東海道本線全線全駅歩き旅 続編(49)
2022年(R4)5月24日(火) 米原駅 ―> 彦根駅 JR営業キロ6.0Km
今日も良い天気だ、どうやら暑くなりそうだ。
日焼け止めクリームは3個も持ってきているので歩き出す前に塗ればよいだろう。
ホテルは駅のすぐ前なので便利である、周りは住宅地なのでとても静かだ。
米原駅まで移動する。
朝の6時過ぎだが通勤客はおもいのほかいるのだった。
米原駅には新幹線開業50周年のシールが貼られていた。
そうか新幹線が開業したころはオリンピックもあり日本がもっとも輝いた時だった。
2020年の東京オリンピックはコロナ(Covid-19)騒ぎで無観客だったし、最近では組織委員会元理事の収賄事件も発覚し不幸な大会だったな。
通学の高校生が急ぎ足で通るのを見ながら駅前のベンチで朝食にする。
食べ終えて駅前を見て回るとこんなものがあった。
米原湊跡と石碑があり和船の模型が乗っかている。
駅付近は昔は湊だったのだそうだ。流通の要という場所だったんだな。
右に近江鉄道の駅を見ながら歩きだす。
歩いていくと左手に新幹線のようなものが見えた。
ああ、これは以前テレビで見たことがあるぞ。
鉄道総合技術研究所の風洞実験施設だ。
試作車両なのだろうタイプの違う車両が並んでいる。
鉄道の日には一般公開されるのだそうだが、今は柵越しにしか見ることはできない。
WIN350という車両はわたしの好みのデザインだ。
米原駅の構内はかなり広い、その端っこを遠慮しながら近江鉄道の列車がコトコトと走っているのだった。
ここまで来たなら琵琶湖も見たいというわけで中山道から外れるが琵琶湖方面へと歩いていく。
東海道本線の下をくぐって田んぼが広がる道を歩いていく。
見ると川の中に亀がいた。
北東北ではあまり見かけない光景だなあ。
ほんとうによい天気、日焼け防止クリームを首、腕に塗り付ける。
まだ涼しい時間帯で弱い風があるので汗をかかずに歩ける。
矢倉川を渡り彦根市へと入っていく。
通勤ラッシュで車の列、ときどき自転車の高校生がわたしを追い越していく。
遠くに彦根城が見えている、きょうは琵琶湖を見てから彦根城へと向かう予定だ。
琵琶湖畔まで来た、湖畔の通りは「松原ミシガン通り」だった。
はて? なぜミシガンなのかと調べてみたら、
アメリカのミシガン州と彦根市は姉妹都市なのだそうなのだ。
どちらも大きな湖のほとりにあるということだね。
琵琶湖を見渡せる東屋でひと休みする。
快晴だから気温が上昇してきて暑くなってきた。
周りに人のいないことを確かめてから着ていたパーカーを脱ぎ上半身裸になってタオルで汗を拭く。
こんなことは恥も外聞も気にしなくなったジイさんしかできない芸当である。
琵琶湖はさすがに大きい、向こう岸がかすんでいるので海を見ているかのようだ。
ところどころにベンチがあり、文字がかすれて読めなくなった掲示板もある。
岸のほとりに墓地があった。
見慣れない形の墓がある、古代エジプトのオベリスクに似た形のものもある。
宗派の違いによるものだろうけどなかなか興味深い。
松並木の道を歩いていくと観光船乗り場があった。
井伊家の赤備え船『直政』という船が見えた。なかなか凝ったデザインだな。
ミシガンクルーズという外輪船に乗るコースもあるそうだ。
かなり以前にアメリカのニューオリンズでミシシッピ川の外輪船に乗ったことを思い出してしまった。
琵琶湖を見たら彦根城へと向かって歩く。
彦根城のお堀端を通っていくと釣りをしている人がいた。
その4メートル先にはサギがいて釣った魚を狙っているのが面白い。
サギは「ぼく、おじさんのほうを見ていませんよ」という表情だが、目はしっかりと釣竿を見ているのだった。
釣れたととたんにサギが横取りするシーンはコントになりそうだ。
進んでいくと、、、これは虐待の場面か、、、ではなくてトレーニング中だった。
滋賀大学ボート部の練習だった。腕、腰を鍛えているんだろうな。
彦根城のお堀は琵琶湖とつながっているので水量も豊富。
彦根城の見学料金800円なり。
ここもシニア割引がないのが残念だ。
城へは坂を登っていかなければならない、これが結構キツイのだ。
汗だくになりながら天守閣まで到着。息が切れる。
さすがは国宝の天守だけあり美しい形である。
ゆるキャラが観光客を迎えてくれるのは日本の観光地では今では当たり前になってしまったな。
どのお城でもそうだが階段が急だ、手すりにつかまりながらそろりそろりと登る。
ここでは係の人が階段前でフォローしていた、これは良い取り組みだな。
万一おっこちて怪我をされたら城の評判にもかかわるしね。
天守から眺める琵琶湖はいいね。爽快な気分になれる。
人気の城だから観光客が多い、年配の人たちは暑さですでにへばっているようだ。
修学旅行の高校生も大勢やってきた。
ポストの上にも彦根城がのっかっている。
一通りお城を見たら駅へと向かって歩く。
駅への道は「駅前お城通り」とそのまんま。
時間帯のせいなのか駅前はほとんど人の姿がなかった。
ちょっとさみしい感じだ。
駅前には井伊直政公の騎馬像がある。
兜の角の部分がすごいなあ。
まさかあの角の部分で戦うんじゃないよな(笑)
敵味方入り乱れての戦場で自分の活躍をアピールするためには目立つ兜が必要だからな。
部下の者は「おー、あの兜がわれらが殿じゃ、それ続けぇっ」となるし、徳川家康にも「おお、あの派手な兜は井伊殿だな頑張っているねえ、200ポイントあげようかな」となるのだ。
彦根駅からも正面にお城が見える。
城そして琵琶湖と観光資源が多い町だ。
駅のコンコースには国宝の「風俗図(彦根屏風)」のジャンボプリントというレプリカが展示されている。
オリジナルの倍ほどのサイズになっているので見やすい。
江戸初期の作品らしいがこうしてみると今も昔も人の営みというのは変わらないものだなあ。
近江鉄道の列車はカラフルで見ていて楽しい。
走る広告塔ということだな。
駅東口には新しいホテルがあるだけでがらーんとしていた。
彦根の観光案内のパネルもあるのだが、キャラクターの後ろにある鯉のぼりがとても良い。
鯉ではなくて新幹線が空を泳いでいるのだった。