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何でもありの記録
HN天道(てんとう)

秘密の友人(Secret Pal)

2007年10月27日 | Weblog
今日の昼ぼんやりテレビを見ていた。
こんな話だった。

アメリカのある小学生が熱を出して母親は風邪かと思ったが治らないので病院に連れて行った。
検査は1日かかった。
そして結論は癌にかかっていることが分る、悪性リンパ腫で相当進行していて半年の命だと宣告される。
それから家でその小学生の闘病生活が始まる。
治療の副作用で頭髪も全て抜けてしまう。

暫くは学校の友達からたくさんの手紙が来る。
「早くよくなってね」
「また学校に出てくる日を待ってるよ」
そんな手紙を毎日心待ちにして生きていく。

毎日郵便が配達されるのを郵便受けで待っている。
次第に手紙の数が減っていき、少年は友達からだんだん忘れられていくような寂しさを感じ始める。

母親は寂しげな息子に心痛め、意を決して息子の友人に会いに行って、また手紙を出してくれるように頼みに行く。
暫くの間友人達の手紙が続くがそれも次第に回数は減っていく。

母親は自分が手紙を書く決意をする。
そして「秘密の友人」という匿名で息子宛の手紙を毎晩書き始める。
いつも、手紙の最後の差出人名に「Secret Pal」と書いて息子宛に発送していたのだ。

息子もその手紙を毎日心待ちにして生き延びていく。
半年の命と宣告されながら、その何倍もの命を生きた。

あるとき息子は「秘密の友人」宛に返事を書いて母親のところに持ってくる。
この返事を出して欲しいと母親に頼む。
母親は困ってしまって一晩悩む。
そして息子が書いた返事の手紙を開封してみる。

「秘密の友人」へ、と題した返事。
クリスマスの贈り物に貰った青色のセーターがとても嬉しかったことなどが書いてある。
そして最後に
「長い間ありがとうママ」と書いてある。

息子は「秘密の友人」が自分の母親であることを知っていたのだ。

しかし、母親はまた「秘密の友人」として返事を書く。
こうして2人の文通は暫く後に彼が死ぬまで息子と「秘密の友人」として続いた。

家で孤独な闘病生活を続ける彼にとって手紙が届くことは「命」だったのだ。

2人とも泣かせるじゃねえか、クソッ。