♪ジョ・ウ・ネ・ツ・・・が欲しいのです~by山口百恵「美サイレント」
昔、歌詞が〇〇〇〇って伏字になっていて、そこが空白で
歌わないって歌が山口百恵の歌であったのね。宇崎竜童、阿木燿子、作詞作曲。
で、夜のヒットスタジオかなんかでその部分を歌う!って話題になったんだけど、
結局歌わなくて、テロップで画面下に出ただけだった。情熱の他にも何か言葉が
あった気がするけど・・・。
それを思い出してしまった。
「お・も・て・な・し」
あ、こっち5文字だ。
ところで、以前の「勘違いや心構え」の記事が皆さん、たくさん読んでくれた
ようで、やっぱり音楽関係が関心あるよね。
さて、今日はレコーディングの際の注意点を少し。
レコーディングはライブ録音と違って、可能な限りいいテイクを録りたい。
やりすぎはどうかと思うけど、俗にいうパンチインと言う作業も必要だね。
間違ったところだけをもう一度録音することなんだけど、昔と違って今は
結構細かく何回も出来る。
で、コツは例えば、ボーカルの場合、なるべく採用されたテイクと同じように
歌う。同じくらいの勢いで歌う。マイクとの距離も同じように離す。
そして声は生ものなので、何回も歌い直していると声質が変わってくるので
注意。人にもよるけど、一回休んで水なんか飲んじゃうと、声質が変わりやすい
から気を付けてね。「そこだけ元気」みたいなボーカルになりがち。
あるいは何度も歌っていると声がかすれてきたり。
で、ここまでは想像できると思うけど、ある文章と文章の間、一行だけ
パンチインする場合、よくやるミスと言うか、もうちょい想像力を働かせようよと
言うか(笑)、「そこだけしか歌わない」「ギリギリまで音を伸ばしてしまう」ってのが
あるんだけど、これ、結構不自然になりがち。
どういうことかと言うと、その行しか歌わなくていいもんだから、次の行につながる
ような歌い方が出来ない。いつも歌っている場合は続けて次の行を歌うわけだから、
息を吸う(ブレス)が入るんだけど、パンチインだとその必要がないのでブレスが
入らず、ギリギリまで音を伸ばしちゃったりする。余裕があるからね。
そうするとパンチインは綺麗に出来ているけど、通して聞いた場合、不自然に
聞こえたりする。
なので、そういう場合は次の行まで歌うつもりで息を吸うところまでやるか、
実際に次の行も歌ってしまうのもいい。
まあ、こちらの作業として、息を吸う音はパンチアウトして、前のテイクを生かせば
いいんだけど、さっきとまったく同じように歌ってくれれば可能な話なんだけど、
少し語尾が伸びたり縮んだりする場合も多いからね。
ひどい人になると、余裕があるもんだから、次の行に被るまで最後の音を伸ばしちゃったり
する。当然パンチアウトしてるから次の歌いだしの手前で音がプツッと切れちゃう。
いつもそうやって歌ってないだろう?いつも通りに歌いなよ(笑)。
パンチイン、アウトってのは「NGな部分を、あたかも一回で歌い切りましたって、
ごまかしてつじつまを合わせている作業」ってことを覚えておいて欲しい。
それとは逆で、サビを2回繰り返すなど、ちょっと続けて歌うのは厳しいって場合、
そういう場合は無理に一回で歌わなくてもOK。
一回休んで、声の調子を戻して歌うといいね。
また歌が重なる場合は別トラックに入れるので、そこはリアルを追及しなくてもいい
よね。
ギターなんかのパンチインも同じで、「間違った箇所だけ」を弾いてもダメで、どうしても
ピッタリ寸分狂わず同じタイミングで弾くことは不可能に近い。
なので、隙間が出来ちゃったりするので、これも手前から弾いて、アウト後も
少し強いた方がつながる。
その辺は説明するけどね。「手前から弾いていてくれ」って。それでもそこしか
弾かない人もいて困るときもあるけど。
たまにあまりに演奏が出来ない人も居ないこともなくて・・・(苦笑
大体は「いいテイクを録るために何回かやる」だけど、「まともな、聞くに堪え得る演奏
を偶然録音できるまでやる」って人もいて、そうするともうパンチインどころの騒ぎでは
ない。1曲の中で修正個所が多すぎて、どうしようもない。
そういう場合は、もちろん何時間をかけて直していってもいいけど、時間がかかって、
お金も膨らんで行って可哀そうだから、別トラックで何回か録音してもらう。
で、こっちでいいとこ取りで、使える部分をつなぎ合わせていく。
その作業でもまあまあ時間はかかるけど、パンチインしているよりは早いだろう。
仕方ないよね。まともに弾けないんだから(苦笑
でも凄い大変なんだぜ。知らない曲を合ってるところと間違ってるところを区別して
差し替えて行くんだから。脳みそフル回転。早くやってあげないといけないし。
