釣り人図小柄 (鍔の歴史)
釣り人図小柄 銘 後藤光侶(花押)
後藤宗家十代廉乗光侶は八代即乗の四男。若くして父が死んだため、九代程乗に学んで宗家の家督を継いだ。人物描写を得意としたものであろうか、後藤の伝統的な図柄に加えて人物の登場する画題が間々みられる。この釣り人図もそのような作。後藤家には恵比寿を題に得た作がある。岩上で釣り糸を垂れる図、舟上で鯛を釣り上げた図などで、いずれも福徳願望の意識を背景とした七福神思想に関連している。
だがこの図は漁師。釣り上げようとしているのも鯛ではなさそうだ。後藤家には、浜辺で網を引く漁師の図などもあり、他の職人を題に得た図と同様、同時代を記録したものとして興味も一入である。赤銅魚子地に高彫金銀色絵。波を古典的な波とせず、大きく寄せる構成としている。
釣り人図小柄 銘 後藤光侶(花押)
後藤宗家十代廉乗光侶は八代即乗の四男。若くして父が死んだため、九代程乗に学んで宗家の家督を継いだ。人物描写を得意としたものであろうか、後藤の伝統的な図柄に加えて人物の登場する画題が間々みられる。この釣り人図もそのような作。後藤家には恵比寿を題に得た作がある。岩上で釣り糸を垂れる図、舟上で鯛を釣り上げた図などで、いずれも福徳願望の意識を背景とした七福神思想に関連している。
だがこの図は漁師。釣り上げようとしているのも鯛ではなさそうだ。後藤家には、浜辺で網を引く漁師の図などもあり、他の職人を題に得た図と同様、同時代を記録したものとして興味も一入である。赤銅魚子地に高彫金銀色絵。波を古典的な波とせず、大きく寄せる構成としている。