猛虎図目貫 (鍔の歴史)
猛虎図目貫 無銘後藤光乗
虎は実在の動物だが、霊獣の一つと捉えられて描かれることが多い。金無垢地や赤銅地を打ち出し強く高肉に表現するのは後藤だけでなく一般的な目貫も同様の技法によるのだが、後藤には金地と赤銅地の別彫りした像を溶着させて一体に表わす芋継(いもつぎ)と呼ばれる手法がある。金の色合いは、色絵よりも金無垢地のほうが遥かに良い。それが故に赤銅の黒と金色の対比になる図を描く場合においても色絵に頼らず、この手法が採られることがある。置金(おきがね)も同様で、金地の上に赤銅地など別彫りの像を固着させる手法。いずれの技法も、擦れてもなお同じ金色を呈し、あるいは赤銅地の色を呈するところに大きな特徴がある。この目貫がまさにその意識によって製作されたもの。裏面の工作の様子も鑑賞されたい。
猛虎図目貫 無銘後藤光乗
虎は実在の動物だが、霊獣の一つと捉えられて描かれることが多い。金無垢地や赤銅地を打ち出し強く高肉に表現するのは後藤だけでなく一般的な目貫も同様の技法によるのだが、後藤には金地と赤銅地の別彫りした像を溶着させて一体に表わす芋継(いもつぎ)と呼ばれる手法がある。金の色合いは、色絵よりも金無垢地のほうが遥かに良い。それが故に赤銅の黒と金色の対比になる図を描く場合においても色絵に頼らず、この手法が採られることがある。置金(おきがね)も同様で、金地の上に赤銅地など別彫りの像を固着させる手法。いずれの技法も、擦れてもなお同じ金色を呈し、あるいは赤銅地の色を呈するところに大きな特徴がある。この目貫がまさにその意識によって製作されたもの。裏面の工作の様子も鑑賞されたい。