教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

ボーカリスト

2014-09-03 | 音楽的アドバイス

個人的に好きなボーカリストの一人に、ロビン・ザンダー(チープ・トリック)が

いるんだけど、デビュー当時は”七色ヴォイス”なんて言われていて、確かに

激しいシャウトや野太い声、バラードでの甘い声や、わざと鼻にかけたような

声の出し方やかすれたハスキーヴォイスなど、変幻自在に操ることが出来て、

凄いと思ったねえ。そして基本的に非常に強くて力強い喉をしていますね。

 

1978年頃

 

まあ、他にも素晴らしい声の持ち主はいっぱいいるよね。

ロニー・ジェイムス・デュオ、グラハム・ボネット、ジェフ・テイト、ポール・スタンレー、

フレディ・マーキュリー、ロブ・ハルフォード、スティーブン・タイラー、スティーブ・ペリー、

ブラッド・デルプ(ボストンの初代ボーカル)・・・・ロック系ばかりだな。

ロックに限らず言えば、ジョン・レノンの声も大好き、カレン・カーペンターも

艶があって深みが合って素晴らしい歌声だよね。

大好きなスージー・クアトロも声は大好きだけど、ここに列挙するほどではないと言うか。

ナイト・レンジャーのジャック・ブレイズも相当歌がうまい。相当うまいけど、同じくここに

書くくらい特徴があるわけではない。

 

同じようにポール・マッカートニーも個人的にはボーカリストとしては、そんなに高い評価を

していないんだな。あくまで個人的にですよ。ジョン・レノンの方がボーカリストとしては

(俺の中では)高評価である。

ビートルズの中で常に一番高いパートを受け持つポールで実際にもかなり高いキーでも

平気で歌っているんだけど、最近少しショックだったのが、マジカル・ミステリー・ツアーを

歌う際に、あのイントロの♪Roll up, roll up for the mystery tour,のロールアップの

部分はA音(ラ)が続くんだけど、これ、男性でA音をずっと長く伸ばすのはかなり厳しい。

でもポールは昔はなんなくやっていたはずなんだけど(実際ポールのパートのはず)、

最近のライブではその下を歌っているんだよねえ。

常にバンドの中で一番高いパートを歌っていたポールも人に任せるようになったか、と

ちょっとさみしく思ったよ。

 

(↓なんとなく左から年代順、途中不謹慎な写真アリ(笑))

 

声に特徴があって、面白いのはモトリー・クルーのヴィンス・ニール。

男性と女性の中間くらいのキーで、凄いよね。小田和正みたい。

センターにいるにはふさわしい派手さで、やっぱりバンドのボーカルは華がないとね。

一回脱退していて、その間にジョン・コラビが入ったんだけど、地味だったからねえ。

ライブをやるにあたって、プロモーターが「金髪のボーカルを戻せ」って言って、

メンバーが激怒したって話があるけど、それは一理あるんだよね。

「お客は派手な金髪のボーカルが飛んだり跳ねたりするところをみたいんだ」って

音楽性無視の乱暴な発言だけど、確かにコラビよりヴィンスの方が面白いライブの

ような気はする。宣伝材料としてもね。

 

ヴィンス(今&昔)(笑)

ジョン・コラビ(おまけ)

 

で、そのヴィンスだが、最近はさすがのヴィンスも高音が出づらくなったらしく、

高音を出すときにマイクを口から遠ざけてごまかすときがある。

あれは”声量が大きくなるから、マイクの距離を調整しているんですよ”と言う体で

高音が出ないのをごまかしていると思われる。

これをやるボーカリストは結構いて、残念ながらロビン・ザンダーも結構やる。

一瞬高い音に届かなくて、その後その音に届くとマイクの距離を元に戻したりして。

 

さて、その強力な声を持ったボーカリスト、ロビン・ザンダーだが、ごく最近と思われる

映像を見たんだけど、なんと随分と声が出なくなっている!

先に述べたように”高音が・・・”ってレベルではなく、全体に弱くなって音域が狭くなって

いると言うか・・・。

それも「サレンダー」と言う俺も歌うのにちょうどいいくらいにキー的には高くもなく、

特別難しくもない曲で、歌うのがつらそうになっていて、かなりショックである。

そりゃ若い頃よりは少しずつ衰えていくのはわかるけど、ちょっと尋常でないと言うか。

 

自分も元々はボーカリストではないものの、ベース&ボーカルは20代後半くらいから

やっていて、やはりその頃よりは声帯も変化はしているだろう。

ただハイトーンをウリにしていなかったから、まああまり変化は感じないと言うか・・・。

 

ロバート・プラントみたいな声だとやっぱり、歳を重ねるごとに高域は出なくなって

くるだろうから、人からは”劣化”と見られてつらいだろうなと思う。

レッド・ツェッペリンの再結成ライブで、あれ?普通に歌ってるじゃんって思ったけど、

実は一音下げ(もっと下がってたっけ?)だったらしいね。チューニングの話だけど。

ま、ナイト・レンジャーも全盛期よりは半音下げだし、その方が聞き苦しくなければ

いいんだ。無理にこだわる必要もないよね。

ポールはかたくなに下げないね。生ピアノもあるから面倒ってのもあるかもだけど、

それよりプライドだろうなあ・・・。以前(40歳くらいになったときだっけ?)「アイ・ソー・

ハー・スタンディング・ゼアをオリジナルキーで歌えたよ」って喜んでいた話があった

んだけど、この人は「自分の作った曲をオリジナルキーで歌う」ことにプライドと

こだわりを持っているね。

 

そう言や、ロン・キールなんて言うハイトーン・ボーカリストもいたな、LAメタルが

流行ったころに。ああ言うスタイルがウリのボーカリストは維持するのが難しい

よね。ちょっとでも高い音が出なくなると大騒ぎされちゃうもんね(苦笑

ジョン・ボンジョビだってデビュー当時はハイトーンがウリだったよ、少なくとも

日本では。ま、徐々に楽曲重視のバンドになっていったわけで、今はジョンに

特別ハイトーンを求めることはないだろうからいいけどね。

いつまでもハイトーンを求められるボーカリストは大変だよ。


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