多分ライブでは可なんだ。一瞬で音も大きいから多少のミスは目立たない。
でもレコーディングでは毎回そこでバレちゃうからねえ。
それとベースの人はあんまり音色をしょっちゅう変えるってことはないからそれほど
問題にはならないけど、ギターの場合は色々重ねるときもあると思う。
で、1番のAセクションと2番のAセクションは同じ音色でやるだろうけど、その場合、
音量は同じにしてほしい。たまに色々なエフェクトを踏んで色んなセクションを
録音していると、同じセクションでも音量や音色が微妙に変わってしまう場合もある。
そうするとその箇所箇所でいちいち音量を直さないといけないし、その部分がたくさん
点在していると時間も相当かかることになる。
大体Aセクションは同じトラックに入れている場合が多い。サビはサビ、BはBって具合にね。
わかりやすいからね。トラック内が同じ音量だと非常に簡単でありがたいんだけど、
同じAでも1番と2番で音量が違うなどは手間がかかるし、微妙だったら気づかないかも
しれない。
「Aセクションの音量を上げてくれ」って言われてそのトラックの音量を上げたら、2番の
Aセクションは大きすぎた・・・なんてことにもなりかねない。
気づけばいいけどね。
だから、無用な混乱を防ぐためにも、その辺も相手任せにしないで同じように録音できる
ようにちょっと気を付けておくといいね。
あとそうだなあ・・・えっと、やはりギターで、EFを踏むとノイズが出るって場合多いでしょ?
歪み系は間違いなくジーって小さく出てしまう。
で、ライブではMC中はノイズが出ないようにEFを踏まないとか、フットペダルでノイズを
カットするとか、そうやって対処している場合が多いよね。
で、それが慣れていて簡単に出来るならいいけど、それによって録音に支障が出るなら、
初めからノイズは出ていていいからね。こっちで気になるノイズはカット出来るから。
EFを踏む動作って「録音に入らないようにギリギリまで踏まない」ってことは結構
大変だよね。1拍目のストロークに影響が出てしまう。リズムが狂う率が高くなる。
ベースはね、パンチインするとそこだけ音量が違うって人も少なくないね。
ギターより多い。なぜかと言うとギターは大抵ディストーションがかかっているから、
強く弾こうが弱く弾こうがある意味コンプされちゃっているから音量はあまり変わらない。
ニュアンスは変わるだろうけど。
で、ベースは素の音が多いから強く弾けばでかくなるし、逆も如実に出る。
そこだけパンチインだと、気負いが出て大きくなるか、ビビって小さくなるか(笑)、
なんかさっきと違うってなりやすいんだなあ。
さっきと同じ気持ちで同じ強さで弾くことを心がけてね。
まあ、こっちで音量は揃えちゃうけど、つまりはその手間もお金がかかっていると
言うことだ。
レコする前にプリプロをきちんとして、レコではほぼ決められたことをやるだけに
しておくことが、一番お金もかからず、スムーズに出来るコツなんだけど、
でも、試行錯誤するのもこれまた楽しなんだよね(笑)。
「このフレーズ入れたらどうなるかな」とか「ここにコーラス入れてみたいなあ」とかね。
俺も実は楽しい。T☆ROCKSに置いてある鳴り物を急遽入れることもあるよ(笑)。
だから多少時間がかかるのは承知でその辺を色々試すのは歓迎だよ。
困るのが、「こんなはずじゃなかった・・・」って延々とまともなテイクを録ることに
時間がかかっているメンバーを他のメンバーが退屈して待っている図。
これツライ・・・。俺もどうしようもない。
それでも「もう一回やってダメならさっきのテイクで行きます」とか「まだまだやります」とか
自分でどんどん判断してくれればいいんだけど、困るのが、途方に暮れるって図ね。
いや、ぶっちゃけ言っちゃえば、お金がかかるだけで俺は困らないんだけど、
気の毒だもんねえ・・・。
仕方ないから多少助け船を出すと言うか、少し助言なんかもするけど、例えば
長いギターソロなら、前半はOKだけど後半はダメ・・・って場合は前半は生かして
後半だけ録り直しも場合によっては出来るからね。無理して全部一気に弾ききらないと
いけない・・・ってほどでもない。「こんなこと出来ないかな」ってのがあったら
相談してくれていいからね。
「出来るよ」って場合と「ちょっと出来ない」って場合もあるだろうけど。
それと、歌の場合に戻るけど(歌だけに限らないんだけど)、クリックを使っている場合は、
サビなど、1番で歌ったものをサイズが同じなら後ろ全部のサビに使うことが出来る。
これは考え方次第だ。多分、浜崎あゆみとか安室 奈美恵とかエーベックス系?
