シモキタのtokyoboy

下北沢に居を構える初老オジのエクスサイズ、呑み歩き、美術館巡りなどの備忘録生活記録ブログ、含む膝蓋骨骨折リハビリ記録。

フェルメール光の王国展 (銀座)

2012-07-06 | アート・文化

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この企画は全日空が後援ということで、同社からの冊子かメルマガで知ったのですが、フェルメールセンターが出来た、という刷り込みがあり、ずっとやっているのか、と思っていました。

で、7月22日までと知って、銀座を訪れた次第。

 

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い、意外と狭いんですねえ…

 

で、従前から本ブログではフェルメールの作品全紹介と、tokyoboyの個人的鑑賞履歴をお伝えしている位ですから、殆どの作品は知っている訳ですが、ここでなければ絶対に出来ない2点で楽しみました:

 

(1) こんなに近くで作品は見られない

 

(2) 全作品が横通しで見て行ったり来たり比較できるなんて不可能、

 

の当たり前の点。

 

でもねえ、以下、個々の作品に関するコメントの中で述べますが、これまで気が付かなかったことを数々”発見”しました。

今回の展示、並び順は概ね時代順のようです。

 

各作品の英語名、収蔵美術館などはこちらの記事をご覧下さい。

 

フラッシュ無しなら撮影OKということで、先ずは(ほぼ)全体像と気になる部分のアップを撮った来ました

 

1. マリアとマルタの家のキリスト

 

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エディンバラの美術館収蔵ですが、08年の都美術館での企画展で見ています。

って、記憶にない…

比較的初期の頃、未だフェルメールっぽくないんでしょうね

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2. 聖女プラクセデス

 

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この作品、tokyoboyとしては、フェルメールの、作品として知りませんでした。

アップのように、誰かの首を切って血を絞っている”聖女”。

これも、フェルメール的ではありません。

 

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3. ディアナとニンフたち

 

P62300003 ここまでが、フェルメールの宗教画。

1.と同じ企画展で見ています。

でもねえ、やっぱり記憶にない…^^;

1655年までで、ここから以下のようにモチーフがガラッと変わります。

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4. 取り持ち女

 

P6230007 何とまあ、分かりやすい画なんでしょう…

完璧にシチュエーションが完全に盛り込まれた、なんですが、こんなの当時許されたのでしょうか?

「取り持ち女」は"The Procedure"というんですね…成程、手続きですか、間違いない!

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5. 眠る女

 

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この画で特筆すべきはテーブルの上の静物。

 

瓶の下のカビまで物凄くディテールに拘っています。

これは今回のように近寄れないと気が付かない。

4.と一緒で未だオリジナルは見ていません…

というか、メトロポリタン所蔵ですから、見ていても不思議ではないのですが??

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6. 窓辺で手紙を読む女

 

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実はここまで来て、やっぱり写真で記録しておこう、と思ったんです。

この画は2005年、西洋美術館で見た(筈)なのですが、こんなに凄い画だったのか

窓ガラスに彼女の姿が映っているのは、当時まったく気が付きませんでした…

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7. 小路

 

P6230005 何とも印象的な作品。

08年に都美術館で見ています。

でもねえ、この小品。

左下側、入口の中にお掃除かな、をしている女性を、今回くっきり認識しました。

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8. 兵士と笑う女

 

P6230006 何より印象的だったのは背景の地図。

そして、窓のステンドグラス。

こんなディテールがよく見えるんです。

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9. 牛乳を注ぐ女

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六本木で見た時こんなに小さかったのかなあ、と思いました。

兎に角、大変な人出だったんです

アップはパンの中に光の粒をフェルメールが埋め込んだ、ということで…

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10. 紳士とワインを飲む女、11. 二人の紳士と女

 

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P6230012先ずは、これも恐らくは娼婦とその客、をモチーフにしているのでしょう。

最初の英文タイトルは、"The Glass of Wine"。

ベルリンにあるんですね…

 

そして、次、なんですが、 私、この絵の女性の表情、大好き!です…

何とも意味深で、フェルメールは時々この”芸”を出す、と全作並ぶと気が付きます

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P6230013 12. デルフト眺望

 

間違いなく、絶品。

素晴らしい風景画。

特に雲、と手前左側に描かれた当時の人々

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13. 稽古の中断

 

P6230016 こうやって並べると、作品No.8、10、11とこれ、同じ場所で背景の画とかを替えているだけ、と気が付きます。

恐らく、この4作品、基本的に女性を金で買おうとする紳士がモチーフです。

過去の履歴を見ても、この手の作品は好まれないのか、来日していません。

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14. 音楽の稽古

 

