海辺図鐔 (鍔の歴史)
海辺図鐔 遷斎篤興造
摂津国、商都として栄えた大坂の海の玄関口住吉の辺りに取材したもの。現代では復元された高灯篭が住吉公園にある。もちろん埋め立てが行われて江戸時代の海岸線は全くわからなくなっているが、当時はこの鍔のようにごく近くまで水際が迫っていたものであろう。鉄地高彫に砂浜は金真砂象嵌、波は銀、松樹に金と赤銅を用い、裏面は砂浜に置かれた錨、これらに白鷺を配して美しい風景を展開させている。灯台は海の安全を図るもの。鷺は一路平安の言葉があるように、旅の安全を願う謂い。この美しい風景図の鍔には、海路の安全を願う意識が秘められている。79ミリ。
海辺図鐔 遷斎篤興造
摂津国、商都として栄えた大坂の海の玄関口住吉の辺りに取材したもの。現代では復元された高灯篭が住吉公園にある。もちろん埋め立てが行われて江戸時代の海岸線は全くわからなくなっているが、当時はこの鍔のようにごく近くまで水際が迫っていたものであろう。鉄地高彫に砂浜は金真砂象嵌、波は銀、松樹に金と赤銅を用い、裏面は砂浜に置かれた錨、これらに白鷺を配して美しい風景を展開させている。灯台は海の安全を図るもの。鷺は一路平安の言葉があるように、旅の安全を願う謂い。この美しい風景図の鍔には、海路の安全を願う意識が秘められている。79ミリ。