私は飛行機に乗るのが大好きだ。しかも“魔の時間帯”といわれる離陸時が最も好きなのである。飛行機がゆっくりと誘導路からメイン滑走路の端にたどりつき、いったん停止。次の瞬間、エンジン出力を最大に上げ一気に加速、そしてフワっと上昇・・・。あの加速感がたまらない。最近のクルマにも絶対スピードでは同じようなものがあるが、あれだけの巨体がフル加速し空中に浮くのである。上空での巡航スピードは900kmを越え、眼下にはパノラマのような日本列島が見える。宇宙にはまだ行ったことはないが、「神」の領域に近づけるような気がするのだ。もちろんその飛行機は現代の最先端科学の粋を集めて作られ、最新のシステムによって運行されているはずだ・・・。と思っていたらそうでもないのである。「99.9%は仮説」によれば冒頭から“飛行機はなぜ飛ぶのか・・・実はよくわかってない。”というのだ。著者の竹内氏は東大理学部出身の科学作家であり、世の中のさまざまな現象は仮説に過ぎないと科学者の立場から訴える。頭の柔らかい人はその仮説を疑い、さらなる仮説を構築してゆくのに対し、頭の固い人はその仮説を、真実として思いこんでしまうのだ、と。ちょっと前に養老先生の「バカの壁」がベストセラーになったが、主旨としては大いに通じるものがあるだろう・・・。あ、いかん、これを書いていたら頭が固く凝ってきた。
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