大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

アメリカの7月の物価は前年比1.73%の上昇: エネルギー上昇するも携帯、中古車が足を引っ張る

2017年08月12日 | 日記

 2017年8月11日(金)、アメリカの7月の消費者物価(CPI-U)が前年比1.73%の上昇と発表された。

 変動の激しいエネルギー・食品を除いたコアCPI-Uは1.69%

 前年比で上昇が目立つのはエネルギーの3.4%(物価を0.25%引き上げ)や医薬品、家賃など。

 反対に前年比で下落が目立つのは中古車の-4.1%(物価を0.08%引き下げ)、携帯通話料の-13.3%(物価を0.20%引き下げ)など。

 前にも書いたように、携帯料金の値下げの影響は来年の2-3月ごろまで続く見込みで、それまでは物価のおおきな下押し要因になりそう。

 先ごろ発表した論文で詳しい説明をしているが、CPI-UとFOMCが利上げの判断として重視するPCEは基本的に同じ動きをすることがわかっており、次に発表されるPCEも軟調なものになるとみられる。

 軟調な物価にくわえ、9月末までに米議会が債務上限の引き上げを可決しないと、米国債の利払い停止(デフォルト)、政府機関の一部閉鎖などが発生し、米経済に大きなダメージを与えることも懸念される。

 9月19-20日に予定されているFOMC会合の判断が注目される。