鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

輪違いに雁金図 古赤坂 Akasaka Tsuba

2020-11-28 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋


輪違いに雁金図 古赤坂


輪違いに雁金図 古赤坂

曲線の組み合わせにより、円が球状に見えてくる構成は良く知られている。肥後の林なども曲線の組み合わせからなる妙味ある構成美を創出した鐔を遺している。その繊細な美観を主題とし、所々に雁金を組み込んでいる。

武蔵野図鐔 赤坂 Akasaka Tsuba

2020-11-27 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

武蔵野図鐔 赤坂


武蔵野図鐔 赤坂

ススキの葉を巴状に、耳に構成している。なんて素敵なんだろう。三日月と帰雁を組み合わせ、構成美を極めている。微かな月明かりに露が光っている。武蔵野の古歌を題材に意匠したものながら、鐔という画面を活かして巧みに風景の文様化を試みている。

武蔵野図鐔 古赤坂 Akasaka Tsuba

2020-11-26 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

武蔵野図鐔 古赤坂


武蔵野図鐔 古赤坂

これもススキなど野の植物を題に得て、その枯れて朽ちかけているような、秋の雰囲気が漂う作。独特の強弱変化に富んだ曲線からなる構成が美しい。地鉄の風合いも、この図柄に良く合っていると思う。

武蔵野図鐔 赤坂 Akasaka Tsuba

2020-11-20 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

武蔵野図鐔 赤坂


武蔵野図鐔 赤坂

ススキなど野の草が生い茂っている。味方によれば野趣に溢れた場面だが、名工の手に掛かれば風雅な文様に変化する。晩秋の野であろう、風を受けて枝が折れている。露が枯れススキの葉に光っている。武蔵野の図の原題は伊勢物語。主人公が東国を旅し、武蔵野までやってきた。その印象が和歌として遺されている。都を思い出しているのであろうが、赤坂鐔工の手にかかると、ずいぶん印象が異なる世界観の展開だ。

藻刈図鐔 赤坂忠重 Tadashige Tsuba

2020-11-18 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

藻刈図鐔 赤坂忠重


藻刈図鐔 赤坂忠重

伝統行事の一つ、海藻を刈り取って神前に供える儀式がある。この図がその神事を表わしているのではないかと考えた。束ねられた海藻が文様化されて風雅な印象。赤坂鐔工の中でも忠重は、言うなれば赤坂の門流の一つだが、本家を超えて様々な文様美を生み出した。

扇茶筅雁金繋図 赤坂忠重 Tadashige Tsuba

2020-11-17 | 鍔の歴史
扇茶筅雁金繋図 赤坂忠重


扇茶筅雁金繋図 赤坂忠重

尾張鐔などを手本としたものであろう、耳と切羽台を扇や雁金文でつないだ透鐔。銘がなければ尾張と極められる作である。下の鐔も同様に尾張に紛れる作。雁金と呼ばれる鳥の文様は、透かし鐔にまま採られている。いかなる理由があるのか良くわからないのだが、文様化されると独特の美が生まれる。



日本刀専門店 銀座長州屋

這龍図鐔 赤坂忠時 Akasaka Tsuba

2020-11-07 | 鍔の歴史
這龍図鐔 赤坂忠時


這龍図鐔 赤坂忠時

 赤坂鐔工にもこのような意匠があるんだと、再認識した作。新たな作風を求めたものであろうか、それとも特別の依頼があったものか、赤坂鐔として興味深い一枚である。龍神の透かしの切り口の処理などは特に興味深い。

日本刀販売 銀座長州屋

近江八景図鐔 赤坂忠時 Akasaka Tsuba

2020-11-05 | 鍔の歴史
近江八景図鐔 赤坂忠時


近江八景図鐔 赤坂忠時

 近江八景図は、多くの金工が、それぞれの技法で挑んでいる。先に紹介した鐔と同様に、陰影表現が赤坂の特質。透かしの切り口の草体化は、描かれている要素を拡大するとわかり易いだろう。

田舎家図鐔 赤坂忠時 Akasaka Tsuba

2020-11-04 | 鍔の歴史
田舎家図鐔 赤坂忠時


田舎家図鐔 赤坂忠時

 田舎家とみたが、茶室かもしれない。枝垂れ梅の存在が美観を高めている。風景の要素ではなく、明らかに風景そのものを、切り絵のように陰影で表現しているのだ。時代の降った赤坂の作。古赤坂の時代に時雨亭を題に得た作を遺しており、比較すべきではないが時代の移り変わりを感じてしまう。

波千鳥図鐔 赤坂忠重 Tadashige Tsuba

2020-11-02 | 鍔の歴史
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

波千鳥図鐔 赤坂忠重


波千鳥図鐔 赤坂忠重

 かなり砕けた感じの、風景の文様表現。琳派の美観の基礎に風景の文様化があるのだが、それとは全く異なる視点で風景の文様化が行われている。