小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

ぱさこさん、よかったね

2014-03-01 | 犬&猫との暮らし
 ミグノン代表の友森さんのブログを読むのが日課だった。

 ミグノンに引き取られ、友森さんが手厚く世話をしている老犬ぱさこの状況が気になっていたからだ。私、老犬好きだから。まあ、それだけでなく友森さんの書きぶりが面白くて、元気がもらえるからなんだけど。

 気にしていたぱさこが、今日亡くなった。よぼよぼになって横たわっているぱさこがクリに見えて、ブログをのぞくたびに「もう頑張らなくていいよ」とか「もうちょっと頑張って」とか揺れながら、クリへの思いを重ねていた。ぱさこさん、お疲れさまでした。

 でも、ぱさこは友森さんに引き出されて、本当によかったと思う。毎日丁寧にケアしてもらっていたものね、ユーモアもいっぱいに。

 ペットの保護活動は難しくて、収容能力以上に引き取るだけ引き取って、犬猫が窮屈な思いをして過ごさなくてはいけなかったり、汚れたままだったり、人手不足で散歩に行けなかったり、そういう状況と向き合わざるを得ないこともあろうかと思うけど、ARKのオリバーさんはそのような事態にしてはいけないと、常に感傷的にならず、現実的に限りある範囲で働いているといっていた。

 その理念は友森さんのところにも共通してあるように思う。医療費を惜しまず個体ごとに出来うる限りの治療と予防接種をし、マイクロチップも装着させ、それぞれの犬猫の特徴や性格を記録して、きちんと発信している。

 病気や障害のある子のケアも代表自ら行い、収容されている子は見る限り、みんなキレイ。

 ぱさこさん、本当によかった。最後に愛情をかけてもらい、人に手をかけてもらって看取られて、本当によかった。

 友森さん、次はどんな老犬を引き取ってくるかなあ。
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まど・みちお先生、逝く

2014-03-01 | つぶやき
 2月28日、まど・みちお先生が亡くなった。享年104。

 私は、日本ホリスティック医学協会の2013年度版特別号に「いのちのつながり」と題した散文を寄せたのだが、そこにまど先生のことをこんなふうに書いた。

 「さて、『ぞうさん』『やぎさん ゆうびん』『一ねんせいになったら』『ふしぎなポケット』は、誰もが知っている有名な童謡です。作者はまど・みちおさん。昨年11月にまどさんは満103三歳を迎えました。
 2009年には100歳を記念して、新たに二冊の詩集を出版するなど、相変わらずみずみずしい感性でユーモアに富んだ作品を世に送り出しています。

 
 まどさんは生きとし生けるものを題材に、こころを壮大な宇宙に向けて開いてきた詩人です。自然の法則の偉大さに畏敬の念をこめて、数多くの作品に書いてきました。

 まどさんは、著書『いわずにおれない』の中で、「この世の中のありとあらゆるものは、すべてが自分としての形や性質をもっていて、それぞれに尊い。そこにあるだけ、いるだけで祝福されるべきものであり、みんながみんな心ゆくままに存在していいはずなんですよ」と述べています。

 
 地球上に存在する、いいえ、宇宙に存在するすべてのものの多様性を享受し、行間に思いを込めてきたまどさんの詩は、〈いのち〉の讃歌にほかなりません。」

 少年詩も書いてきた私にとって、まど先生は憧れであり、偉大な存在だった。

 いつか同人誌にまど先生のことを書いたエッセイを寄せたら、それを読んでくださったまど先生がご自身の詩画集『とおいところ』を贈ってくださった。とても感激したのだけれど、もっと驚いたのは、まど先生の抽象画の素晴らしさだった。こんな絵を描かれる方だったとは。



 この詩画集と同じタイトルのまど先生の詩が、私は大好きだ。


 とおい ところ

 ゆうがたの
 ひさしの そらを みあげると
 くものすに
 カと ならんで
 ほしが かかっている

 ああ
 ほしが
 カと まぎれるほどの
 こんなに とおい ところで
 わたしたちは いきている

 カや
 クモや
 その ほかの
 かぞえきれないほどの
 いきものたちと いっしょに


 まさに「いのちの讃歌」ですね。

 カビも大腸菌も植物も動物も人間もすべて、遺伝子の構造と原理は共通しているのに、その組み合わせによって2つと同じものが存在しない。1組の両親から生まれる子どもには70兆通りの組み合わせがあるという。つまり私たち一人ひとりは70兆分の1という確率で選ばれたということだ。

 生きものが生まれる確率は「1億円の宝くじに100万回連続して当たる」くらい奇跡に近いことなのだ、と遺伝子研究の権威・村上和雄先生は『生命の暗号』の中に書いている。私たちは「奇跡中の奇跡」としてこの世に存在しているのですね。

 まど先生の詩を読むと、いつもこの「奇跡」が思い出され、厳かな気持ちになるのだ。まど先生は「とおいところ」に還ってしまったけれど、詩集をめくれば、いつでもふっと立ち現われてくださる。感謝をこめて合掌。
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