工房 手土手 やきもの暮らし

土に触れ、土と戯れる日々の記憶
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土の教え

2014-08-16 19:18:00 | 日記

ただ今、工房は夏休み中。

たまっていた土の再生を始めています。

乾いて固くなってしまった物を水につけて柔らかく戻し、アーチ形にして練り直します。

手を動かしながらアーチ形の粘土を見ていたら、やきものを始めた頃を思い出しました・・・・・

 

轆轤の習い始めは、練習をしてはまた土に戻す・・という繰り返し。

夕方、工房には何人かの作ったアーチが並んでいました。

ある時、師匠がつぶやきました。  

アーチも人それぞれだな・・・

 性格が出てるってことですか?

いや、それもあるけど・・・

 ???どういうアーチが良いんですか?

良く見てごらん、みんなアーチ形にはなっているけど、それは何のため?

 均一に乾かすため・・・

柔らかい粘土をまとめると、手にくっついて角みたいなものが飛び出るだろ

それをそのままにしておくと、その先端だけが乾いて固くなる。均一に乾かない

 ・・・なるほど、気が付きませんでした。教えてくれれば、みんなそうしますよ。

言わなくても、できてる人もいるからな

 

この時、未熟な私は、

教えてくれたっていいじゃん・・まぁ、何事も聞かなきゃ教えないってことか・・

と思ったものでした。

でも今は、師匠が本当に言いたかった事が分かる気がします。

物作りにとって大切なこと。それは観察する眼。

単純な土のしまつの時も、自分のやり方と他人のやり方は違うのか・・

その作業の意味は何なのか・・

良い結果を生むためには何が必要なのか?

色々な場面で、色々な角度で、ただ見るだけでなく観察する眼を持つこと。

その癖をもつこと。

それが良い作品を生み出す審美眼にも通じる

 

多くは語らない師匠の教えが、ようやく私に届いてきたようです。

大切なことほど、言われた時には、その本当の意味を理解できない事があります。

上っ面の意味だけで判断したりして・・・

う~ん、まだまだ修行はこれからかな。