サンデーモーニング“風を読む”で、ルース・ベネディクト著“レイシズム(人種差別主義)”のことを司会者 関口宏が紹介し、外交官 藪中三十二氏が、アメリカ全土における黒人の抗議デモについて、次のように語っていた。
『黒人が95%を占めているアメリカの大学では、半数以上がシングルマザーで、半数以上の黒人が新学期にお金が無く退学する。』と。
これには黒人の貧困が絡んでおり、また、黒人1,000人うち1人が警官に殺され、その割合は白人の2倍だそうである。また現在、アメリカの白人比率は約60%であるが、30年後、白人割合が50%を割るとも言っていた。
警察官が黒人を死亡させた抗議デモはアメリカ全土に拡大し、黒人を差別したイタリア探検家コロンブスの像までが、攻撃対象で湖に投げ込まれた。
一方、同じ日のNHKテレビ日曜討論では、西村康稔経済再生大臣が、「新型コロナ禍」により地方移住が促進していることも報じていた。黒人の抗議デモと日本の地方移住が、一見、関係ないように思われるが違う。
未来学者 エイミー・ウェブ氏が、「社会の端っこにあるシグナルを見つけることが大切」と言っているように、このふたつは“道理”に反するということで共通しており、社会の根っこにあるシグナルだと見ている。
「新型コロナ禍」で日本社会が変わりつつあるが、沖縄に米軍基地が約70%あること、また、防衛費が拡大する中でステルス戦闘機1台減らすことで、貧困者の何百人も救えるのではないかと思っている。
私も若い頃、身動きが取れない満員電車に乗って都心に通勤していた。「新型コロナ禍でリモートワークが可能になり、東京一極集中が見直され、地方移住が促進されるのであればこんな良いことはない。まさに、“災い転じて福となす”である。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 東京一極集中
東京一極集中とは、日本において、政治・経済・文化・人口など、社会における資本・資源・活動が東京都区部、あるいは首都圏(東京圏)のなかでも1都3県(東京都を筆頭に神奈川県、埼玉県、千葉県)に集中している状況を言う。
(東京スカイツリーから望む東京都心のパノラマ全景)
首都圏への人口流入を見ると、1955年から1970年頃までは毎年30-40万人の転入超過があった。
しかし、1980年頃から再び首都圏への流入超過が始まり、バブル景気直前の1987年にピークに至り、この時の純流入は20万人に迫った。このように、急速に膨張する東京圏の一方、名古屋圏はわずかながら人口流入となった反面、その後は、バブル崩壊と共に東京圏への流入も再び沈静化に向かい、1993年にはほとんど均衡した。
しかしながら、1990年代後半以降は都心での住宅開発などによる「都心回帰」により、1987年のピーク時に匹敵するほどの顕著な、東京圏への人口流入となった。2009年からの日本経済の低迷以降、そのペースは多少緩やかにはなっているものの、首都圏への人口流入は続いている。
その結果、国勢調査結果を長期的に見ると、全国の人口に対する1都3県の割合は、第二次大戦終結直後の1945年に13.0%であったが、調査の度にその割合を高め、2005年では26.9%となっている。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)