気になる写真!

このブログはその時々の好奇心で、気になった被写体を切り取り、・・・チョットだけ考えてみようと

芸術科学都市その2

2017-11-13 | 旅行記

グーグルの画像から

60年前のバレンシアで・・・、トゥリア川が大洪水になり・・・結果、河川が付け替えになり、使いようのない長さ10kmの川底がここにありました。

後にここを利用する計画が提案され・・・、水面から顔を出したようなプラネタリウムやオペラハウス、科学博物館など個性のある建造物を中心とした再開発案です。

政府も35万㎡のこの土地活用を許可します。そして、・・・この地に2kmに渡って芸術科学都市が建設されました。。

・・・提案し基本設計をしたのがここバレンシア生まれのサンティアゴ・カラトラバ(Santiago Calatrava)、彼は、構造計算、建築・土木・彫刻・画家とマルチの才能の持ち主。

1900年代中頃から工事に入り1998年 目玉の施設プラネタリウム/レミスフェリック(L'Hemisfèric)が完成します。

・・・ロータリーからの景観です。

大きいトンネル状の温室?、植物園でしょうか

バスから降りたところで、道路に面して謎の楕円形の窓が並んでいます・・・未来の人工都市、建造物、排気口?

道路の反対側から

🅿の看板、駐車場の案内です。すると・・・開口部は、駐車場の換気口のようです。

・・・案内板がありました。この案内板は鳥瞰図(上空からのレイアウト図のようです)

手前の、先程の巨大なアーチの骨格が連なるトンネル内は・・・広い、高い、・・・フェニックスなどの開放感のある並木道、

この下に900台収納できる駐車場などが配置されています。

道路から階段を駆け上がると、オッ!

かくれんぼ?、滑り台?気をつけて!

