私たちは、“つもり”で生きていることが多い。たとえば、知っているつもりとか、覚えたつもりなどである。
私は高次脳機能障害者なので、“覚えたつもり”だがすぐに忘れる。齢をとったら忘れるのは当たり前だが、病気なので齢をとらなくてもすぐに忘れる。
高次脳機能障害とは、病気、事故で脳に損傷を受けた後に起こる後遺症で、原因の病気として、脳卒中(脳こうそく、脳出血、クモ膜下出血など)や脳の外傷(交通事故、転倒など)などがある。
この“つもり”のことであるが、気になることがある。人は、どこかで聞いたことがあると良くいうが、その中身を問いただすと詳しくは知らないという。
これは確かに聞いたが、詳しく知らなければ聞いたことにならないのと同じで、“初めから知らない”と言った方が良いのではないだろうか。
“読んだつもり”、“聞いたつもり”、“見たつもり”など「つもり」はたくさんあるが、読書、新聞、テレビにしても、知識・情報を蓄積するのが目的である。
しかし、実際に経験・体験することも重要であるから、現場に赴き、現物を取って、現実を知るという三現主義を大切にしている。
「百聞は一見に如かず」という諺があるので、現場に行って現物を見るようにしているが、聞くと見るとは大違いのことが時々ある。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 三現主義
問題解決するときの1つの姿勢。「現場」に出向いて「現物」に直接触れ、「現実」をとらえることを重視する。 生産分野においてとくに重要とされてきたもので、日本の高度経済成長を支えた精神として認識されることもある。空理空論を展開するのではなく、3つの「現」にアプローチすることは、あらゆる領域の問題解決において共通して重要である。
(出典:コトバンクより)