P6230017 この作品は、これまで余り意識していませんでした。

時の楽器とかを散らばめた画面構成…

この辺、如何にもフェルメールです。

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15. 青衣の女、16. 天秤を持つ女、

17. 真珠の首飾りの少女、18. 窓辺でリュートを弾く女、19. 窓辺で水差しを持つ女

 

敢えて、5品並べてみました。

 

ここまで、No.15から同じ場所で描かれた作品であることが分かります。

 

P6230018 P6230019P6230020P6230021P6230022昨年、京都で見た”青い衣”。

その時のフェルメール3作品では目玉だったのですが、確かNo.6

、”手紙”の方が上位と見ました…

地味、なんですよね

 

そして、真ん中、”真珠の首飾り”は2012夏、西洋美術館で本物を丁度拝見しました。

これで、この5作品、ベールを掛けていない3作品の実物を見たことになります。

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20. 真珠の耳飾りの少女

 

 

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はい、当然ですが、凄いですよね…

こうやって他のフェルメールと並べて見ると、ある意味で、他と異なる作品、とよく分かります。

これだけ、背景、小道具、に凝る彼が背景を黒にした

目の輝き、その他、兎に角魅かれます。

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21. 合奏

 

P6230026 この作品、”The Concert”は盗難中ですから絶対見られません…

これも盛り沢山の構成要素。

上と比べると全く違いますよね。

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22. 手紙を書く女

 

  これも最近京都で拝見しました。

確か、人生で2回見ているか、と。

窓を画面から外して、でもそこから差し込む光を強く意識させる作品です。

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23. 絵画芸術

 

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個人的にはこれが一番のお気に入り^^

ウィーンで、未だフェルメールを知らない時に見て、それ以来変わらない感想ですねえ

構成要素のバランス、少女の表情、無機質な画家…

グッと押し寄せてくる存在感、流石です。

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24. 赤い帽子の女、25. フルートを持つ女

 

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この2点はフェルメールのものかどうか、議論があります。

確かにアップの仕方とからしくない、うん、特に25でしかねえ…

正直、この2作が一番魅かれない

同じ議論が終盤、出て来ます。

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26. 少女

 

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”世界で一番有名な少女”と同じ構成。

そして、目の描き方が彼、と物語っています。

 

後は…

まあ、モデルさんの問題か、ちょっと”痛い”作品ですよねえ^^;

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27. 女と召使い、30. 恋文、32. 手紙を書く女と召使い

 

さて、ここからは主人と召使、3部作!

 

 

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この作品、何気にかなり好きです。

2人の語るでもなく、でも何かメッセージをバンバン飛ばしている様子。

決定的な、そんなシーンだと思いませんか?

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この表情…

相当ビックリの女主人、それを見て取ったしたたかな女中…

何やら、江戸初期の大坂女がオランダに渡ったような、そんな馴染みのある表情

これも大好きです

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これは30と逆ですね。比較で並べてみました

主人は手紙に集中、女中は外の様子に気を取られて…

ここはその外を見る表情をどう読み取るか、です

これは東京と京都で2回見ています。

相当好きな作品であります。 

 

さあ、この比較、如何でしたか?

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28. 天文学者、29. 地理学者

 

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これも並べてしまいました…

まあ、モチーフは同じ、並べて見るのも一興でしょう

28の地球儀が29では家具の上に片付けられています。

モデルも同じかな?

 

P6230038アップは、天文学者から、ですが、牛乳女のパン同様、フェルメールの”光の粒”をここでも発見したからです。

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31. レースを編む女

 

P6230043 これも、本物を見た時はこんなに小さいと記憶していませんでした…

あの時、新国立は大騒ぎ。

何重にもこの作品の回りを人が囲み、じっくり見られなかったのですが、今回使われている糸の色の美しさに改めて感心しました

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33. 信仰の寓意

 

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何が”寓意”かと見取ろうと思って、女の足元を…

写真、両方ともボケてしまった

地球儀の様な玉とかそういった、何らかを象徴しているものをキリストあの十字架像の前で、酔った感じの女が踏み付けているのです??

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34. ギターを弾く女、35. ヴァージナルの前に立つ女、36. ヴァージナルの前に座る女

 

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さて、ここでも更なる連作での紹介。

 

これもバックは同じに見えます。

楽器の位置とか、反対の場合もありますが、でもまあ、取り合えずまとめてで…

最初の2つは既に見ています。

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37. ヴァージナルの前に座る若い女

 

P6230052 この作品もフェルメールのものか、議論がある筈です。

都美術館で見た時はそんな情報知らずに、ふむふむと拝見しました。

でも、こうやって一同に会すると、多分真作かな、って思えます…

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以上、まあ勝手に言いたい放題ですが、現時点でのtokyoboyのフェルメールへの思いを書き連ねました。

 

さあ、首飾りを拝見したから、次は「耳飾り」だ

コメント
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