田川市石炭・歴史博物館のブログ

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水飲み龍の伝説 ~一年のご愛顧ありがとうございました~

2020年12月27日 | 日記

もういくつ寝ると~お正月♪ 

みなさん、こんにちは

今年はコロナ、コロナの一年でした。
来年こそは令和に相応しい、『人々が美しく心を寄せ合う中で
文化が生まれ育つ』年であってほしいものです

さて、今年のブログは伊田の徳勝寺(とくしょうじ)に関する伝説で
納めたいと思います

徳勝寺の本堂向拝(ごはい)の軒先には、「水飲み龍」としての
伝説をもっている龍の彫り物がありました
(現在、本堂は台風の被害によって取り壊されており見学不可能)
この龍は名工として名高い竹田の番匠(ばんしょう)の作と伝えられていました。

ありし日の徳勝寺本堂


その昔、伊田周辺では夜になるとザアーと滝の流れるような音や
強風が吹き荒れているような音が聞こえたそうです。
村人たちは毎夜のことなので放っておけなくなり有志たちが
音の正体を確かめるために境内で見張ることにしました。

すると、夜が更けていつも音が聞こえだす時刻になると、
どこからともなく一陣の風とともに村人の前に恐ろしい龍が
その姿を現したのです
そして、その龍は清水ヶ池(場所不明)まで降りて行って、
池の水を長い舌で飲み始めました
滝や風の音に聞こえていたのは、龍がこの水を飲んでいる音だったのです。
その恐怖に村人の誰一人として口を開く者はいませんでした。
そして、有効な対処方法もなく月日は過ぎていきました。

水飲み龍の彫り物

龍はというと毎日夜になると姿を現し、清水ヶ池で水を飲んでいました。
ちょうどこの頃、徳勝寺が上伊田から移転してきたので、
村人たちは相談をして徳勝寺にお祀りしてもらったらということになって、
龍の彫り物を本堂に掲げました。
すると不思議なことに龍が水を飲みに出てくることがなくなったそうです。
「龍」にまつわるというところに、水に対する信仰がうかがえる伝説です

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さて、当博物館の年内開館は、令和2年12月27日(日曜日)までとさせていただきます。
年明けは、令和3年1月5日(火曜日)からのスタートです。

それでは、今年1年ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。
皆様方も、よい年をお迎えください。