向こうに何やら、奇抜な構造物があるようです。

高架の上に、幅広な遊歩道が広がっていました。

向こうに見える半球上のツートンカラーの建物は、見る位置によって大きく表情が変わります。

これがヨーロッパ最大の水族館です。

・・・眼に飛び込んできたのが、建造物の手前に・・・人体のパーツが逆さ釣り。

向こうに立て看があります・・・

左上の写真の男性:1967年、ポルトガル、シントラのアナソスで生まれたROGÉRIO TIMÓTEO(ロジェリオ・ティモテオ)さんと書かれているようです。

世界各地で個展を開く彫刻家、・・・昨年末から半年間くらいこの地で展時会の最中のようです。

では、彼の作品を追ってみましょう。

何とも・・・、これは・・・背中のストレッチのポーズ?・・・ではないでしょう。

大きいことは良いことだ!そんなCMがありましたが、

脳みそ水平カットは、写真のトリミングでは有りですが

これは、そんなに違和感は無いポーズです。あん馬の一瞬

・・・タイトルを見てなかったので何とも・・・やはり、判り易いのは建築物です。

しかし、左右の建造物は骨組がやたら目立ちます。

反対側には・・・水面と接して・・・球体に変貌する?この施設が・・・基本設計をしたサンティアゴ・カラトラバ作の力作です。

レミスフェリック(L'Hemisfèric):芸術都市に、この施設が最初に造られ1998年4月開館しています。

プラネタリウムやIMAXシアター、など、最新のAVが楽しめます。13,000㎡ ・・・入場料金 :€7.50

水面に映った建物がもう少しよく見える位置に・・・この遊歩道をもう少し後ろに下がると・・・

シャープな効果が見られず・・・良い写真が無かったので、バレンシア観光協会の画像を借用しましょう。

 ライトアップされた夜間の光景で、水面の反対側・対角線上からの画像です。

水面を境界に・・・水鏡効果がうまく生かされて・・・撮影スポット、このような位置を探したくなります。

・・・では、隣の恐竜の骨のような3階建ての建物は、2年後に完成しています・・・

フェリペ王子科学博物館(El Museu de les Ciències Príncipe Felipe) 40,000㎡・・・・・・入場料金 :€7.50

これも観光協会からの画像です

人工池の効果で迫力が倍増します。

この博物館は、40,000㎡ と先程のレミスフェリックの3倍の広さです。・・・入場料金 :€7.50

・・・もう一人気になる先輩のデザイナーの作品があります。

コンクリートの建造物で、スペインが生んだ有名な建築家が、この地にヨーロッパNo.1の水族館を設計しています。

1910年マドリード生まれ、フェリックス・キャンデラ、スペインで建築を学びドイツ留学寸前にスペインの内戦が勃発。

彼は反乱軍フランコの敵側に味方し・・・フランコの勝利で、・・・祖国を捨てメキシコに移住しています。

紆余曲折の後40歳で、建築法規・余り制約が無かったのでしょう実験的な建物を建てています。

何と厚さ1.5cm~4Cm程度の湾曲した型枠にコンクリートを流し込んで、・・・貝殻のようなシュル構造の建物を発表しています。

この地で高齢にもかかわらず・・・優美な外観の水族館を設計しています。

オセアノグラフィック  L'Oceanogràfic 100,000㎡と屋外施設も広大です。 

このようなアングルには、水族館の屋外施設の外側まで足を延ばす必要があります。

画像は Wikipedia より

 入場料金 :€23.30 高齢のフェリックス・キャンデラ Félix Candela さんは87歳で1997年亡くなっています。

このような双曲線の建物を数多く残しています。

・・・2005年10月9日、最後に完成したサンティアゴ・カラトラバの作品が、オペラハウスなどのソフィア王妃芸術宮殿(Palacio de las Artes Reina Sofia)

見る角度でイメージが異なる印象的なデザインです。

・・・このオペラハウスなどの公演は、1年後にやっと開演しています。

いかがですか、素晴らしいデザインです。

許可されないでしょうが、ドローンにカメラを積んで一周させたい・・・そんな被写体です。

個性的な作品を造りたいと思うデザイナーは数多くいますが・・・コンペで採用されても国立競技場のように建設コストが膨大に膨らみそう、

納期までに完成するかが不安・・・新技術でゼネコンの力量が・・・などと、クリアすべき難問が発生し、完成できる人は少数でしょう。

・・・この芸術科学都市、確か当初予算が総工費200億円、しかし政権が交代すると何かと政治力で変更になる。

気が付けば1500億円、完成した後スペイン第二位の人気スポットになり大成功と浮かれていたら、

最後に完成したソフィア王妃芸術宮殿の外壁に亀裂が入り始めた。

完成後8年で劣化し始めた?・・・設計の問題か、施工業者の問題か、不良資材を使用した?

騒ぎになりヒーローの建築家も、マスコミ、市民から・・・カラトバの設計等の支払い150億円(10%)は取り過ぎだ!と・・・。

・・・税金で造られた建造物は、市民の目が厳しいようです。

ヨーロッパの建築物は、中世9~12cのロマネスク、12c~ゴシックと世界遺産の観光地ではそのような建築様式の話題になります。

しかし、今日的なあるいは近未来的なこのような建造物を見ていると、ロマネスクは響きは良いが、キリスト教が科学を嫌った結果、長年倉庫のような建物しかできなかった。

・・・キリストが生まれる前に、既にローマにはこの様な建物が多神教の神殿として崇められていた。

紀元前25年建設、80年後火災で焼失、125年再建されています。

正面の円柱は16本、高さ12.5m、内部は巨大な円筒の聖堂、直径、高さ共に43.2m

壁の厚さは6m、最上部は1.5m、火山灰なども利用したコンクリート製、上部に行くほど軽量な素材で積みあがっています。

天井は直径9mの丸穴開口部から、日の光が差し込みます。

・・・娯楽?施設もあります。

西ローマ帝国が滅亡するとキリスト教世界では、技術革新の時間が止まります。

動き出すのは・・・十字軍の遠征帰りまで待つ必要がありました。

 

 

 

 

 

 

 

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