ダンス系などは多分、どこのサビも同じだと思う。
個人的には完成度を高めるために賛成。自分の音源でも(打ち込みの場合など)使ってる。
ただ、考え方次第と言ったのは、音楽とは時間が経過していく芸術だから、1番のサビと
最後のサビでは全てが変化しているはず、と解釈することも正解だと思うので、
全部きっちり歌うことにこだわりをもっている人もいて、これも大正解。
ま、最後のサビは歌い方を少し崩して変化をつける・・・などの場合は歌わないといけないけど。
あとコーラスね。これもちょっと考え方に相違があるかもだけど、二人でボーカルをハモって
いる・・・と言うような考え方の場合と、主旋律があくまで真ん中にあって、それにコーラスを
つける、と言う場合。前者は両方ともボーカルと考えていいと思う。ビブラートや感情を込める
など、普通に歌う場合と同じように考えて歌えばいいよね。
後者の場合はコーラスは歌と言うより、楽器と考えた方がいい。(ケースバイケースではあるが)
つまり感情がどうの、とかビブラートが・・・とかより、より正確な音程で一定の音量で一定の
声質であくまでボーカルの補助って考えで感情抜きに歌った方がいい場合も多い。
また、この場合はいいのが録れたら、後ろにコピペしちゃうのがベストじゃないかと。
前途したようにクリック使ってないと無理だけどね。
録音の早い賢いやり方は、ドラムとベースを一緒に録る。
ここではドラムのいいテイクを録ることを優先する。ギターはガイドのために一緒に
弾いてもらってもいいし、アンプを鳴らして一緒に録るともっと早いね。
ベースはよほどこだわりがない場合、ラインで音をもらう。
その後、必要ならアンプシュミレーターやキャビネットシュミレーターがあるので、音を
作りこんで行く場合が多いね。楽器側にプリアンプが入っている場合などは結構そのままで
いけることも多いけど、そうでもない場合はこっちでいい感じに仕上げて行く。
ベースは他の楽器との兼ね合いが大きくて、浮き出てくる場合もあれば、沈み込んじゃう
場合も多いからね。
ベースは差し替え可能なので、ドラムが致命的なミスがあったとか気に入らない、などの
場合以外はベースがミスしても続ける。
ちなみにドラムも差し替え可能ではある。
ただ、他の楽器よりは面倒。みんな簡単に考えるけど、シンバルなどの持続音が鳴っている
箇所が多いので、そういう個所はなかなか難しい。やってみないとわからないって感じ。
またスネアだけズレたんで修正してくれって言われることもあるけど、他のマイクにもたくさん
かぶってるからスネアのトラックだけを動かせばいいってわけではないからね。
タムトラックやシンバルトラックにもスネアは入っているわけだから、スネアトラックだけ
動かしても「タタン」って鳴っちゃうよね。だから他のトラックをミュートしないといけない。
けどミュートすると不自然になるのでギリギリまで音を小さくするとか、一緒に動かしちゃう
しかないね。
ただ、どうしてもなんとかしたいって場合はトラック数を2倍に増やして、別に演奏して
もらって、フェードでつなげるって手だね。それならほぼ間違いない。
大体、ドラマーってパンチインしても手数が違う場合も多いんだよね(苦笑
「さっきライドに行っていたのに、ハットになっちゃった」みたいな。そうすると
前の小節とつながらなかったりして。
あとなんかあったかな~・・・・
ここまですげー長いな(苦笑
みんな良くついて来たな(笑)
そうだ、アコギね・・・・。アコギはコンデンサーマイクで録る場合が多いけど、やはり
あまり動かないで欲しいね。色々不具合が出る。
アルペジオをパンチインアウトは難しい場合も多いので、別トラックを作っちゃう
場合も多いね。ピアノもそう。アコ系で楽器編成が少ない場合はそれだけごまかしが
利きづらいから慎重にやらないといけないのでフェードでつなげる方が安全。
ま、ちゃんと弾ければ問題ないんだけど。
長い!(笑)スマン!
また今度、思い出したら書くよ~~~~~~~~!!