東日本大震災で多大な被害が出た岩手県の或る漁協のワカメ漁の話しです。組合員が150人程の漁協だったが震災で海を去った人もいて今は海で働く人は120人程度になった。組合長は何とかワカメ漁を通じて復興を願うが150隻程あった漁船はわずか数10隻程度しか残らなかった。幸い組合には4億円程度の貯えが有ったので組合長は各地を回りワカメ漁に適した船を20隻程調達して何とかワカメ漁が出来る様にしたが。
今までは自分一人とか仲間で漁に出たが船が足りないので組合長は一艘に三人が仲間に成って漁をする、港に帰ったら次のメンバー3人が又その船でワカメ漁に出ることを組合員に説明、しかし組合員は結構職人根性で漁の下手な仲間と舟に乗るのを嫌がったが組合長は漁協は皆で協同して働く事を説得して何とかワカメ漁が始まった。
震災前は40万円程度有った収入が今は船も足りないし仲間も違うので11万円程度の収入に成ってしまった。組合長は一年後には船も増やせるのでもう少し頑張ってくれ、と組合員を説得して廻った。
社会主義と云うか共産主義は皆が一緒に働き儲けを平等に分合う事をモットーとした。しかし人間にはどうしても個人差、能力差が有るので生産能率が違ってくる。平等と云う理想とは裏腹に分け前が同じならそう一生懸命働かなくても良いのではと考え能力の有る人も働かなくなってきた。当然作業効率が悪く競争力を失っていった。
自由主義と云うか資本主義はどうかと云うと能力第一主義の為、能力の有る人はドンドン利益を生むが一生懸命働いても能力が乏しく生産が上がらない人も社会には多くいる。だから格差社会を産む事になった。資本主義社会は資本が有るものが勝つように仕組まれているので何億、何兆と云う富を蓄えた方も居る。その反対に働けど働けど生活は苦しい方もいる。富だけで人間の幸せをはかる事は当然出来ないが平等って何なのか考えさせられる。