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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

のんが出色の出来!「この世界の片隅に」

2016-12-15 13:16:32 | 日記
やたら評判のいい「この世界の片隅に」観てきました。もとは、「漫画アクション」で連載されていたこうの史代という方の作品です。
主人公は、浦野すずという広島に住む少女。絵を描くことが大好きなおっとりした女の子です。時代は、戦争が激しさを増す1944年。すずに呉に住む北條周作という青年から縁談の話が持ち上がります。すずには記憶がありませんが、周作は、以前、彼女に会ったことがあるというのです。ラスト近く 2人がどこで出会ったのか種明かしするシーンがありますが、メルヘンチックでいい場面です。
さて、2人は結婚。戦争の影響で生活に支障がでてくるなか、すずは、お料理など、できる限りのことをして楽しく暮らしています。北條家は、周作の両親夫婦と周作夫婦の4人暮らしでしたが、そこに戦争で夫を失った姉の径子が娘の晴美を連れて嫁ぎ先から戻ってきます。口うるさい義姉ですが、悪い人ではなさそうです。6人の暮らしも、やがて日常になっていきます。
戦争が激しくなっていくなか、すずの幼馴染で、戦争へ行った水原が休暇で訪ねてきます。すず・水野 幼馴染の2人の微妙な距離感。察した周作は、ふたりっきりにしてあげます。このあたり、アニメの方が三者の心のありようが現れて、いいシーンになっています。
ついに戦争がすずを襲います。大怪我をおったすず。かけがえのないものも失ってしまいます。が、それでも、すずは、「この世界の片隅に」生きていくのです。おっとりしていた彼女も、一家の主婦になっていました。
のん キャラクター的にすずにぴったりでした。先述の水野と2人だけのシーン 彼女だと、そんな重いシーンにならない。また、ディティールにこだわった絵も素晴らしい。戦争という不幸な出来事の中、イキイキと生きる市井の人々の姿が胸を打つ作品でした。