先日、三歳になる孫が札幌から来て、片言の英語を流ちょうに話していた。言葉にしても身体にしても、孫の成長には目を見張るものがある。それに比べて七十歳の自分はどうだろうか、退歩するばかりである。
知人が、「達成欲」を持って毎日を過ごしているということであるが、これも人間の持っている“成長欲”だろう。若い頃、この成長欲を意識していただろうか。がむしゃらに働いていたように思うが、人生において大切なことは、この人間の成長欲だと思う。
人間はいろいろな欲求を持っているので、これらの欲求を大切にしたい。何に対して欲求を持つかは人それぞれであるが、欲求が無くなれば人生の終わりである。
欲求は、成長欲、知識欲、食欲、性欲、趣味に関する欲求、何でも良い。先日、息子に「おやじ!七十歳にもなれば、明日どうなっても良い年齢であるので留意せよ」と言われたが、悔いを残さない毎日を過ごそう。そのためには、孫に対して良い祖父でいることだ。
そして、この世に生きた証を残すことである。そのためには活字で残すといつまでも残るから、紙に書いて残しておこう。
自分は1951年生まれなので、戦争を知らない世代である。自分の祖母が亡くなったと言われる“スペイン風邪”のことも全く知らなかったので、「新型コロナ禍」で物事を知るということの大切さにも気づかされた。
そして、人間の価値観が変わったとされる、100年に1度と言われる「新型コロナ禍」に遭うとは全く思っていなかったし、こんなに世の中がガラッと変わることも予想外であった。なお、齢を取ったこともあるが、人生を振り返ることが多くなってきた。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 文は人なり
文章を見れば書き手の人となりがわかる。
[補説]フランスの博物学者ビュフォンの言葉から。
(出典:小学館、デジタル大辞泉より)