田川市石炭・歴史博物館のブログ

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戦国のムラ 城井谷

2021年07月08日 | 日記

「山本作兵衛コレクション・ユネスコ「世界の記憶」登録10周年記念事業」の一環である交流キャラバン展は、現在、築上町の旧藏内邸に巡回しています(7月20日まで)。


関連して、田川市石炭・歴史博物館では、築上町の展示コーナーを設けています。展示では、築上町が出生地である藏内家が経営していた炭鉱(藏内鉱業)の写真のほか、築上町の文化財をいくつかご紹介しています。


展示の「戦国のムラ 城井谷」では、戦国時代、城井谷を中心に勢力を誇った宇都宮氏をご紹介しています。建久3(1192)年、源頼朝の平家追討で活躍した宇都宮氏は、豊前国に入部しました。当初は木井馬場(現在のみやこ町)を本拠地としていましたが、のちに「城井谷」伝法寺庄(現在の築上町)に移りました。
降って戦国時代、宇都宮氏は豊臣秀吉の九州島津攻めで活躍するも旧領地を失い、これを不服として、豊臣、黒田氏に対し蜂起しましたが、天正16(1588)年4月20日、当主鎮房は中津城で、嫡男朝房も肥後で謀殺され、400年間続いた豊前・宇都宮氏の歴史は幕を閉じます。


なお、黒田長政が宇都宮鎮房を中津城で謀殺するシーンは、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)にも描かれ、話題となりました。通称「赤壁寺」と呼ばれる合元寺(現在の中津市)の赤壁は、寺にいた鎮房の家臣が殺された際の返り血で寺の壁が真っ赤に染まり、何度塗り替えてもその血痕が染み出ることから、ついに赤く塗りつぶしたことに由来するそうです。


ちなみに、キャラバン展の会場である旧藏内邸の主・藏内家は、もとは宇都宮氏の家臣の生き残りで、江戸時代は地主として栄え、明治時代から筑豊で炭鉱経営などを行って財をなしました。
田川市石炭・歴史博物館の築上町コーナーでは、城井谷や旧藏内邸などを紹介する映像も見ることができますので、ぜひ、ご鑑賞ください。

※展示は7月20日(火)までですが、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、予告なく展示期間を変更する場合があります。

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