これまで電気自動車が普及する大きな壁とされてきたのが、一回の充電で走れる距離の短さと価格の高さ。
これをはじめてクリアしたのがGM。
GMは昨年(2016年)に航続距離が200マイル(320キロ)を超えるシボレーBolt EVを発売した。
同社のHPによると、補助金などを利用すると実質的な価格は3万ドル(330万円:1ドル=110円)となる。
しかし今年1月から7月までの販売台数は約1万台。いまひとつ売れていない。
テスラは戦略的に高級車ブランドを追求。ドアがスポーツカーのように跳ね上がるモデルXなどの生産で、高級車メーカーというイメージをしっかりと確立した。
モデル3の価格は3万3千ドル(360万円)。アメリカで補助金を使うとGMのボルトEVと価格の違いはほとんどなくなるが、同じ価格なら高級車のイメージがあるモデル3の方が断然お得にうつる。
またモデル3は、車線の自動変更までできる自動運転機能のハード、8年10万マイルまでのバッテリー保証などがついておりお得感を盛り上げる。
ここから得られる知見は、これから登場する電気自動車はすべてテスラのモデル3との比較において評価されることになるのではないかということである。
モデル3のお得感-360万円で高級車、200マイルの航続距離、自動運転機能あり-を超えられない電気自動車は今後、市場で成功するのは難しいのではないだろうか。
モデル3を超える電気自動車がいつ登場するか、期待をもって見守りたい。