枕上書 番外編より
(14万歳の帝君が 鳳九とゴンゴンの出現で、
あり得ないレベルにまで 人格が変容する話🤣)
術で布団を何枚か出し、鳳九の方に足してあげる。
試しに 横になってから、鳳九は
「少し柔らかい気がする」と言った。
帝君はうなずくと 鳳九に 起きてもらい、
二枚布団を減らすと もう一度試してもらい、
「今度は どうかな?」と聞いた。
鳳九は 布団の上で ゴロゴロ転がって寝返りを
打ち 「大丈夫みたい。だけど もう少し試して
見る必要があるかも」と言いながら
帝君の腕の中に転がりこんだ。
帝君は少し驚き「暑がっていたんじゃなかった?」
というと 「そんなことないよ」と言いながら
彼女は彼の胸に 顔を寄せた。
帝「それでは 今度は寒くなったのか?」
鳳九「寒くないと貴方にくっついちゃいけないの?」
「もう私の事 好きじゃなくなったの?」
・・・帝君にしては珍しい事に、その問いに答え
る事が出来なかった・・・
すると 何故か 彼女の目から 涙が滴り落ちた(!)
このような場面に遭遇した経験などない帝君は
一瞬 固まった。
「(!)貴女・・泣かないで💦」
彼女は 涙の溜まった目でしばらく彼を見てから
急に 吹き出して
「嘘だよ🤗」
身体を起こして得意そうに「帝君、今の私の
ウソ泣きは もう熟練のレベルに達したでしょう?
貴方さえ騙せたわ。ものすごく練習したのよ」
帝「なぜ そんな練習を?」
鳳九「だって、いつもウソ泣きしても 貴方は
ちっとも心配してくれなかったどころか、
もっと大きな声で泣け。人を泣かせるのが
一番好きだ、なんて言うからよ」
帝君は鳳九のその話し方 天真爛漫で 生き生き
している姿を 愛らしいと思った。
それでも 口から出る言葉は・・・
「ウソ泣きなら、どうして心配する必要がある?」
鳳九は わざとらしく彼をにらみ、拳を当てると
「まだ 反省しないの?」
「今までは私が未熟だったから 見破られた。
でも今回は 貴方に心配させることができたのよ。
私って 凄いと思うでしょう?」
帝君は それには答えず「先ほど、私の事を
酷い と言ったけど、私は貴女に優しくないのか?」
と問うた。
鳳九は 少し恥じて「あ、それは💦そんなことない
貴方はとても良い夫よ。ただ貴方はちょっと
意地悪で、私をしょっちゅうからかうだけなの。
それ以外はとても良くしてくれてる」
そう言うと 帝君の手を取って引き寄せ、甘える
ようにその手に 自分の頬をすりつけた。
子狐が懐く時の仕草と同じだ。
それから、彼女は彼の手の甲に緋色の唇を
押し当てた。
彼の手は 少し震え、手の甲が一瞬で燃え上がった
ような感覚に襲われた・・・
彼女は 彼の反応に気づかず、彼の首に両手を回すと
「眠いわ・・・もう話すのは止めて 寝ましょう・・」
と言った。
寝間着の袖が滑り落ちて 帝君の首に 玉の素肌がつき、
甘い息遣いが 耳元を漂った。
「それじゃあ お休み・・・」自分が言った言葉なのに
その声はよそから聞こえてくるような 妙な感覚だった。
まるで 魂が抜け出たかのような不思議な
真実味の無さだ。
少女の横に 寝て かなりの時間が経った頃に
ようやく 彼は自分を取り戻した。
どうやら自分は 自らの意思で彼女を娶ったようだ。
そして、二人の関係は とても良さそうだ。
綺麗で ちょっと狡くて 天然で、とても甘え上手な
少女。
彼女の目は キラキラ輝いて、彼を崇拝している事
が態度に現れている。
彼女の全身からは彼の気息が漂い、誰はばかること
無く結界に侵入し、無邪気に彼に抱きつく・・・
彼に甘え、手に頬をすりつける・・・
そんなことを考えながら、帝君はいつの間にか
自分の胸に手を当てていた。先ほど、心臓が 一拍
スキップしたような気がした・・・