので、
村人にたたらないようにと疫病退散(えきびょうたいさん)
・病気平癒(びょうきへいゆ)の祈願をしたところ、
これ以後、疫病は治まり平和な村に戻ったということです