続きなんだけど、歌詞って小説なんかとは違って、ストーリー性よりも「単語」ってのが凄く大事になる場合も
あるよね。歌える文字数が限られているので、「単語」で多くを語る必要があるね。
小説なんかだと色んな言い回しでいくらでも説明がつくけど、歌詞の場合は制限があるからね。
「日が暮れた・・・・」って言うより「たそがれ」とか「夕日が・・・」とか色を連想する単語を使う方が、その曲の
印象が強くなる気がするね。
「寒い一日だった・・・」って説明するより「木枯らしが吹いていた」とか「コートの襟を立てて」なんかの方が
情緒もあるし寒そうな感じがするよね。例えが昭和の歌謡曲になっちゃったけど(笑)。
そんな感じに「歌詞」って物はなんか普通の文章や日本語、文法とかを超越したジャンルじゃないかと
思うんだな。たまに意味不明だけどなんとなく心に残る歌や歌詞ってあるじゃない?あれ不思議だよね。
やっぱりメロディってものがあってそこに意味がある単語が載ることによって新しい表現方法になっているんじゃ
ないかと思うね。
最近の直接過ぎる歌詞と言うか、単語の羅列は閉口するけど、歌詞、単語とメロディって凄い力を持って
いるんで、どちらかと言うと、「意味が通じるけどインパクトが弱い」より「意味不明だけど心の残る」歌詞の
方が曲として聞いた場合、いいときもあるので、そこは小説的に考えるのではなく、あくまで、曲として、
音楽として考えた方がずっといい。
ごくたまにね、「不自然だったので」とか「子供っぽかったので」などの理由で、歌詞を変えましたって言われて
聞いてみたら、意外と普通になっちゃって、前の方がインパクトがあったな・・・なんて場合もたまにあって、
不思議だなあって思うよ。だって確かに直した方が理路整然としていて、きちんと出来上がってる。
だけど、歌として聞いたとき、前の方が心にグっと入ってくる強さがあるなあ・・・って場合もあってさ。
そういうのって、文法とか文章とかストーリー性とかじゃないんだよね。きっと「単語」だよね。
説明文になっちゃうとピンと来ないんだな。歌の場合ピンと来るか来ないかは結構大事だよね。
単語のもつインパクトと発音はこと「歌」に関してはかなり重要事項のひとつなんだね。
それともう一つ「語尾」ね。この「語尾」ってのも結構大事だと思う。
フォークソングの特殊な語尾の一つに「~なのです」って流行った時が合ってさ。言ってることがまったく
同じでも「~なのです」って言われると独自の言い回しになってなんとも当時は若者っぽくオシャレに感じたものだ。
内容がどうのこうのよりも、この「なのです」だけでその曲のイメージがバシっと決まっちゃう。
以前にT☆ROCKSで、あるアーティストの曲で語尾が「~だもん」って締めくくる歌詞があって、それが「~から」に
代わっていたのね。確かに変更後の方がまとまっているんだけど、「~だもん」のインパクトにはかなわないんだなあ。
だって「だもん」だよ。こりゃ、強いよ!
ま、イメージ的に変えたかったんだろうから、それでいいんだけど、語尾をちょっと変えただけでこんなにも
大きく変わるのかと、歌って深いな~と思ったよ。メロディと単語の組み合わせは本当に凄い。
「発音」に関しては歌ではないけど、小島よしおの「はい、オッパッピー」がいい例だな(笑)。凄い破壊力。
破裂音だから強力なインパクトがあるって分析がされていたけど、確かにこれが例えば「オットットー」だったら
ここまでのインパクトはないな。
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