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また会う日まで・東京から笠岡へ2

2021-11-14 22:53:46 | その他

朝日新聞の連載小説「また会う日まで」が2020年8月から始まっています。

第14章 東京から笠岡へ

が10月1日から10月31日まで30回の連載で終わった。

3月10日の未明、空襲警報で目が覚めた。

B-29が次々に飛来するのだがずいぶん低いところを飛んでいる。下から探照灯の光で

銀色の翼やふっくらした胴体がよく見える。敵は爆撃の戦法を変えたのだろうか。

 こちらも高射砲を撃ってはいるのだが一向に当たらない。迎撃する戦闘機は見たかぎり

一機もなかった。

「あの焼夷弾というのは始末の悪いものですな」と防空警戒隊の男は言った。「小っこい

のがばらばらたくさん降ってきて、一本ずつが炎を吹いて四方八方にまき散らす。バケツの

水でもホースの水でもとてもぜんぶは消せません」「中身はゼリーにしたガソリンだよ。

それに点火した上で飛び散るように作ってある」「一本だけ不発の奴を見つけました。

長さ一尺半くらいの六角形の棒でした」

☆東京大空襲の詳細が記述していました。