新聞に掲載されていた政府広報、「みんなの力でがれき処理」だそうですよ。野田氏は「今こそ絆が試されるときだ」というようなことを言っている。「食べて応援しよう」と同じ図式。
被災地のある首長は「なぜ、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。
もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか」と語っていた。
また、ほかの首長も「がれき処理専門のプラントを作れば、自分たちの判断で今の何倍ものスピードで処理ができると考え、そのことを県に相談したら、門前払いのような形で断られた。現行法に従うといろいろな手続きが必要になるというし、国もウンと言わない」と言う。
おかしなことである。「国難」というのであれば、被災地の要望を聞き、超法規で進めればいいじゃないかと思う。
被災した地域それぞれに見合った方法があるはずなのに、多くの永田町、霞ヶ関の人々は実際に現地に常駐することもなく、現場の声は聞こうとせず、権限のない復興庁を作っただけでは屁のツッパリにもならない。
被災地の復興の足を引っ張っているのは誰なのか、国民はもう薄々気付いていますよ。
昨年5月に発行された農水省の広報誌には、
「震災によるがれきの7割強が木材です。すでにその廃材の再利用が一部で始まっています。
林野庁では、がれきの廃材をチップ化してバイオマス発電や資材などに再利用するため、がれきの一時置場などへの移動式木材破砕機の設置に対して支援します。
木材チップをリサイクルボードに再生するだけでなく、全国のバイオマス発電所の燃料として活用すれば、再生可能エネルギーの利用促進に貢献することが期待されます。」
と書いてある。
「貢献することが期待される」なら、どんどん進めればよいのだ。実際にどれだけこうした施策は実行されているのだろうか。
木材がれきの放射線量を正確に計測し、再利用できるものは積極的にチップ化してバイオマス発電に利用していたら、数カ月で無理としても、そういった計画を立てて道筋をつけていたら、そして、被災した各自治体の声を尊重していたら、今になって「みんなの力でがれき処理」だなんて言っていないでしょうね。
阪神淡路大震災で発生したがれきは2,000万トンだったという。東日本大震災では2,200~2,300万トンだ。多くの指摘があるように、なぜ今回だけ政府は「がれき処理問題」に躍起になり、広報までしているのか。
「風評被害という実害」を作り出した現政府のことだから、何か魂胆があるに違いないと国民に思われても仕方あるまい。
被災地ではなく、どこかに儲けさせたいのでしょうね。バイオマス発電が軌道に乗ってしまい、電力不足が補えると、原発の再稼働を進めるには都合が悪いということもあるのでしょうね。