タヌキ猫さんから、お尋ねがあった赤貝のお話です。
穴窯や登り窯ならではの焼き方として、まきの灰が作品に降り積もって自然釉となるのを
楽しみます。
作品を窯に詰めていくときに、まっすぐ置くだけでなく、斜めに傾けたり、横倒しにしたりして
灰が積もって溶けて流れる事を想定して詰めていきます。
その時に下に赤貝を置くと、焼き付いて目跡が出ることがあります。
写真は山梨県の陶芸家、岡見さんの作品ですが、その様子が分かると思います。
赤貝の内側に道具土を詰めて、貝がつぶれないようにして作品の下に置きます。
この目跡も大切な見せ所の一つと考えられているようです。
西洋を中心とする破綻のない完璧な形を求める焼き物と違い、
日本人は、釉薬の窯変や偶然の焦付きや割れなんかも
面白みを感じる審美眼を持っている・・・
と、これらのお話は師匠から折に触れて話してもらったことの受け売りです。
今回の焼成で、私も色々と試してみようと思っています。