“以心伝心”という言葉があります。以心伝心とは、「真理の伝達は、体験によるもので文字や言葉によらない」という意味を表わした言葉で、文字や言葉によらなくても、心の中はそれとなく伝わるということです。
一方、忖度という言葉もあります。本当の意味での忖度ができることは、日本人の特徴のひとつで、以心伝心の言葉と同じようなものと思っています。日本人は人のこころを慈しみ忖度できるから、こころを打つ俳句や短歌等を詠むことが出来るのではないかと思います。
私は忖度できませんから、俳句や短歌は出来ませんが、父親は60年間にわたり俳句をやっていました。俳号は、“井戸の蛙大海を知らず”をもじって「井」と「蛙」を取って井蛙(せいや)としたそうです。人間は井戸の蛙にならずに、何事も着眼大局で物事を判断する能力が求められます。
ところで、2020年2月23日付け新聞「日刊ゲンダイ」に、次の記事が載っていた。 『安倍政権に言いたいことがいっぱいある。まず、対米追従&露弱腰外交は、「売国」という古い言葉を召喚してこないと形容しきれないと思っている。経済では、消費増税によって、アベノミクスの三本の矢を焚きつけの薪として炎上させてしまった。これだけでも退陣の理由としては十分だ。とはいえ、外交は相手があってのことだ。経済もまた、運不運の要素が含んでいる。なので、失策のすべてを安倍さんのせいにするつもりはない。ここは見逃してあげても良い。
政権の罪は、むしろ、彼らの日常動作の中にある。たとえば、行政文書を前例通りに記録・保存するという行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、安倍晋三氏とその追随者たちは、政権を担当した八年の間に完膚なきまでに破壊した。
それだけではない。彼らは、自分たちの政治資金の出納を真っとうに報告するという、政治家としての最も基本的な義務すら果たしていない。加えて、安倍政権に連なるメンバーは、正確な日本語を使い、公の場でウソをつかないという、日本の大人として守るべき規範をさえ、きれいにかなぐり捨ててしまっている。
おかげで、わたくしどものこの日本の社会では、日本語が意味を喪失し、行政文書がゴミに変貌してしまっている。でもって、血統と人脈とおべっかと忖度ばかりがものを言う。寒々とした前近代がよみがえりつつある。結論を述べる。安倍政権は外交と経済をしくじり、政治的に失敗しただけではない。より重要なのは、彼らがこの国の文化と社会を破壊したことだ。私はそう思っている。一刻も早くこの国から消えてもらいたいと思っている。』、
この記事を読んで、次のことを思った。ウソを言う子どもが多いのは、政治家を含めた大人の責任だと思っている。また、コロナ禍の感染拡大の理由のひとつには、「日本学術会議」のことで国会の大切な時間を使った野党にも、大きな責任があると思っている。日本の政治を担っている国会では、野党を含む政治家は、最優先に議論を戦わすことがあったはずだと思っている。
以心伝心の言葉に戻ろう。以心伝心は確かに必要条件であるが、十分条件ではない。なぜなら、言葉などによって確認しないと相手を誤解したり、理解されなかったりするからである。相互理解や誤解を生まないためには、“報連相”が前提になっていることはいうまでもない。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 報連相
報・連・相は、「報告」「連絡」「相談」を分かりやすくほうれん草と掛けた略語。主としてビジネス(職場)において使われる。
報告
部下が上司の指示に取り組みつつ、途中経過を報告すること。
連絡
自分の意見や憶測を含めない関係者への状況報告。
相談
自分だけで業務上の判断が困難なとき、上司に意見をきくこと。
誤解
「上司の状況判断に必要な、部下からの自発的な情報伝達」を習慣的に行わせるためのしつけとして捉えられているが、そもそも、提唱者の山崎の著書では、管理職が「イヤな情報、喜ばしくないデータ」を遠ざけず、問題点を積極的に改善していくことで、生え抜きでない社員や末端社員であっても容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境をつくるための手段として報連相を勧めているのであって、部下の努力目標ではない。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)
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